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翼をもらったツキ。第三話

ルナの登場が、不思議な現象を引き起こす・・・

この小説は、ブルガリア民話をもとにしたすこしふしぎ小説です。

【二次創作】【重複投稿】

第三話



「―――お掛けになった電話は、電波の届かない所にあるか

 電源が入ってないかで、掛かりません―――…」


 大橋が去った後で、念のためもう一度、

青梅(おうめ)の携帯電話にかけてみたが、通じないままだった。

青梅の両親、友人、彼女、心当たりのあるところには

全てかけたが、誰も行方を知らなかった。


 青梅はどうやら携帯の電源を切っているようだった。

自由すぎるのだ。昔からずっと。

自由というか、天然というか、束縛を嫌う。

だから、突然、行方をくらませて旅になど出てしまったのだろう。


「俺、これからどうしようかな。」

 ネタは八割がた青梅が作っていた。

かがも作っていたが、型にはまりすぎて

人前に出せるレベルではないと思っている。


 ちゃぶ台を片づけて、ふと、大橋が残していった

人形のルナを見る。

 ミカン色の髪は、メイドらしくネットで団子頭にしている。

眸は青みの強い緑色から空色のグラデーション。

光沢のあるフリフリのエプロン、ミニスカートのメイドさんドレス。

 世のオタクたちはこういうものを見て、癒されるのだろうか。


「こういう、良く出来てるものに弱いんだよな…」

 関節の継ぎ目が無いのに、関節が自然な角度で曲がる。

しかも、指の一本一本がちゃんと曲がる。

支え棒が無いのに直立しているし、

髪も、微細でそのくせしっかりした素材で出来ていて、

安っぽいアクリル筆みたいな素材ではなかった。

 中に下着も着けているようだ。その中身も気になったが、

なんだか一線を踏み越えそうな気がして、やめた。

 このフィギュア、誰がどうやって作ったのだろう?


 なんだかなー。利は途方に暮れた。

 東京に来て、大学生活含めて四年頑張った。

しかし、今残されているのはこの身と、メイドフィギュアだけ。

 しかし、糞が付くほど真面目な利は、

この芸人としての経験を、無駄にはしたくなかったのである。

芸人を、続けたかったのである。

周りが見えなくなり、意地になっていた。


 だから、独りきりの部屋で、こうつぶやいたのである。

「ルナ、何とかしてください。新しい相方を見つけさせてくれ!」




 何とも痛い請願から、十日ほど過ぎた。


 利は、いつものように居酒屋のバイトから帰ってきた。

外はもう物悲しい夜明けの光が差している。

鍵を開けて、自分の生活の場に戻る。

 すると。


「………。」


 おかしい。

 ここ最近、家に戻ると、出来たてのご飯が用意されている。

しかも利の好きなものばかりだ。

今日はチーズハンバーグにオニオンスープ、男爵いものサラダである。


貯め込んでいた洗濯物もいつの間にか綺麗にアイロン掛けされて、

たたまれている。

部屋の中は、まるでプロの業者に頼んだかのように

ぴかぴかに清掃されている。


 どれもこれも、ルナがここに来てからだが…

どう言うことだろうか??



(続く)

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