そして異世界に生を受ける
真っ暗だ。しかしなぜか心が休まる。そんなそんな空間にいた。すると…体が動き出し、やがて光が差し込む。
「おぎゃぁぁぁぁぁ(なんだここ?)」
横からも産声が聞こえてくる。
そう、ここに《イサム》と《ステラ》が異世界に誕生した。この2人が…やがてこの世界を動かしていくことになる。
…時が経つのは早い。
イサム、七歳。
たどたどしいが言葉を喋れるようになった。僕はどうやら《ローベント子爵家》に生まれたようだ。ローベント子爵家は街一つ、村三つを治める、子爵家にしてはやや大きい広さを持っていた。
母親はアリス、父親はアルス…名前が似ている。本当に偶然の出会いだったそうだが。
父親は名貴族とも言われた祖父ラーノルドの才覚を受け継いでいたらしく、ローベント家は領民からの信頼も厚く、今どんどん強くなっている新興貴族だ。二代前、つまり祖父の代に叙爵された。祖父は闘いの才能があったわけではないが、当時色々あったらしい。詳しくは教えてもらえなかった。
「お兄ちゃん。そろそろ寝ないと怒られるよ?」
「あぁ、そうだな」
「私も明日は楽しみだけど、早く寝ないと寝坊しちゃうよ?」
…よし、話すか。これまでの態度的に、何故だか知らないが僕のことは知らされていない、ように見える。いや、もしかしたら知りながらこんな感じなのかもしれないが。
「なぁ、ステラ。少し話したいことがある」
「…なに?あんまり長くならないならいいけど」
「ステラ…転生者だよな?」
「な、なんでそれを…まさか。」
「そうだ。僕も転生者だ。」
「えぇ…もっと早く言ってよぉ…」
「悪い悪い。まぁいい機会だと思って。明日はスキル授与式だからな」
「スキル…どんなのもらったっけ…覚えてないや。」
「僕もだ。まぁお楽しみってやつか?」
異世界といったら魔法、スキルだろう。魔法は十五歳にならないと教えてもらえないが、スキルを天の神々から授かるのは七歳だ。明日、教会に行ってスキルを授けてもらう。僕はどんなスキルをもらったのか覚えていない。多分、お楽しみって感じなんだろう。楽しみだなぁ。
スキルは関連する神から授かれる。例えば【剣術】なら闘神から、【賢者】なら識神からもらえるといった具合だ。創造神からのスキルは通称、ユニークスキルと言われる。また、スキルは複数あることがあるという…その場合は、二つ目のスキルは特定の神からのものではなく、【神々からのスキル】として表示されるらしい。僕らはどうなるのだろう。
…こんなことを考えながら元の世界の漫画についてずっと喋っていて母上に怒られたのはいうまでもない。
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