十四話『雛菊「ようやく、私の番が・・・。《少ししかでません。》って、えぇ!!」』
第一試合の私達が終り、第五試合まで終った。今は、雛菊さんの試合だ・・・。
陽菜「はぁ~。」
理央「どうしたの?溜息なんてついちゃって。幸せが逃げるよ。」
何、言ってるんですか。
陽菜「私の幸せは、今この時です。今が、逃げるわけないでしょ。」
理央「たしかにね。でも、追いかけないと今に置いてかれるから気を付けてね!!」
陽菜「急ぎすぎても、駄目だけどね!」
理央「あはは。」
陽菜「やっぱり、今をいきなきゃね。」
理央「で、今を生きる気になった?」
陽菜「・・・やっぱり、急いだほうがいいでしょうか?」
理央「もう!!現実逃避しないの!」
したくなるでしょう?
陽菜「無理です。絶対に!!」
理央「もう、いくら雛菊さんのあれがすごいからって・・・。」
いや実際に、あれは反則です。なに最初から、クライマックスなんですか!!
~雛菊の試合~
雛菊「行って。ペガ!」
ペガ「GYAAAAAAAA」
シュー、ドォーン!!
対戦相手「クッ、私の盾が・・・。」
~雛菊の試合~
何だよ、ペガサスの角!光が吸収したと思ったら、ドォーンって・・・。
理央「ふざけているね。」
陽菜「私達、このまま勝ち続けると戦う羽目になりますね。」
理央「頑張ろうか。」
陽菜「む~、気分が乗りませんので、パスで。」
理央「パスしたら、負けだよ?」
陽菜「はぁ~。この前は、もう一度勝負しようと思っていましたけど、無理ですね。2対3は勝ち目ありませんね。」
理央「どうしようかね?」
いったい、どうすればいいのでしょうか・・・。あっ!!
陽菜「私達も、召還すればいいのですよ。幸い、雛菊さんと当たるのは早くて明日です。今から、練習すれば問題ありません!!」
どうです。この、解決策は。えっへん。
理央「はぁ~、陽菜。無い胸を張ったって、哀れみしか感じないよ。」
むっ、それは言ってはいけない事ですよ!!
陽菜「なに、自分がでかいからって!!」
理央「いいじゃない。世の中は、胸が小さいほうが需要あるんだよ。」
えっ?でも、やっぱり大きいほうが・・・。
理央「それにね。大きいと、大変なんだよ?いろいろと・・・。」
むっ、ですが。大きいほうがなんかいいです。
理央「それにね。胸は脂肪の塊なんだよ。体脂肪率に関係してくるんだよ。」
えっと、なんだか理央の様子が・・・。
理央「大きいと本当に、大変なんだよ・・・。」
陽菜「なんかあったんですか?」
理央「・・・昔、好きだった人に告白したら“俺、貧乳の方が好きなんだ。巨乳とか脂肪の塊じゃん(笑)。”って言われて、振られたの・・・。」
あ~、それは・・・お気の毒に。
陽菜「すみませんでした。」
理央「いいのよ、別にね・・・。」
うわ~。超気まずい!!ここは、話を元に戻さないと・・・。
陽菜「理央~?話を戻して、さっきのどうする?」
これで、元に戻さなくては・・・。
理央「う~。えっとね。それ、無理。」
えっ!?話を元にもどしたら、無理って言われましたよ。さっきの怒ってるのかな~?
理央「まずね。私達では、召還したとしてもまともに制御できない。召還中は、魔力が常時消費する。この二点をクリアしないかぎり無理。」
それじゃ、無理じゃないですか・・・。
理央「それにね。この二つを出したとしても、獣クラスしか出せないわ。幻獣クラスは無理。」
陽菜「でも、獣が一匹いるだけも・・・。」
理央「獣クラスは、幻獣クラスに勝てないわ。ううん、勝負にならないわ。」
陽菜「どうして・・・。」
理央「獣の本能ってね。圧倒的に強いやつとは、勝負しないのよ。」
それじゃ・・・。
理央「ここまで言えば、わかったわよね。そう、獣クラスは怖気つくわ。」
そんな、使い物にならないなんて・・・獣クラスは役に立ちませんね。
陽菜「それじゃ、万策尽きたじゃないですか・・・。」
理央「万策って・・・尽きたわけじゃないよ。」
陽菜「策があるんですか?」
理央「うん。」
陽菜「あるなら先に、言ってくださいよ!!で、何なんですか?その策は・・・。」
理央「それはね・・・。」
陽菜「それは?」
理央「ひ・み・つ!!」
むかー
陽菜「もったいぶらないで、今すぐ教えて下さい!!」
理央「だから、“ひ・み・つ”だよ。」
ひみつで思い出しましたが・・・。
陽菜「世界が止まったのに貴女は・・・理央は関係ある?」
理央が、めっちゃ驚いてる・・・。これは・・・。
理央「・・・うん。」
陽菜「何か、あったのですか?」
理央「・・・ごめん。」
陽菜「何があったんですか?」
理央「・・・ごめんなさい。」
陽菜「教える気はないのですか?」
理央「・・・うん。だけど、信じて!今は話せないけど。何時か話すから、待ってて。」
わかりました。
陽菜「待ってあげる事しかできないのなら、私はずっと怒りながら待ってるよ。」
理央「・・・。」
陽菜「気持ちを分かち合えない寂しさと、理央の力になれない自分に。」
理央「・・・ごめん。陽菜、本当にごめん。」
陽菜「待ってますからね、理央。」
理央「・・・ごめんね。」
静香「第四試合は、黒沢&綾瀬ペアが二回戦進出を決めました。最初から最後まで、一方的な試合運びでしたが・・・。」
理央「もう、終わっちゃたね。」
陽菜「全く、見ていなかった・・・。」
理央「気にしないでよ。」
陽菜「でも・・・。」
理央「大丈夫、私達が勝つから。」
陽菜「理央・・・。」
考えて、悩んで、壁にぶつかって。たくさんへこみそうになるけど。
私は、沢山の人に教えられて。励まされて。応援されて。私は、沢山の人に支えられてきたんだ・・・。
だから、こんな所で止まってるだけじゃ駄目だ。皆に、私が成長した所を見せなきゃ。
だから、私は・・・私達は確実に勝つ!!