幽霊退治 中編
「あの、本当にここを通ったんですか」
過去を覗いたから知ってはいたが本当にこんなところを通ったのか疑いたくなる。
少ししたところにちゃんとした道があるのに、わざわざ整備されてない坂道を登ってあがったのかと。
今から自分もここを通るのかと思うとげんなりする。
普通に登りたかった。
「はい。そうです」
涼介にとっては足場が不安定なところから山に登るのが好きで趣味みたいなものだった。
一人だから怪我をしても自己責任で済むが今回は自分の依頼でこんなことになり二人には申し訳なく思っていた。
「では、行きましょう。当時と同じ道のりでお願いします」
「わかりました」
ユリがそういうと涼介は返事をし当時と同じ道を登っていく。
一時間近くで頂上までつくが、変なところは見当たらなかった。
「おい、ユーリ。本当に遺体なんてあるのか」
コソッとユリ以外には聞こえないよう耳元で話しかける。
「ある。それに本番はこれからだ。降りたときにその場を見つけた。流石に場所まではわからんが、未来は変わっていない。見つけるのはこれからだ」
ユリはカガチの質問に淡々と答える。
「そうか」
カガチはユリから今からだと聞き解いた緊張を入れ直す。
「……難波さん。そろそろ降りましょう。降りる道も今と同じですか?」
カガチが涼介に近寄る。
「あ、はい。わかりました。降りる道はこっちです。同じ道では飽きるので毎回反対側から降りるようにしているのです」
涼介が指さした方にいき下を見る。
登ってきた道より急な坂だった。
カガチはこの坂を見て確かに遺体を埋めるのなら絶好の場所だな、と思ってしまった。
こんな坂を歩こう何て変人中々いないだろうから、と隣にいる涼介を変人扱いする。
「では、帰りもお願いします」
ユリがそう言うと三人は山を降り始める。
山を降り始めて三十分後くらいすると涼介が急に立ち止まる。
カガチがすかさず「どうかしましたか?」と尋ねる。
「あ、いや今思い出したのですが、確かこの辺りで転んだ記憶がありまして……いえ、急にすみません。忘れてください」
変なことを言ったと頬を染め恥ずかしそうに下を向く。
ユリはこの辺りか、とカガチに視線を送る。
ユリの意図に気づいたカガチは「難波さん。その場所がどの辺がわかりますか」と聞く。
涼介は何でそんなことを聞くのかと不思議に思ったが、辺りを見渡してから「確かあの辺りだったかと」と指をさす。
ユリはすぐにその辺りを未来で視た場所と同じだと気づき「カガチ」と叫ぶ。
カガチは了解と言いその辺り落ちていた木の棒で掘り返していく。
涼介は二人の行動が理解できず固まってしまう。
「(この二人は一体何をしているのだ?何で急に土を掘って……)」
涼介はそこで考えるのをやめた。
ここ半年理解できないことが続き疲れていた。
恐る恐る二人に近づき涼介も木の棒を手に取り土を掘り返していく。
本当は二人が何をしているのかわかっていた。
でも、理解したくなくてわざと無視した。
そんなこと許されるはずなんてないのに。
自分のせいでこんなことになったのだから自分もやらなければと二人が探しているものを一緒に探す。
コツン。
木の棒が何かと当たる音がする。
三人は顔を見合わせると木の棒を捨て手でその周辺を掘っていく。
すると白い何かが見えた。
骨だとすぐに理解した。
その周りも掘っていくと女性の右手がでてくる。
「うわああああああああ」
涼介は右手だと理解した瞬間後ろに倒れながら叫んだ。
何となく予想していたが本当にあるとは思っていなかった。
そんな涼介とは違い二人はは落ち着いていた。
まるでここに骨があったのかを知っていたかのような反応だった。
「……何で驚かないんだ……骨だぞ。もしかして知ってたのか……」
震える声でそう話しかける。
二人は涼介のの声で振り返り顔を見合わせた後微笑む。
「難波さん。依頼を受ける前の条件覚えてますか?秘密です」
人差し指を口元にもっていき内緒だと。
涼介は急に二人が恐ろしくなる。
幽霊よりも。
だが殺されるとは思わなかった。
ただ関わってはいけない人種だと。
そう強く思った。
今すぐこの場から逃げ出したかったが腰が抜けてそれどころではなかった。
「……アザミさん。女性の遺体を見つけたから来てくれ。場所は……」
「わかった。すぐ行くが俺より先にそっちの管轄の奴が着くと思うから上手く誤魔化せよ」
「わかってる。じゃあ、後はよろしく」
ユリは電話を切り涼介の元へ近づき目線を合わすためしゃがんだ。
「難波さん。あと少しで幽霊退治は終わりますが、どうして巻き込まれたのか貴方には真相を知る権利がありますが知りたいですか」
「……わかりません。少し考えさせてください」
頭がいっぱいいっぱいでそれどころではない。
「わかりました。もし、依頼が達成された後でも真相をお伝えします。俺達が生きている間ならお伝えするとお約束しますので聞きたくなったら教えてください」
「……わかり、ました」
そんなやり取りをした約二十分後にパトカーのサイレン音が聞こえた。
警察官が三人の元に来るとユリがそれっぽいことを言って警察官を納得させた。
警察官は詳しい話を聞くために三人を署まで連れて行った。
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