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幽霊退治 前編

「「お邪魔します」」


涼介の家に上がる。


あれから涼介の町に行くためソウに送ってもらった。


町に着く頃には十九時をすぎていたので近くのファミレスで食事を済まし銭湯に入ってから家に向かうことにした。  


「どうぞ」


涼介は二人にお客さん用のスリッパを出す。


二人はスリッパを履いてから家の中に入る。


「……寝る場所どうしよう」


部屋に入るなり涼介は呟く。


ベットはシングルで三人が寝られるほど広くない。


自分のせいでこうなったのに床に寝かせるわけにはいかないと思うも、どうしたらいいかわからず固まってしまう。


「俺らのことは気にしないでください。そこら辺で寝るので。な、ユーリ」


「ああ」


二人は涼介が寝たら能力を使って過去を覗くつもりだったので寝る場所などどうでもよかった。


「でも、俺のせいでこうなったのにそんなわけにはいきません」


「いえ、本当に気にしないでください。ベットで寝て疲れをとってください」


「……わかりました。そうします」


二人とも本当に気にしていない様子なので、ならいいかと有り難くベットで寝ることにした。


「明日は早いのでもう寝ましょう」


ユリの一言で二人共頷き就寝することにした。


涼介は薬を飲もうと水を手に取る。


「……もしかして、睡眠薬ですか」


ユリが尋ねる。


「はい。恥ずかしい話ですが、これがないと寝れなくて」


「よろしければ、簡単に寝られるようツボを押しましょうか」


ユリが提案すると涼介は首を横に振り「そんな申し訳ないです」と断る。


「せっかくだし試すだけ試してみましょう」


カガチが申し訳なさそうに断る涼介に物は試しようだと言って説得する。


涼介はカガチにそう言われ確かに試すだけならとユリにお願いしますと頭を下げツボを押してもらうことにした。


「わかりました。では、失礼します」


ユリはそう言うた涼介の体を指二本でトントントンと三回叩いた。


涼介は何が起きたのか理解する前に意識が遠のいていきそのまま眠りについた。


「相変わらずすごいな。これ。ロゼに聞いといて正解だったな」


気を失った涼介を見てカガチは感心したように言う。


「ああ。それよりさっさとやるぞ。とりあえずベットに運ぶぞ」


床に倒れている涼介を担ぎベットに二人で寝かしつける。


「……じゃあ、頼むぞ」


「任せろ」


カガチは右手で涼介の肌に触れ能力を発動させる。


ここ最近の涼介の過去が頭の中に流れてくる。


女性の幽霊が現れたときの過去を見てある事に気がついた。


涼介が女性の幽霊を見えるときその時必ず一人の男性がいるということに。


その男性が誰なのか気になり幽霊とは関係ないが調べた方がいいと思い一度能力を解く。


「……もう、わかったのか」


カガチが能力を解いたことに気づく。


「いや、まだ全然」


首を横に振る。


「ただ……」


「ただ、なんだ?」


「幽霊が見える条件は多分わかった。南雲先生と呼ばれている男がいるときだけ依頼人には幽霊が見えているみたいだ。大学でよく見かけたのはそのためだろう。たまに大学以外でもあっていたし、周りに人もいた。恐怖でそれどころじゃなかったから依頼人は気づかなかったんだろうな」


もし、気づいていれば会わないよう気をつけることもできたはず。


それをしなかったのは冷静に判断できないほど怖くて仕方なかったのだろうと過去の涼介の記憶と感情からわかった。


それに、あの幽霊は不気味すぎて怖かった。


冷静になれないのも無理はない。


「南雲先生、か。アオイに連絡して情報を送ってもらう」


「オッケー。俺はもう一度覗いて見るよ。夢の幽霊が何て言っていたのかも気になるし」


カガチはもう一度涼介に触れ過去を覗く。


ユリはアオイに電話し事情を説明し調べて欲しい人がいると伝える。


アオイはすぐ調べて送るといい電話を切る。


それから十分後にラインが届く。



男の名前は南雲竜樹(なぐもたつき)


年齢は三十八歳、身長百七十八センチ、体重六十キロ。


独身、一人暮らし。


家族構成、父、母、妹二人。


最後に彼女がいたのは三年前。


犯罪歴なし。



アオイから届いた情報を見て特に怪しい点はなかったが、三年前の彼女のことを調べて欲しいとラインするとそこから二十分後に電話がかかってくる。


「もしもし、何かあったんですか」


アオイから電話をかけてくるなんて珍しいなと思いながら話しかける。


「ああ。とりあえず結論から言う。この女性三年前行方不明になっている。未だに見つかってない」


「やっぱり、そうか」


女性のことを調べて欲しいとラインを打ったときにはなんとなくそうだろうなとわかっていた。


「それで、その女性なんだが名前は栢原理沙(かやはらりさ)、当時の年齢は二十七歳。職業は美容師。結構人気で指名もある程腕は良かったみたいだ。まあ、顔も可愛いから異性から好かれていたらしいぞ」


アオイは調べているときに理沙の顔も見ている。


「そうなのか。好かれているのに結婚しなかったのか」


「それが、行方不明になる前に近頃結婚すると周囲には言ってたらしい」


「近頃結婚すると周囲に言っていた人間が行方不明になるのはおかしい。つまり殺されたからとみるべきだな」


涼介の未来を視たときから、山の中で何かを掘り起こしているときから最悪な可能性が頭に浮かんでいた。


「だろうな。まあ、どんな依頼でこんな面倒になっているかはわからんが頑張れよ」


じゃあな、と言ってユリの返事を聞く前に電話を切る。


「……まあ、残りはカガチが夢の中を覗けばわかることか」


大きな欠伸をするとユリは毛布に包まり眠りにつく。


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