旅路
夜になりロザリー社の中のオフィスで刹那とKはロザリーの出社を待っていた。
「お!!来てくれたか!!」
ロザリーが仕事を終えて出てくる。幸いなことに連れは撒いてくれたみたいだ。
「面と向かって会うのは久しぶりだな。元気だったか?」
「ゲームのデータを取らせてあげた時以来ね。」
「同時に話すな!!」
ロザリーは爆笑する。
ーナユナユバーガーー
近場のナユナユバーガーで話会うことにした3人。
「あの子頑張ってるわね。」
「んー…。天然っぽい子か。」
遠目で店員に目をやる。
「あの若さで支店長なんだぞ。なめるなよ?」
同じ苦労人(?)のロザリーはなにか精通するものがあるのかもしれない。
『いらっしゃいませ!!』
元気な挨拶が木霊する。
本題に入る刹那。
「死者蘇生とは?誰が母体でー?」
「デヴォイスがそんな器用なこと出来る奴には見えないんだけど…。」
「いや、超能力次第だろ。」
「デヴォイスは超能力なのか、それを調べた。結果ノーマルだった。」
ロザリーが言うからには信憑性が高いと思わざる得なかった。
「マリオネと言う少女だ!!」
「!?」
「マリオネと言う少女が死者蘇生の超能力者。そしてナノと言う子供が蘇生された母体と言うデータとして残っているのだが…謎が多い。」
ふとこの世の理について聞くことにするK。
「私たち紅結社は血の気が多い事も事象もある部隊じゃない?その辺も踏まえてなんだけど、やはり蘇生とか反魂は違法だと思う?」
「能力だろ。」
とロザリー。
「正気か?」
少し怒る刹那。
辛辣な面持ちでK。
「あんな子供でも取り締まる?刹那。」
刹那は言う。
「お前の時はどうだった?」
「こっぴとかった。」
苦笑するK。大体読めてきた様子。
「????」
「なんだ!?なんなんだ!?いい空気出しやがってー!!」
ひとり蚊帳の外のロザリーだった。
ナユナユバーガーから外に出て別れることになった刹那達とロザリー。
「情報、ありがとうな。非常に助かった。」
「うむ!!よき!!」
(…あの子、今度はデリバリーやってんのね。)
『行ってきます!!』
「デヴォイスの現在地は何処だろうな?頼めるか?K。」
Kの妖としての超能力は『地脈』というものにあった。ヒトやモノの所在地や、例えば山の噴火のタイミング等を何となく知ることができる。中々利便性が高い能力である。
特質すべきはマーキングを出来る所だろう。
頭の中の地図に、デヴォイスが何処にいるか?か常に分かるのである。(マーキングは疲労や睡眠で消える。)
ーデヴォイス家ー
ーコンコン。
「ん。入ってくれ。空いてるぞ。」
デヴォイスの声が奥から漏れる。
中に入ると団らん3人で食事を食べていた。
「うぃ!!おねーさん!!えび食う?」
「おいしいですよ!!」
Kが挨拶。
「今晩は。元気してた?」
「Kか、昼間は悪かった!!この通りだ!!(頭を下げる。)」
「非常事態なんだから!!いーのよ。」
少し怒るK。
「Kの上司なんだが、いいか?」
刹那が切り出す。
「ん…!?」
「『紅結社』の者だ。平たく言うと妖の管理等を任されている。」
「平和な話か?俺は今はビールが飲みたい気分なんだが…。」
「うぃ?」
「…食べてよう。」
不躾な刹那の態度に嫌な対応をしてしまうデヴォイス。
「僕の話ですよね…?」
ナノが刹那に切り出す。
「ナノ。止めとけ!!どういう話かわかんないだろ。」
「紅結社さんは…いつか来ますよ。」
「安心して…デヴォイス。」
『安心して』と言ったK、その意味をデヴォイスは良くわからなかった。そこに刹那は切り出す。
「デヴォイス、聞いてくれ。」
「?なんだ…?」
「3人共紅結社に入らないか?」
「「「!?」」」
「な、なにをいってやがる!?」
軽くパニックになるデヴォイス。
「マリオネの保護者として一緒に紅結社に入らないか?」
刹那が押す。
「悪いけど、独自のルートで貴方の周のことを調べさせてもらったわ。掴んでるわよ、マリオネの死者蘇生能力。」
「…。ここまで、か。」
肩の力が抜けるデヴォイス。
「うぃ?」
「行こう。2人とも、この上ない話だよ。」
デヴォイス達は
全てにけりをつけ、旅路へー。