九話『文化祭に向けての準備。』
二章、突入。
あの日から、私達は魔法理論の勉強をして、上へと翔け上がろうと決意したわけですが・・・。
理央「来週は、中間テストだね。」
陽菜「えっ、もう。そんな時期なの?やだ~、テストやだ~。」
理央「はいはい。駄々はこねないの。いいじゃない、それが終わったら文化祭なんだし。」
陽菜「文化祭あるの?初めて、聞いたよ!!てか、何時?」
理央「来月の3日から7日までの五日間。ぶっ通しで、行われるよ。」
陽菜「えっ、来月なの?準備とか、大丈夫なの?」
理央「大丈夫。中間テストが終わったら、文化祭まで授業無しになるから、大丈夫よ。」
授業が無くなるとか、最高じゃないですか。
陽菜「えっ、何その待遇!!すっごい!!最高!!ビバ 文化祭!!」
理央「だけど、文化祭の後の休みは10日しか無いけどね。」
10日もあれば、色々なことができますよ。
陽菜「十分だよ、最高だね。早くテスト終わらないかな・・・。」
理央「ははは、陽菜って現金だね・・・。」
~テスト終了後のある日~
委員長?「では、文化祭の出し物について何か意見がある人挙げてください。」
陽菜「はいはい!!私は、和食店【JAPAN】がいいと思います!!」
委員長?が黒板に板書している。これこそ、一番人気があるでしょ。
理央「陽菜・・・。」
雛菊「私は、メイド喫茶がいいとおもいます。和食店【JAPAN】なんてネーミングセンスの無い出し物なんてだしたらクラスの品格が疑われますわ。」
陽菜「何を!!メイド喫茶なんて、イロモノ今時流らないんだよ。」
雛菊「メイド喫茶が、イロモノですって!!メイドに謝りなさい!!」
私と雛菊さんの争いはヒートアップしていて、気が付いたらクラスの出し物が決まった後だった・・・。
陽菜「なんで、射撃大会なのさ。これも全部雛菊さんが、駄々こねるから・・・。」
理央「まあまあ、クラスで決まった事なんだから、ね!」
陽菜「わかったけどさ、射撃大会って何やるの?」
理央「基本的に、空中に滞在している動く的を1分間でどれだけ当てれるかを競う大会よ。」
陽菜「簡単そうだね。それじゃ、どれだけ早く当てれるかがネックになるね。」
理央「これが簡単!?空中を動いているんだよ!?これは、先読みや空気の流れを読んだり、正確無比にコントロールしたりする難しい競技なんだよ!!」
陽菜「私には、『M-5』があるから。簡単だよ。」
理央「あっ!!そう言えば、あったね。そんな魔法システム。高等技術すぎて、忘れてたよ。」
陽菜「賞品って、何かな?」
理央「一位の賞品は、SJ社の今秋モデルのカバンだよ。」
陽菜「嘘!!SJ社のカバン?限定販売されて、毎年プレミアム価格がやばい事になってる。あのSJ社のカバン?」
理央「そうだよ。委員長のお父さんが、その会社の社長なんだよ。そんで、景品提供してくれるんだって。」
これは、大会に出て一位にならなくては。
陽菜「私、エントリーしなきゃ。そして、一位とってやる。」
理央「駄目だよ、陽菜さんは。大会に出場はできないよ。」
陽菜「なんで!?なんで、駄目なの、理央?」
理央「だって、私達クラスの出し物じゃん。」
陽菜「それが、どうした。いいじゃないか!!」
理央「えっとね。クラスの出し物で、そのクラスの人が一位になったら賄賂だと思われるから駄目なんだ。」
そんな、事情があるだなんて・・・。
陽菜「このクラスに、転校するんじゃなかった・・・。 」
理央「ねぇ、陽菜。私達は不条理の中で生きているだよ。思う様に行かない時も当然有るよ。だから、気を落とさないで。」
陽菜「理央さんは、悔しくないんですか?あのカバンが手に入ったかもしれなかったんだよ!!」
理央「私は、いいかな。だって、学校主催のトーナメントの賞品にもあるもん。」
ちょっ、えっ!?だから、平然としていたんですか?
陽菜「そう言う事は、早く言ってよ!!もう~。」
理央「ははは。でも、勝ち続けないといけないけどね。」
大丈夫ですよ。あの日から、私と貴女で練習したじゃないですか。練習した努力は、裏切りませんよ。
陽菜「勝てますよ。私達なら。」
理央「そうだね。私達の努力の成果を出そうか。」
陽菜「ええ、まだ調整が必要ですけど『T-5』システムもほぼ完成しましたしね。」
理央「勝とう、絶対に!!」
陽菜「ええ、そして。賞品の」
陽菜・理央「カバンを、手に入れましょう!!」
文化祭のトーナメントに出場する事を決めた私達。
これまでの、成果を確かめるために。欲しい賞品を手に入れるために。私達は、大会で勝ち続ける。