幽霊退治 依頼達成
「難波さん。これで依頼は達成されました。俺達はこれで失礼します」
あの後二人は涼介の家に訪れ幽霊が退治できたか念の為確認する必要があるのでまた泊まることになった。
涼介が寝ている間にカガチが確認をしてもう大丈夫だと判断し終了した。
もちろんカガチが能力を使っている間にユリは隣で爆睡していた。
「本当にありがとうございました。これでこれからはぐっすり眠れます」
最初に会ったときの暗い表情から明るい表情に変わりどこかすっきりしていた。
カガチはそんな涼介の顔を見てよかったと思うと同時に自分も早く寝たいと思っていた。
自分だけぐっすり眠りやがってとユリを睨む。
「難波さん。前も言いましたがいつか聞きたいときがきたら遠慮なく電話してきてください。俺達が生きている間ならお話しますので」
カガチが自分を睨んでいることには気づいていたが無視して涼介に話しかける。
「はい。わかりました」
涼介はユリの言葉にわかったと言いながら当分は無理だろうなと思う。
涼介は二人をアパートの下まで見送り姿が見えなくなるまで頭を下げ続けた。
「これで安心して寝れる」
涼介は部屋に戻るなりベッドにダイブする。
今まで寝れなかったのを取り戻そうともう一度寝ようと。
だがその時今朝見たふと夢のことを思い出した。
「あれはどう意味だったのだろうか。……そもそもあの人は誰だったんだ?」
見たこともない綺麗な女性が謝罪している夢を見た。
昔ならただの夢だと思っていたが何故か今回はそう思えず気になっていた。
誰なのか気になるが眠気に勝てずそのまま眠りについてしまう。
「おい、起きろ。着いたぞ」
家に着いたので自分の足で入れとカガチを起こす。
涼介の家を出る前にソウに電話をし迎えにきてもらっていた。
「んあ?もう着いたのか、まだ眠い」
そう呟くともう一度の夢の中に入る。
ユリは仕方ないかとカガチを背負いソウにお礼を言ってから家の中に入る。
ソファーにカガチを寝かせてから涼介から渡された黒い彼岸花を燃やす準備をする。
カガチが起きるまで燃やすわけにはいかないので、その間夜ご飯を作ることにした。
作り始めてから二時間経つとカガチが目を覚ました。
「……いい匂い。何作ったんだ?」
ユリの後ろから話しかける。
「あ、起きたのか?」
「ああ、で何作ったんだ?」
「豚汁と肉じゃがと酢の物」
「もう食べれるのか?」
「ああ。でも、その前にこれを消すぞ」
ユリは火を消し黒い彼岸花を手に取る。
「ああ、そうだった」
今すぐ食べたいのを我慢してユリについて行く。
「ほら、今回はお前がやるべきだ」
今回の悲願達成はカガチお陰。
「わかったよ」
ユリから造花を受け取り火をつける。
消えるのを見届けると二人は家の中に戻り食事の準備をする。
「なぁ、カガチ」
「なんだ」
「今朝の夢では何を見たんだ」
ユリが起きたときカガチの目元が赤くなっていて泣いたのだとすぐにわかった。
夢の中で何があったのか気になっていた。
「……彼女と少し話した」
「どんな?」
「私達を助けてくれてありがとう。彼には悪いことをした代わりに謝って欲しい、と。約束は守ると。そう言って成仏して言ったよ」
泣くに泣けず、笑うに笑えない、なんともいえない顔をするカガチに何と声をかければいいか悩む。
「彼女はあの男のことを恨んでなかったのか」
「ユーリ、お前なら彼女の気持ちがわかるはずだろう」
ユリがロゼを好きなのは悲願花に協力している者なら誰もが知っている。
そしてロゼのためなら死んでもいいと。
何をされても許せる自信があると。
カガチは理沙も同じだと伝えるがそれが気に食わなかったユリは何も答えず黙々とご飯を口に入れていく。
カガチには二人の考え方は理解できないが本人がそれでいいなら関係ないものが口を挟むわけにはいかない。
そう思っていると丁度テレビで南雲が恋人の遺体を山に埋めていたというニュースが流れた。
「何故あの男に彼女の姿は見えなかったんだろうな」
カガチのその言葉に「さぁな。男の方が拒否してたんじゃないか」と淡々と答える。
「……なんか愛って難しいな。同じ気持ちだったはずなのにいつの間にかすれ違ったり変わったりするんだから」
「人間なんてそんなものだろう。誰か一人を愛し続けられる人間なんてそうそういないさ」
吐き捨てるように言うユリに「(自分は違うって口調だな。まあ、そうだろうが)」と今までのロゼに対するユリの態度を思い出し一人で納得する。
「まあ、取り敢えず依頼は達成したし明日は一日中寝るぞ」
「それは多分無理だ」
「え!?何?もしかして、また依頼か?」
せめて明後日にしてくれ、と絶望する。
「いや、アオイさんからこれら買ってこいってラインが来た」
アオイからのラインを見せる。
「これ、二人で持てる量じゃないぞ」
ラインに書かれてあるリストを見て頬が引きつる。
「……諦めろ。続けて急な頼みを何度も引き受けてもらったんだ。俺達も引き受けるべきだろ」
「……だな」
せっかくの休日が最悪な日になる予感しかなく二人は今から憂鬱になった。
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