通信不良?
リンガルへの臨時特急を運転している。が、いまだに臨時9号のティートとの通信が切れている。ティートは思考領域の有効活用のために、僕のスキル内、ウォーリア駅管理、早朝ウォーリア始発列車、早朝リンガル始発列車、リンガル駅管理の五つに分かれている。営業運転終了後に記憶の統合を終わるが、今はまだ記憶の統合をしていないため、お互いの状況は通信を使う事でしか分からない。
…なんで通信が阻害されてるんだ?何かがおかしい。
こんなことを考えながらも運行状況チェックは欠かせない。
《ピーッピーッピーッ》
「はい。リンガル行き臨時100号運転中のイサムです。」
『はぁ…イサム…街から出るなって言ったよな…?』
あ、やっべぇ…。
『緊急事態ということは理解している。処分は事が全て終わってからだ。今はどんな状況だ?』
「ティートが管理できる車両数は2両だと数日前にいいましたが、現在リンガルにいる15時発予定だった列車、そして私が運転している列車の前に先行したモーターカーと客車に避難民を乗せる予定です。なお、リンガルからの通信は非常に不安定となっています。」
『やはりか。こちらから一方的にだが通信できる魔道具が使えないみたいなのだ。冒険者は何人いる?』
「100ほどです。」
『わかった。第二陣もいるから…ザザッ…つうしザザふあんザザザあぶなくザザザかえってザザザよザザザザザザ』
通信が不良になってきたのは普通列車の20分地点か。このペースならあと20分で着くな。
…お、前から普通列車と…後ろにモーターカー繋いでるのかな?…が!
通信しなければ。
《カチッ ピーッピーッピーッ》
『こちら下り9号列車、ウォーリア始発ティートです。』
「向こうはどうなってる?」
『避難民で大混乱です。冒険者パーティの治療はだいぶまずい状況です。ヒーラーとシーフしかいないのですが、ヒーラーは喉をやられていてシーフへ詠唱が出来ません。そちらに乗っているヒーラーに頼みましょう。このままでは持ちません。』
「うん、わかった。」
車内アナウンスボタンポチッとな。
『連絡します。お客様の中にヒーラーの方はいませんでしょうか?ヒーラーの方はいませんでしょうか?ヒーラーの方はいますが先頭車両の1番前に来てください。』
《鉄道…緊急事態対処ボタン…並列停車!》
《キキキーッ》
よし。
《コンコンコン》
お、きたな?
「どうぞ」
「失礼します。ヒーラーが集まりました。」
「この中で最上位のヒーラーは?」
ヒーラーだけじゃなくて上位職の人もいますように…
「私が聖者です。どうされましたか?」
「反対に止まっている車両の中に重傷のA級パーティの生き残りがいる。助けに行ってくれるか?」
「…ッ!シ、シーフですか?シーフですよね?攻略に行ったパーティにシーフがいるはずで…!」
あぁ、そりゃそうだよな。誰にだって大切な家族はいる。
「時間がないからリンガル防衛パーティから抜けて避難民の方に行ってもらう。それでも…」
「はい。皆さんには本当に悪いですが…可能な限り早く、第二陣で帰ってきます。」
「「「「「「おぅ!」」」」」
渡し板をかけてっと…
「それでは、行ってらっしゃい。」
「はい」
《ピーッピーッピーッ》
「はい。臨時100号です」
『リンガル管理ティートです。リンガル駅はすでに破壊されました。現在地点から15分行ったところで停車してください。冒険者の万が一の避難のため、列車を戻すことはできません。』
「つまり…リンガルは…」
『はい。しかし、住民は全員避難しました。』
「魔物除けは?」
『竜種です。』
えぇ…まじかよ…
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