奇跡
若干デリケートな話になりますが、宗教的な習慣というのは、その宗教を信仰する人以外からは、「魔法」というコンセプトを信仰している…と見られる場合もあります。
その一つが、神や聖人によって導かれる超自然な出来事、「奇跡」です。
キリスト教諸教派において、ミサや聖体礼儀で拝領、礼拝するために聖別されたパンを「聖体」と呼びますが、このパンとワインがキリストの体と血に変化する(と信じられている)…というのを聞いた事はありますか?これが聖変化、ある意味最も頻繁に行われる「奇跡」がこれです。
聖変化、聖餐等を目にすることで危害から保護されると信じられており、または聖体の祝日の行進が畑を通ると豊穣が確実になる、等という話も広く信じられていました。その影響で聖体や聖水、聖油が治癒やお守り目的で盗まれる事もありました。
また、キリスト教徒は、特定の聖者を通しての祈りや巡礼を通じて、奇跡の恩恵を求めることもあります。その方法の一つとして訪れる巡礼地というのは、聖人の安息地、もしくは遺体が保管されている聖地です。
例えば歯痛には聖アポロニア、てんかんには聖ヴィトゥス、妊娠中にはアンティオキアの聖マーガレット。聖マーガレットは悪魔に対する強力な抑止力としても知られていました。
…なんか、多神教信仰と似てるなぁ…と思わなくもn(ry(*これについては別のエッセイで少し書いた事があります)




