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自然魔法
「自然魔法」は、全員ではなくとも広く受け入れられていた概念でした。これの多くは現代で科学的な説明がされる事がありますが、特定の植物に治癒能力がある、「悪運を祓う」等、もしくは「星占い」もまたこの中に含まれる事があります。
13世紀のパリ大司祭、オーヴェルニュのウィリアムは、「magia naturalis」と、意訳的には「自然魔法」というものを書き記しています。基本的に、動植物と石などの無機物にある「自然なる美徳」が良い影響を与える、という考えです。
また、医学に連なる人物の多くは、現代では「占い」とカテゴライズされる方法で患者を診る事もありました。その一つが占星学です。中世物語代表作である「カンタベリー物語」(15世紀)では、「占星学に基づいた、自然魔法を駆使する医師」が登場します。