拾捌/竜神様も恥ずかしい
R15、注意。
【一】
「姉さん」
部屋のドアをノックしても、返事はなかった。
階段を上がっていったのは見たし、オレの部屋は空なので、中にいるのは間違いない。まだ落ち着いていなくて、返事をしたくないのかもしれない。
話を聞くのと、プレッシャーをかけずに放っておくのと、どちらが神様にとって楽なのか、答えが出ないままドアの前で迷っていると、ドア越しに衣擦れの音がした。たぶん、神様は今ドアのすぐそばに来ているのだ。
小さな、恐る恐る、という響きの声がした。
「琢磨……、おる、か?」
「いるよ」
わずかに間を置いて、ぎ、とドアが微かな音を立てて半開きになる。蛍光灯の光が漏れてきた。
「入っておくれ」
すぐにきびすを返したらしく、ドアの隙間からは跳ねる黒髪の先だけが見えた。
まるでドアが開いたこと自体が内緒のように感じて、体を滑り込ませ、そっと閉める。考えてみれば、ここが神様の部屋になってから、入るのは初めてだ。
入ってみて殺風景さに驚いた。オレが片付けたときとほとんど変わっていない。置いてあるのは布団一式とDSくらいで、家具がないのだ。
たぶん、必要を感じないくらいオレの部屋に入り浸っているということなんだろう。そう考えると何かむずがゆい。
神様は部屋の奥、フローリングの床に正座してオレを待っていた。
「琢磨、昼時はすまなんだな」
「いいよ。落ち着いた?」
神様は頷かなかったが、首も横には振らなかった。
「少しはな」
「そっか」
腰を下ろす。あえて神様の正面ではなく斜め横、少しだけ離れた間合いで背中を壁に預け寄りかかった。真正面に向かい合うと、元気のない神様に変にプレッシャーになるような気がしたからだ。
「姉さん……ごめんな」
オレの言葉に、神様は首をかしげた。
「なぜ、琢磨がわしに詫びるのじゃ? おかしなことを言い出したのはわしであろうに」
「そうかもしれない。でも、オレは姉さんが何を悩んで苦しがってるのか、わからない。何の力にもなれなくて……ごめん」
くやしい。ただの人間で、ただの高校生は、何もできない存在なのだ。
「違うぞ琢磨、この街へ来てからというもの、ぬしはずっとわしを助けてきてくれたではないか」
むっとした。フォローしてくれてるのはわかるが、それで収まるわけじゃない。
「今、助けられてねえよ」
オレはあんたの助けになりたいんだ。
「琢磨……」
「教えてくれ、姉さん。どうしたんだ? オレには何ができる?」
オレの顔をじっと見つめ、やがて神様は視線をそらした。
「わしは……狂ってしもうた。自分が何を感じているのか、わからぬ」
うつむきながらの呟きと共に、膝の上に置かれた拳に力がこもり、白く震え出した。
「琢磨が、欲しい」
絞り出された小声に、心臓が跳ねる。
今、このひと何て言った?
「何をすればよいのかはわからぬ。ただ、もっと、ずっと、近くに添いたい。琢磨からも触れられたい。そればかりが思い浮かんでやまぬのだ」
拳が開かれたかと思うと、神様はうつむいたまま腕を肩に回し、自分で自分を抱きしめた。その手は服の布地を強くつかんでいて、自分を押さえ込んでいるように見える。
「わしは人間ではない。人間をやすやすと引き裂く力を持つものだ。それが自分を見失うことなど、あってはならぬ。もし万が一にもこの手で琢磨を害するようなことがあれば、きっとわしは堪えられぬ。じゃから、わしはそばにおらねばよい、人間の琢磨と人間のまねえじゃあ殿が一緒におるのがよい形なのだと、そう思うた。それが……あの時」
ぎち、とただでさえ白い指先が、こもった力に白い骨を浮かび上がらせる。
「まねえじゃあ殿に琢磨を渡したくないと思うておる自分にも気が付いたのだ」
「それで、か」
オレと橘川をくっつけようと思ったら、自分でも気付かないうちにそれが嫌で、何が何だかわからないまま泣いていた、そういうことだったのだ。
「わしは……神なのだ。人に望まれるものが、自ら望みを持ってよい道理はなかろう」
胸が痛くて落ち着かない。心臓がずっとばくばく言っている。本人が気持ちの名前を把握していないからこその純度百パーセント、気持ちそのものの告白……なんて破壊力だろう。
神様はうつむいたまま震えている。自分が並べている言葉が他人にはどう受け取れるものなのか、心の底からわかっていない。
「恐ろしいことじゃ。琢磨を呪うておるのと変わらぬ。わしは何というものに成り果てたのか」
ぽろぽろと神様の顔から雫がこぼれるのが見えて、思わず腰が浮いた。
違う。それは呪いとかじゃなくて……いや呪いでもいいんだけど、オレのことをものすごく好きだ、って言ってるのと変わらない。
誰にだって見当のつきそうな『好き』って気持ちがわからないとか、本当、この女どこまで真っ白なんだろう。頭に血が上り過ぎてめまいがしてきた。
人間じゃないからどうした。むしろこんなかわいい生き物、人間なわけがない。
「姉さん」
呼ぶと、神様は濡れた目をオレに向けた。いつかの、自分が災いでしかないと、琢磨と二度と会えなくなるのが怖いと言っていたときと同じ、怯えた眼。
まっすぐに彼女を見つめ返しながら、できる限り優しい表情と声で言葉を掛ける。
「オレも、そばにいたい」
「琢磨……?」
しばらく、沈黙。何を言っているのかわからない、という風に呆然とオレを見つめていた神様の表情が、さっと蒼ざめ、こわばる。
「何を莫迦な! ぬしは、わしがどれほど恐ろしいものなのか、知らぬだけじゃ!」
まあ、確かに。鈍器同然のすべすべつるつるなおにぎりを作れる握力でつかまれたら、首だってあっさりもげるかもしれない。恐ろしいと言えば恐ろしい。
でも、それとこれとは話が別だ。
立ち上がってほんの数歩。神様の目の前に膝をつきながらその手をつかむ。ひんやりとした白い手は心細そうに震えていて、放そうかという遠慮が根こそぎ消え失せた。
「姉さん、力抜いて」
「何を――」
「いいから」
神様自身の肩に回っていた腕をほどかせ、つかんだ手のひらをオレの胸に押し当てる。神様が驚いた顔でオレの顔を見た。
「熱い……それに……なぜ、こんなにも早く、鳴っておるのだ……」
「嬉しいんだよ」
動悸に区切られながらも、深呼吸をひとつ。後先考えずに抱きしめそうで、そこから先どこまで自分が暴走するか自信がない。今おかしなことをしたら、きっと神様は取り返しのつかない傷つき方をする。そんなの、絶対にダメだ。
「好きなひとに『もっとずっとそばにいたい』なんて言われて、落ち着いてられるわけないだろ」
「え……」
神様が目を大きく見開いて、停まる。
「紗雫媛。オレはあんたが好きだ。そばにいたい。だから、あんたもオレのそばにいたいと思ってくれてるのがわかって……すっげえ嬉しい」
正直言うと、今だけは神様に顔を見られたくない。耳の先まで熱いし、自分でも言ったとおり嬉しいのにそれをどう表現していいのかわからないから、確実に変な顔になっている自信がある。ものすごく恥ずかしい。
でも顔はそらさない。眼を見ないと、きっとちゃんとはわかってもらえない気がするからだ。
「琢磨……」
目を合わせたまま、ぼうっとした表情でオレの名前を呟く神様の顔に、赤みが差す。落ち着かなげにまばたきを繰り返した目から、また雫がこぼれた。一瞬だけ困ったようにオレを見ると、神様はオレの胸に当てたままの手をほんの少し握り、うつむいた。
「……今なら、気安く触れても、よい、のか?」
「うん」
つい、素が出てしまった。でも……まあ、このひとならオレのことを笑わない。
「恥ずかしく、ないか?」
「我慢する。あ、いや、イヤだから我慢するんじゃなくて……照れるけど、それは仕方ないだろ」
「解っておる。琢磨の嫌がることは、わしはせぬ」
「うん、ありがとう」
「……琢磨」
まるで舌先で転がすように、オレの名前を呼ぶ神様の声は柔らかい。
「琢磨の言う『好き』は、わしの知らぬ意味を持っておるのじゃな。琢磨のくれる『好き』は、とても、とても……温かい。嬉しいぞ」
「そっか」
自分が認めてもらえているのが、どうしようもなく嬉しい。
「琢磨」
「うん」
神様は顔を上げ、改めてオレの顔をのぞき込んだ。吸い込まれそうな深い翠の眼が、本当に綺麗だと思う。
「琢磨はもう、立派な一人の人間じゃ。その琢磨に認められ、好いてもらえておるということは、きっとわしもまだ狂いきってはおらぬのじゃろう」
「いや、だから。狂うとか言うなよ」
オレを好きでいてくれるのを、勘違いのせいとはいえ否定されると、さすがにちょっと傷つく。
「そうは言うがな、わしはまだ、その、人間らしい『好き』をつかみかねておる。じゃからな、もし、わしが本当の意味で琢磨を好きでいられているわけではなかったとき、琢磨を害そうとしたときは、迷わず逃げよ」
「やなこった」
この期に及んでまだ遠慮してるのか、このひとは。
「オレはあんたの味方だ」
神様は、黙ってオレをにらんだ。ただ、それも長くは続かず、オレの胸に当てていた手をずらして腕自体を首に回しながら膝立ちで寄ってきたかと思うと、オレの首筋に顔を埋めた。
さらさらと流れるようにかかってくる長い黒髪から、花のような、いい匂いがする。
「……ばか」
触れ合っている体を通して、声が伝わってくる。幸せなような、困ったような、妙に落ち着かない一体感。
「バカって」
「生意気じゃ。琢磨のばか。年下のくせに。人間のくせに」
「だ……黙れ美人」
くやしい。この女、けなしようがない。
それからしばらく、会話がなくなった。静かに流れる時間に邪魔は入らない。寄り添っている温もりが、何とも言えず嬉しかった。
そういえば、これって、神様と、ちゃんと付き合い始めたってことでいいんだろうか。呼び方とか、やっぱり変えた方がいいのか? するなら、呼び捨て?
どうでもよさそうなことが、悩んでみると意外に難問に感じる。
「ん?」
ふと、声が聞こえたような気がして顔を上げる。
「神様、琢磨、お風呂ですよ」
「ぅわ」
母さんが呼んでいる。敬語なのはたぶん、主に神様に言っているからだ。
とたんに後ろめたくなり、妙な汗が出てきた。こういうところ、見られたら何て言えばいいんだ?
「ね、姉さん……風呂、どうする?」
「む」
神様は顔を上げるとオレから腕を放し、なぜかちらりと後ろの押入れを見た。
「琢磨が先でよいぞ。わしは用事がある」
「そっか」
離れるのが少し残念な気がする。でもこのまま部屋にいて母さんに見られても何を言われるかわからない。仕方ないので立ち上がる。
「済んだら呼びに来るよ」
「うむ。頼むぞ」
見送ってくれる笑顔が、どうしようもないくらい綺麗で、しばらく見とれてしまった。
【二】
琢磨の足音が遠ざかり、階段を踏む音も聞こえなくなった。
広げた掌を、じっと眺める。まだ、琢磨の熱い脈が残っているようで、握り直して自らの胸に当てた。
琢磨は言った。嬉しいからこそ、胸が早く鳴っているのだと。
自分が欲した者に、欲されて、喜ばれる。力や恐怖で強いて叶うようなことではあるまい。災いを起こす他にも、自分にはこうして確かに、できることがあったのだ。
嬉しいと、思う。自分は琢磨と同じように、琢磨を『好き』なのだ。
立ち上がり、押入れを開ける。
たたんだ状態でしまっておいたぱじゃまを取り出した。これは自分のものではなく、琢磨のもの。洗濯に出されていたのを見つけ、密かに持ち出していたのだ。
これを着て寝ようと思っていた。
琢磨の着ていた服を着たならば、琢磨が寄り添ってくれているのと変わらない、琢磨の腕が収まっていた袖なら、きっと琢磨の腕に触れられている気になれる、そう思ったからだ。
しかし、困った。
琢磨に触れてほしくて、辛抱しきれなかったがゆえに持ち出してしまったが、琢磨から触れてよいと言われたことで、苦渋の選択であったこれすらも逆に物足りない。
ぱじゃまを抱きしめ、袖を持つ。
琢磨の手。先程は自分の手を取ってくれただけだった。この身に琢磨の手が触れるとすれば、それはどこなのか。
手がかりはあるのだ。
琢磨が隠していた書物。あれは裸の男女が絡み合う様であった。
いつか風呂で鉢合わせたとき、琢磨は自分の裸を好ましいものとして見ていた。
書物の中の女は、人は違えど、ほとんどが長い黒髪に和装であったはずだ。まるで――自分のように。
琢磨も本当は、自分に触れたかったのだ。書物のまちまちな古さからみて、再会よりもずっと前から。
「ああ……」
胸の奥から温かいものが湧き上がる。自分は琢磨に会いたかった。琢磨から会いたいと思われて、嫌なわけがない。
琢磨は、どうしたい?
試すのに巫女装束は厚着に過ぎる。帯を解き、袴を落とし、白衣、襦袢、肌着をひとまず簡単に畳んでおく。
実際に裸になった上で、さて、あの書物の男達の手は、裸の女の体のどの辺りに触れていたであろうか。
唇、胸、胸の先、尻、背中、それに股の間。恐らくはここが一番大事なのだ。ここを写す写真が多かった。
胸や尻をつかみ、胸の先をつまむ。背中、股の間を指先でなぞる。
「う……ん……ッ?」
柔らかい。しかし、それだけではない。自分で触れているだけならばともかく、琢磨が触れるのだと思うと、心地よくも落ち着かない。ただ触れているのとはまた違う、妙な感覚が伴う。
もうしばらく触っていたいような気もしたが、やめておく。きっと……きりがなくなる。
そうして解ったのは、どこも、触れられると心地よいが、強い力では触れてほしくない、とても弱いところだということ。
「そうか」
ようやく解った気がする。
こんなにも柔らかい、弱いところは、そうそう他人には委ねられまい。だから、そういう場所がよく見える裸を誰かにさらすことは、避けるべきなのだ。
それが恥ずかしいということなのだろう。
つまり、いつかの琢磨は、自分に触れたいと思っていても、それ以上に護ろうと思ってくれていたからこそ、戸惑うだけで触ろうとしなかったのだ。
そう、自分は琢磨にちゃんと護られていた。
助けになってくれているではないか。何もできていないなどと、どの口が言うのか。
「琢磨め……」
口元が緩んでいるのが、自分でも判る。
ぱじゃまは早々に洗濯機へ戻しておこう。もう必要がなく、むしろ琢磨を恥ずかしがらせるだけなのだから。はっきり好いてくれていると判った以上、知れたとしても嫌われるとまでは思わない。
琢磨が風呂に入っている今ならば、気付かれぬまま済ませられるであろうか。
【三】
全然落ち着かない。
頭を洗って、体を洗って、湯船の中で息を止めても息が荒くなっただけでまだ落ち着かない。いっそ壁に頭突きでもしようか。変な夢を見ているなら、早いところ醒めてほしいところだ。
小さい頃から好きだったひとと両思いだった。
告白されて、告白して、寄り添う形で甘えられた。
「ばかって……ばかって! くっそあのひとなんであんなかわいいんだよ!」
湯船に浸かったまま、ばた足で湯をかき回す。本当に落ち着かない。これが人目に触れたら、ただのおかしなバカだ。
でも、やっぱり嬉しい。どうにも抑えきれない。
今まで遠ざけて、無関係な別世界のことだと思っていた恋愛が、いきなり目の前に居座っている。
「神様が、彼女……か」
まだ現実味がないものの、鎮まりきっていない動悸が確かな証拠だ。中距離走レギュラーの心臓はちょっとやそっとの負荷で跳ね回るようなことはない。それこそ、精神的な動揺でもない限りは。
「本当に、デートになるんだな」
しみじみと、嬉しい。
週末、神様に約束を取り付け、鑑と橘川にアドバイスをもらって臨もうとしている、服の買い出し。まだ日数はあるので、もう少しアドバイスをもらっておくべきだろうか。
何にしても、神様が喜んでくれればいいと思う。あのひとには笑っていてほしい。あのひとの表情を曇らせるような――。
「そうだ」
厄介なことを忘れていた。
ジェッソ・カナハ。出直すと言って立ち去った彼女は、これからどう出てくるのだろう。実力行使で来たとき、オレはどうすれば神様を護りきれるだろうか。
たかが人間が、身の安全を確保しながら非常識を撃退しなければならない。しかも大事なひとが泣くので万が一にもしくじれない。難問だ。
「――っと」
湯船から立ち上がって、よろめいた。頭が重くて、視界が暗い。
「やべ……のぼせた……」
柄にもなく長く考え込んで、時間がたつのを忘れていたらしい。
壁を頼りに、ふらつきながら引き戸を開ける。
神様と目が合った。
「え」
反射的にタオルで前を隠す。いつかとは違って裸なのはオレだけなので、心境には少し余裕がある。
「ちょ――姉さん!?」
オレを見て無言で固まっている神様の腕から、なぜかオレのパジャマが落ちる。
なんでいるんだ? 済んだら呼びに行くって言ったのに。
まずい。オレの理性が超やばい。
一緒に入りに来たなんて言い出すんじゃないだろうか神様なら満面の笑みで言ってのけそうな気がする勘弁してくださいお願いしますあの変な夢をもろに再現しそうで神様の貞操が危ないっていうかもうそろそろオレ直立できなさそうなんですむしろいいってことなんでしょうかぶっちゃけ白い首筋とかすごい綺麗で柔らかそうで触りたいしオレちゃんと好かれてるっぽいしでも下手に手を出したら一気に嫌われるようなってかここ家だし父さんたちにばれたらどうしようでもホントやべえ無駄にテンション上がってるオレものすごく格好悪くねえかな。
「あ……っ」
神様の目が泳いだかと思うと、顔がすうっと赤くなった。元が色白なので、耳の先まで赤く染まっているのがはっきり判る。
まるで視線を避けるように胸元を腕で覆ったかと思うと巫女装束の後ろ姿は脱衣場の引き戸の向こうに消えていた。がん、とかいう音が聞こえたのは、たぶん角がどこかにつっかえたんだろう。角のせいで神様の実質的な身長もとい全高はかなりあるし。
取り残されて、あっけにとられる。
「え?」
神様が、恥ずかしがった? しかも、あわてた?
下品な気もするが、拍子抜けした、というのが正直な感想。でもこれはこれでちょっと嬉しかった。ちゃんと異性扱いしてくれるようになったんだ。
嬉しいけど、あのひとのことを本格的にそういう眼で見てしまいそうになる。この先、抑えが利くだろうか。
汗が引くまで居間で時間をつぶし、牛乳を一気飲みしても、結局落ち着かず。
その夜はまともに眠れなかった。
神様、デレました。




