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第十九話 期待

僕は今、ホテルの人に個室を用意してもらって、先生に話を聞いてもらっている。


「で、どうしたんだ?遥希があんなに興奮して嘆いてるとこなんか、初めて見たぞ、絶対に何か精神的にすごく苦しいことが起きていたんだろう?」


 この人はいつも鋭いな

「まぁ簡単にまとめると、小学校時代にトラブルがあった相手が、高校入学組の隼人なんです。それでフラッシュバックしちゃってあんなことに。迷惑かけてすみません。」


「そうか、俺たちは申し訳ないが過去の出来事で生徒を退学にはできない。だが、俺は遥希の味方だから安心してほしい。」


 聞き慣れたあまり好きでないセリフを言われたが、僕はこの先生を信じて、信頼していくしかない。でないと、またあの生活に逆戻りだ。


 こうして話は終わったのだが、体調不良ということで、その日は保健室部屋にて、一人で寝た。明日からは心を慣らして隼人ともうまくやろう。今はそれしか、それしかない。


 そう思っても、翌日、朝を迎えたが、うまくいかなかった。先生に自分の部屋に戻るかと言われても、できそうになかった。朝食も一人席で食べている。周囲の目が怖い。なんで一人で食ってんだ?大丈夫か?心配や疑問の心に隠された微かな黒いもの。僕は深読みし過ぎてしまうのだ。だからその特性はあまり好きではない。深読みして、勝手に想像して、苦しんで、失敗をたくさんしてきた。


 結局、ホテルに残っていいことになった。だから僕は、これからの工程を全てカットして、ひとりでいまから考えないといけない。これからどうするか、僕は実は僕の本当に欲しいのは愛だということをわかっているのだ。でも恋愛が怖いのでずっと拒否し続けてきた。だから自分のことを好きな女の子が現れても、嘘だったら、付き合ってうまくいかなかったら。と思い続けているのだ。なんといくじのないことだろう。


 そうして森先生と一緒に昼食を食べていたら、先生が言ってきた。


「なぁよーく考えるのもいいことなんだがな、そんなに深く考え過ぎても辛いだけじゃないのか?もっと問題が起きてから考えて行動すればいいし、強気で行ってもおいいと思うぞ、あと、これは俺の想像なんだが……」


 そういって先生が考え始めた。

「多分その時の隼人は遥希に嫉妬していたんじゃないのか?だって普通に遥希、男子にも女子にもモテるし、勉強もできるし、同級生の男子なら嫉妬しても無理ないと思うんだけどなぁ」


 そう言われて僕は今までの出来事を思い返した。そう思えば、あの時に隼人は彩那のことを好きだって言っていた気がする。だから彩那が俺を好きなことに気づいて、そういうことか!


「先生!ありがとうございます。おかげでどうにかなりそうです。今日の夜から復帰します。」

「おう!よかった。」

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