ポテト
デヴォイスの家でデヴォイスとナノとマリオネは引っ越しの身支度をしていた。
「何が必要かなぁ?」
「ポテト入りますかね?」
「詰めとけ!!」
暫く談笑しながら袋にポテトを詰める3人組だったが次第に会話が消えていく。
「…うぃ?」
「マリオネ、話がある。」
「??」
「ナノの命を終えようと思う。」
「え…?」
「ナノの身体はもう限界なんだ、なにかある度にマリオネが治していたらきりが無いだろ?」
「マリオネ、いいんだ、僕はこの家この黄金郷で眠りたい。ここを最後の場所にしたいんだよ。」
「ね。」
マリオネは涙を流した。
「ごめんよぉ。中途半端な反魂で…!!間に合わなかったね、死者蘇生!!」
「いいんだよ。泣かないで。」
「ここまでで終わりにしよう、ナノ。」
デヴォイスが言う。
「お疲れ様でした。デヴォイスさん。…またね、マリオネ。」
ナノは静かに息を引き取った。
深夜に二人で家の畑、黄金郷でお墓を作ることにした。
ーナノの墓ー
朝になり紅結社にデヴォイスのジープが止まる。
「おっオッサンきたやんし!!泥だらけやんしな?何事か??」
エリィが出迎える。
「芋取ってた。大漁だぞ!!」
デヴォイスは笑いながら言い放つ。
「ん…んん〜おはよう。ナノとマリオネは?デヴォイス。」
Kからの一言。
「マリオネなら車で寝てる。」
「そ。」
「ん!!」
「おはよう。デヴォイス、後ナノはどうしたんだ?」
刹那がのそのそと表へ出てきた。
「…あいつは置いてきた。」
「?」
「身体の方の寿命だ。…あとは、結局マリオネに辛い思いをさせちまった。そこが悔しい。」
「ん?話が??」
「ナノ…死んだの?」
「んん?」
話が理解出来ない三人。
「マリオネを頼む。俺は罪を償ってくる。」
話が飲めた刹那。Kが質問する。
「どういうこと?」
「ナノは俺の元部下だったスパイだ。死亡してから死者蘇生は結果として未完のままで終わっちまった…。」
「…言いたい事分かったやんし。『そこにマリオネを利用してしまった。』やんしな?」
「……何も言うことはないわ。」
「悪かったな、K。」
マリオネと荷物を紅結社の一室に運び込みデヴォイスと別れることになった。
「じゃあなデヴォイス、刑務所でも元気でな。」
「オッサン短けー仲だったやんしけど楽しかったやんしよ。」
「ありがとう。デヴォイス、人でなしだったけどいい思い出にはなったわ。マリオネは任せといてって、一応言っとくわ、一応ね!」
「デヴォイスゥ…なんでだよぉ!!!!」
マリオネは号泣していた。
「マリオネ、泣くな!!お前は『庭』を手に入れたんだ!!もっと喜べ!!お前はこれから絶対幸せになれる!!絶対だ!!踏ん張れよ!!」
「別れたくないよ!!」
「マリオネ!!」
「!?」
デヴォイスとマリオネが驚く。
「貴方はこれからは紅結社の正規の社員になるべく生まれ変わるの!!デヴォイスみたいな男の一人や二人落としてみなさい!!」
「…うぃ??」
「あっはっはっは!!傑作だ!!」
デヴォイスが爆笑する。
「いい女だったな刹那!!じゃあな!!」
「はは。」
刹那も笑う。
こうして紅結社に依頼された『デヴォイスを取り締まってほしい』と言う刹那への任務は達成された。
結果としてデヴォイスは自首と言う形になったが、殺人罪も適応され終身刑で落ち着くことになった。
デヴォイスも言い訳をしなかった。
法廷の外で刹那とKとエリィとマリオネがいた。
「あいつの場合生きてれば何処のフィールドでも生き抜くだろ。」
「そうね…。」
「檻中でヤニとかビールキメるタイプやんしよ。」
「毎日会いに来るよ!!今日はバイバイ!!デヴォイス!!」
こうして紅結社に訪れた任務は無事達成された。
Fin