十三話『沙織さんは、手加減しても最強の魔女!!』
沙織「ほら、踊りなさい。」ヒュッ!
突然、沙織さんの方から魔弾が飛び出してきた・・・。
理央「えっ、嘘!!もしかして、無詠唱!?」
ですよね~。沙織さん、無詠唱は使わないとは言ってませんでしたもんね~。しかし、理央さん。惚けてると、駄目ですよ。
陽菜「Bullet!!」ダッン!!
私の魔弾と、沙織さんの魔弾が相打ちした、・・・手加減されてるからか。でも、余波がすごい・・・。
理央「はっ!!Restraint!」
理央が、沙織さんを縛りあげた。ナイスだよ、理央。
沙織「あっ、縛られちゃった。」
理央「陽菜、今だ!!」
わかってますよ、理央。いくら沙織さんでも、至近距離の散魔弾は致命傷になるでしょ!?
陽菜「Rapid-Fire-Bullet!!」ダダダダダダダダダダダダダダン
陽菜「けほけほ、これで勝ちかな?」
すごい砂煙です・・・。
理央「えっ!?やったの?私達、勝ったの?」
ええ、陽菜さん。私達の勝ちです。
沙織「駄目ね。言ったでしょ。最後まで、気を抜くなって。」
陽菜・理央「えっ!!」
理央「どうして、あれを喰らって平気なの?」
理央さん、そんな所を気にしてる場合ではありませんよ。沙織さんの後ろには待機状態の魔弾が・・・。
沙織「陽菜、違うわよ。これは、魔弾じゃないわ。即席で、作った『AI-7』空間展開型自動支援システム。すごいでしょ!!」
なんで、心で思ったことが分かるんですか?しかし、あれですね。沙織さんたら・・・。
陽菜「おしゃべりですね。そんなにも、すごいって言われたいんですか?」
理央「支援システムを、空間展開?えっ、なんで。ありえない!!」
理央、混乱しないで下さいよ・・・。しかし、参ったですね。一筋縄では、いかないと思っていましたが、ここまでとは・・・。
陽菜「・・・『T-5』システム起動。」
移転先は、沙織さんの後ろ。
陽菜「・・・Shoot。」
理央「こうしちゃ、いられない。Bounds of a sacred place!」
沙織「こそこそ、動いてる子は誰かな~?」
防がれた!?
理央「????」
沙織「『AI-7』システムはね。防御もできるんだよ。私を、超攻撃型だと思っていたでしょ、陽菜は?」
えっ?沙織さんは、超攻撃一点特化じゃないんですか?だてに、最強の魔女って言われてるじゃないですか?
沙織「そんな、勘違いをしてる子には、お仕置きだよ。」
理央「くっ、来る。」
一斉射撃か・・・。しかし、この展開だと。
陽菜「理央、任せるね。」
理央「えっ、ええ。」
バッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッン
理央「あれ?そんなに、魔力が込められていない?」
ですよね。さて、沙織さんはどこでしょうか。あの沙織さんは、偽者ですね。
陽菜「一体何処に・・・。」
沙織「貰った~!!」
なっ、後ろからなんて。ですが・・・。
陽菜「movement!」ヒュン
沙織「逃がさない。」シュッ
陽菜「なっ!!消えた!?」
いや、今の音からして移動系かな?しかし、どんな魔法を使えばそんな音がでるんですか?
沙織「陽菜、ごめんね。」
えっ。突然、前が真っ白に。
~理央side~
理央「なんで、こんなに魔力が少ないの?」
これは、調べてみる必要があるかあしら?
理央「・・・investigates」
え~と。どれどれ・・・。えっ、嘘!!目の前にいる沙織からは、魔力がほとんど無い?
理央「しかし、いったい。あっ、・・・。」
一つ思いつた事がある。でも、そんな事できるわけない・・・。全部が、幻術だなんて・・・。
理央「でも、全部が幻術なら話が合う。」
魔力弾が、弱かったこと。沙織さんが動かないこと。そして、それを発動した時に陽菜が動いた事。なら、今陽菜は何処に?
ヒュッ シュッ
音が聞こえました。ですが、いません。どうやら移動系ですね。さて、みてみますか『The pupil which looks at all』
さて、どうなってるのでしょうか・・・っ!!このままでは、陽菜が沙織さんに攻撃される!!
【守りたいか?】
突然、声が聞こえた。
【守りたいか?】
・・・。
【守りたいか?】
「私は・・・。」
【守りたいか?】
「私は守りたい・・・。」
【誰を守りたい?】
「私は・・・。陽菜を、守りたい!!」
そこからは、身体がかってに動いていた・・・。私は、何をやったのか覚えていなかった・・・。
~陽菜side~
目の前が元に戻ると・・・。世界が止まってた。
陽菜「何、これ?」
全てが止まってます。雲も風も、人までが止まってます。
陽菜「沙織さんだけは、少しずつですが動いてますが・・・。」
沙織「(なんで、止まってるの。もしかして、乃木坂の子が?でも、まさかね・・・。)」
理央「・・・Fin」
陽菜「!!元に戻った」
沙織「当たれ!!」
残念ですが。沙織さんの攻撃範囲から避けているので、セーフです。
陽菜「痛っ!!」
痛いです。なんで、当たったんですか!?
沙織「私、言ったわよね。“逃がさない”って!!」
怖いです。沙織さん、超ヤンデレです。
沙織「へぇ~、私ヤンデレなんだ。」
陽菜「心読まれてる!?」
沙織「うん。だけどね、陽菜。相棒の心配した方がいいよ。」
読まれてるんですか、心を。しかし、相棒って・・・。あれは、・・・。
陽菜「理央!!どうした『余所見は、駄目だよ。』ッ!!何するんですか!!理央から血が出てるんですよ!!」
沙織「陽菜。戦闘中に余所見なんて余裕だね。」
何、ふざけてるんですか。沙織さん、見損ないましたよ。
沙織「ふざけてるのは、貴女よ!!戦闘中に気を抜いて。私を舐めてるの?」
なんなんですか・・・。
沙織「いい、その子は死んではいないわ。安心して。」
陽菜「安心なんて、できますか。血溜りができてるんですよ!!」
沙織「それは、幻術よ。乃木坂の子のね。」
どうして、理央がやるんですか?
沙織「わからないわ。ただ一つ分かるのは、私は彼女の魔法に捕らわれてるわ。」
????
沙織「わからないわよね。なら、いいわ。今は深追いしなくていい、今は気にしないで・・・。」
気にしないでって・・・。
陽菜「まぁ、わかりました。ですが、時が来たら話してくれますか?」
秘密にされると私、超気になるタイプなんですよね。
沙織「・・・いいわよ。時が来たらね。」
しかし、さっきから攻撃してるんですが・・・。
陽菜「なんで、相打ちなんですか?『AI-7』は、嘘だったんじゃないんですか?」
沙織「何言ってるの?これは、本物よ。」
陽菜「えっ、完成してるんですか?」
初めて知りましたよ。戦闘中に完成させるなんて・・・。
沙織「そうだ、最後だから教えてあげる。」
えっ、最後って!?私、負けるんですか!?
沙織「これは、本物よ。ただし、空想の中でのね。」
へっ!?どいうこと!?
沙織「あ~、もう終りだわ・・・。」
終わっちゃんですか!?
陽菜「どういうことですか、沙織さん?」
いったい・・・。
沙織「ギブアップ!!」
えっ、どういうことですか?
静香「おおっと、ここでギブアップ宣言!!なんと、最強の魔女がここで終わるとは・・・。」
沙織さんは、何がしたかったんですか?
静香「第一試合は、千葉&乃木坂ペアが勝ちました。しかし、ここでまさかの大盤狂わせ!!この大会、何が・・・。」
とりあいずは・・・。
陽菜「理央を、探さないと・・・。」
???「だ~れだ!!」
突然、目を隠されましたが、この声は・・・。
陽菜「理央でしょ!!」
理央「正解~!!よくわかったね!!」
陽菜「理央の声ぐらいわかるよ。」
陽菜「そういえば、どこにいたの?」
あれが幻術と言うなら、理央が試合中にどこにいたのか、気になります。
理央「ふふ、秘密!!」
陽菜「む~、秘密とは。理央のくせに生意気だ!!」
理央「え~、いいじゃん。それに、乙女の秘密は覗いちゃ駄目なんだよ!!覗いたら、罰なんだから!!」
な、何だってーーーー!!
陽菜「そんな、覗いたら罪だなんて・・・。」
~妄想~
私「沙織さんは、私の記憶を覗いたので罰です!!」
沙織さん「えっ!!罰って!?」
私「乙女の秘密を覗いたので。」
沙織さん「えっと、どんな罰なの?」
~妄想終了~
陽菜「身体に教え込みます。」キャッ!!
理央「何、言ってるのよ。陽菜・・・。」
はい?
理央「声に出してたわよ!!」
陽菜「えっ!!どこからですか?」
声に出していたなんて・・・。
理央「身体にってとこから。」
そこからですか・・・。一番聞かれたくないとこを。・・・超恥ずかしいです///
~沙織side~
まさか、覚醒するだなんて・・・。
一応彼女も、乃木坂家の人間だけど、同じ時代に二人の人間が覚醒するなんて・・・。
これは、調査した方がいいわね。
沙織「グフッ!!」
さっきの試合での傷が・・・。
沙織「この私としたことが、魔法にかかるなんて・・・。」
でも、何時支配されたかわからないわ。危険ね・・・。
近いうちに、彼女は第二段階に至るでしょうね。
こうなったのも全部、乃木坂家現頭首、乃木坂桜が関係してるはず。
沙織「・・・桜。あんたは、いったい何をしたかったんだい?」
物語の人物は、思い思いに散らばっていく。
人物は、元の場所へと戻って行く。
だけど、物語が間違ってたら?もし、人物が居なかったら?
それは、全く別の“完成しない物語”となる・・・。