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幽霊退治 中編

「……真っ暗だな」


二度目の能力を使うと次に見えたのは真っ黒な景色だった。


右も左も前も後ろもわからない。


そんな不気味なところにきてしまった。


「もしかして夢の中か?」


それなら真っ暗な世界でも説明はつく。


とりあえず歩くかと何も言えないが障害はないので進んでいく。


暫く歩いているとポッと右側に明かりが見えた。


そちらに視線を向けるとヒュッと喉が鳴る。


女性の幽霊がいた。


涼介の過去を覗いたときに何度か見たがその比ではないくらい不気味で恐ろしかった。


もしこれが自分に向けられているものだったらカガチも恐怖に支配され幽霊の言葉を聞くことなどできなかっただろう。


一か月もの間、夢に幽霊がでて何とか耐えていた涼介に尊敬や同情とも言えない感情を向けてしまう。


「……た…………て……さ……ゆ……あ……」


幽霊の声が聞こえ急いで近づき口元まで耳を近づける。


もう一度言ってくれと頼む。


幽霊はまた口を開く。


カガチは十七回目で聞き取れたが、幽霊が言った言葉に驚いた。


ふと、何かが落ちていくのがみえた。


もう一度落ちていき目線を上げると幽霊が泣いているのだと気づいた。


髪で顔が隠れているので気がつかなかったのだ。


さっきの言葉で理沙が何故幽霊になったのかを知ったので複雑な気持ちになる。


「……わかりました。貴方のその願い必ず俺が叶えます。だから俺と約束してください。俺がその願いを叶えたら成仏してください」


カガチはこれは過去の夢だから届くはずはないとわかっていたがそう言わずにはいれなかった。


カガチは能力をとき目を覚ます。


カガチは六時間以上能力を使っていたのでかなり疲れていた。


今すぐ眠りにつきたかったがユリに報告しなければと思い何とか耐えた。


ユリの方を向くと毛布に包まり気持ち良さそうに寝ている姿が目に入る。


「……は?」


間抜けな声が出る。


「(寝てる?え?寝てるよな?俺今の今まで能力使ってたんですけど?護衛は?つか、普通寝るか?)」


ユリにたいする苛立ちが募る。


ぶん殴ってやろうと立ち上がろうとするが能力の使いすぎで体がふらつき床に吸い込まれるように倒れる。


急に目蓋が重くなっていき抗う力もなくそのまま眠りについてしまう。




「おい、起きろ」


体を揺すられる。


ユリの声が聞こえるが眠たくて目を開けれない。


無視しようと決め込み寝たフリをする。


「おい、起きただろ。気づいているからな。早く目を覚ませ」


ユリの声が聞こえるがまた無視をして寝たフリをする。


「……おい、眠いのはわかるが早く起きろ。情報を整理するぞ」


涼介が起こる前に今の現状を把握しておきたかった。


「……わかったよ」


大きな欠伸をして体を起こす。


「とりあえず、外に出るぞ」


ベランダの方をさしここでは話せないと伝える。


確かに依頼人の前でする話ではない。




「で、俺が覗いている間何がわかったんだ?」


カガチは欠伸をしながら尋ねる。


「多分だが女性の幽霊の正体がわかった」


そっちは?と今度はユリが尋ねる。


「幽霊になった動機と依頼人に見えるようになった理由」


余程眠たいのか何度も欠伸をしながら話す。


「……女性は何て言ってたんだ」


ユリの質問にカガチは女性が言った言葉を一字一句間違えることなくそのままの言葉を言う。


「……本当にそう言ったのか?」


カガチの言った言葉が信じられず気づけばそう聞いていた。


「ああ」


「そうか。それで、どうするつもりだ」


「……俺は叶えてやりたいと思う。だから、ユーリにも手伝って欲しい」


「わかった」


あっさり了承するユリに目をパチパチさせ「本当にいいのか」と聞く。


「ああ。そうしたいんだろ」


「ああ」


「なら、そうすればいい。それに結果的に依頼を達成できるかもしれんだろ」


「でも、絶対じゃない」


どんな結果になるかはわからない。


最悪なことになる可能性もある。


「それなら、他の方法を取ればいいだけだ」


「そりゃあ、そうだけどさ……」


「未来が視えるからってそれが必ずいいとは限らない。自分達で選び掴みとるしかない。俺達は幽霊の願いを叶えるという選択をしただけ。後は本人達がしたいようにしてなることだ。こればっかりはしょうがないさ」


「後は本人達次第か」


カガチは運に任せるみたいで嫌だったがそれが一番いい方法なのだとはわかっていた。


「そうなるな。とりあえず、どこにあるか探そう」


「依頼人にもやらせるのか?」


今から遺体を探すのだと。


カガチは涼介には辛いのではないかと思う。


「まあ、仕方ないだろう。過去を覗いてもどこにあるのかわからなかったのだろう?なら、本人に見つけてもらうしかないさ。連れて行かないわけにはいかない」


「そうだな……」


ユリの言っていることは正しいが遺体を見る羽目になるかもしれないと思うとどうしても申し訳なく思う。


「こればっかりはしょうがないさ」


カガチが何を考えているか力を使わなくても長年一緒にいたのでわかる。


「ああ、わかってる」


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