第十三話 それぞれの想い
僕は今、多分聞いてはいけない話を聞いている。
でも逃げ場がない以上、仕方ない。僕がトイレに行った後にトイレへの一方通行の道の場所でちょっと怖そうな恋バナを始める方が悪い。
私は今、彩那さんに呼び出されて二人で話をしている。
「それで彩那さん、どうしたんですか?二人きりで何か用があるんですか?」
「そう、あなたが思っている通り、お手洗いは嘘。話がしたかったの」
私は、警戒してゴクっと唾を飲んだ。
「夜まで待てないから言うわ。あなた、遥希のこと好きでしょ」
はっ、この人何を突然言っているの!?桜あなたはとにかく顔色を変えずに冷静にすればいいのよ。頑張りなさい、集中しなさい、私!
「こんなに呼び出しておいて恋バナですか?なんでそんなこと聞くんですか?」
わかりやすい返答ね、私にはお見通しよ。
「なぜって、私が遥希の彼女だからに決まっているでしょ」
「でもお試しなんでしょ、しかもあなたの方からお願いしたらしいじゃない」
「あなたにだけは特別に教えてあげましょうか、私の心の想いを。」
「なんの話?」
「私はね、小学校が遥希と同じだったの、そこで私は、初恋をした。その相手が遥希。」
そう、ちょっとからかっただけで頬を赤らめる遥希が好き。友達の忘れ物を届けてあげる優しい遥希が好き。私が悲しい時に言って欲しい言葉を言ってくれる遥希が好き。遥希の容姿が、能力が笑顔が性格が全て好き。
「そして高校で再会したの、運命でしょ。でも中学の間に遥希と仲の良い女の子ができていた。その子の目を見たらわかった。絶対に遥希が好きなんだと。あなた、神社で何をお願いしていたの?遥希と結ばれますように、とか?私が絶対に許さないわよ」
このとき私は、直感的に思った。この人、結構ヤバめに重症だ。とでも私は遥希が好きだし、別に遥希が彩那さんのことが好きなわけじゃないんだから、気にしなくてもいいと。
「あなたがそこまで言ってくれるんなら、私も言うわ、私も遥希が好き、遥希の優しさが、笑顔が好き。だからあなたとは正々堂々勝負しましょ」
「良いわよ、宣戦布告ということね、お友達ということでは、仲良くしましょう。」
わかる、わかるわ、桜、遥希の笑顔、最高よね。
「では私のことは桜と、呼んでください彩那」
やばい、やばいよこれ。僕聞いちゃいけないこと聞いちゃった。ていうかどういうこと?なんで僕急に高校入った瞬間モテてんの?まだ4月だよ?中学の時不登校だったんだよ?誰かに相談したい、体調悪くなりそう。
そう思いながら食事に戻る。やっぱり日常が怖い。
読んでくださりありがとうございます。
もう一個小説を書いてみようかなと思っています。
900pvいきましたありがとうございます。




