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翼をもらったツキ。第二話

相方を失った芸人のもとに来客が。

この小説は、ブルガリア民話をもとにしたすこしふしぎ小説です。

【二次創作】【重複投稿】

第二話



「何しに来たんだ。」

 かがはこの来訪者を好んではいなかった。

 何かにつけて馬鹿にし、からかうからだ。

多分、自分を玩具か何かだと思っているのだろう。

「お隣さんだろう?励ましに来たのだ。」


 『お隣さん』は利の承諾なしにサンダルを脱ぎ、部屋に上がった。

 大橋おおはし 由宇一ゆういち

 カナリア色のドレッドヘアは、サイドだけ長くし、

トップは短く刈っていて、丁髷のように髪の毛の花を

咲かせている。その頃の流行と言えば、サッカー選手・ベッカムの

ソフトモヒカンだったわけだから、彼の変わった気質を

如実に表している。


 実は大橋も芸能界で生きている男である。パンクバンド

「ダークマターズ」でドラムを叩いており、熱心な

カルトファンも多い。彼のような人間であれば、

もうちょっとましなマンションかどこかに住んでも

いいのだろうが、何故かこのぼろアパートに棲みついている。


「貴様、腹ペコだろう。この俺が食いもん持ってきてやったぞ

 ありがたく思うんだな」


 コンビニ弁当は、いつもの味がして、久しぶりのビールは

すぐに酔いが回った。

 もう一つ、ショートケーキを持ってきた訳を聞くと、

「ああ、こないだの25日、何の日だか忘れるわけはあるめえ。」

 青梅おうめが失踪した日だ。

「ちげーよ!市蔵いちぞうちゃんの誕生日じゃない」

 自分の誕生日のことなど、すっかり忘れていた。

 大橋は事あるごとに利にちょっかいを出すのだが、

たまにこういういい人な日がある。


「その、ありがとうよ。」

 利は素直に感謝の言葉を述べた。

「なんでそんな弱ってるんだ?バイト代ぐらい入っているだろうに」

「……。」

「貴様、分かりやすい男だなあ、多分こうだろう、

 青梅がいなくなって気が気でなくて飯も喉を通らない、と」

 利はひどく下を向いた。

「おい!まさか図星か!?

 お前、青梅にコイでもしているのか?!

 野郎が野郎を待つだなんてキモすぎるぞ」

「俺は青梅に恋だのしていない!!ただ…」


 大橋はいきなり立ちあがった。

 と思ったら、鞄の奥から四角い箱を取り出した。

「誕生日プレゼントだ。開けてみなよ」


 箱の中身は、全長25cmくらいの美少女だった。


 フリフリのエプロンをつけて、大きな羽箒を持っているから、

今流行しつつあるメイドさんなのだろう。

実に精巧にできている。関節の継ぎ目が無く、

服もものすごく細かな糸で編んだ服を着て、縫製もしっかりしている。


「これは、よくできた…フィギュア?」

「そうだ。名前はルナだ。

桜生(さくらい)・ルナ・イシルウェン』」

「ルナ。か」

 つまりこれで寂しさを紛らわせろ、ということか。

「これからはフィギュアとでも仲よくしてるんだな。」


 ごみとフィギュアを残して、大橋は去っていった。

 これが利 市蔵とルナの出合いなのであった。

これから起こる物語を、利はまだ知る由もない。



(続く)

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