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幽霊退治 前編

「場所ですか?」


カガチにそう聞かれ涼介は幽霊が現れた時のことを思い出す。


「……大学が一番多かったかとしれないです。初めて見えたのも大学の時でした」


「え!?難波さん。大学生なんですか?」


カガチが驚いたように叫ぶ。


どうみても中学生にしか見えない。


「はい。そうですが」


涼介はきょとんとした顔でカガチを見る。


確かに中学生がここに一人で来るなんて両親が許すはずがない。


少し考えればわかることなのに、疲れすぎて頭がまわらなかった。


「もしかして、今一年ですか?」


ユリがハッとしたようにそう聞く。


「はい」


「一人暮らしですか?」


「はい」


「大学がある町に越してきたんですか?」


「はい。そうです」


涼介は何故急に幽霊とは関係ないことを聞かれるのかわからなかった。


ユリはなんとなくだがわかってきたが、肝心の幽霊が何故涼介だけに見えるのかだけはさっぱりだった。


「あの、その町にきて最初の頃どこに行かれたか覚えていますか?」


「えっと、確かアパート周辺の散策と図書館と山登りとその奥にある神社に行きました」


「山登りはその時一回だけですか?」


ユリは山と神社で何かあったのではないかと推測する。


「いえ、サークルに入ってもう一度だけ登りました。……あ、そういえば二度目の山登りの後から女性の幽霊を見始めたかもしれません。それと、家には夢以外で幽霊が現れたことないかもしれません」


話をしていたら少しずつ思い出してくる。


「……なら、明日その山で歩いた道を案内してください。気付いたことがあったら何か教えてくれませんか」


「……わかりました」


涼介は幽霊が見えるようになった原因かもしれないのが山だとわかり退治までの道のりが前進したことに喜んだが、そこに自分も行かないと行けないことが嫌だったが断るわけにもいかず渋々頷く。


「それと、今日は俺達二人も難波さんの家に泊まらせてください」


ユリの話を黙って聞いていたカガチだがこの発言には驚いて「は!?ユーリ何言ってんだ!?」とつい叫んでしまう。


涼介もユリの発言に驚き流石にそれはと断ろうとしていたのでカガチの言葉に必死に頷く。


「カガチ。難波さんの言葉をよく思い出せ。家には幽霊は出ないが夢には出てくると。寝ているときに何かあったら困るだろう。それに、寝ているときなら……」


そう言いかけてやめるがカガチはその続きの言葉がわかった。


ーーお前の能力を使って夢の中を見れる。


「……確かにそうだが」


カガチはどうしたものかと頭を抱える。


「勿論、難波さんが嫌だと言うのなら無理強いはしません。断っていただいても構いません」


「……いえ、ご迷惑でなければお願いします」


暫く考えてからお願いすることにした。


一人で寝るのは怖かったし嫌だった。


それに二人だって他人の家に来るなど嫌だろが、自分のためにわざわざ提案してくれているのだ。


それなのに嫌だからという自分勝手な思いで断ることはできなかった。


「わかりました。では、今から準備をしますので少しお待ち下さい」


ユリとカガチは部屋を出て一泊する準備をする。




「なぁ、ユーリ。なんとなくわかったんだろ。説明しろ。あ、視えたこともな」


部屋から出て依頼人に聞こえないところまで行くと口を開く。


「まあ、だいたいはな。多分だけど、その女性は殺されて山に埋められているんだ」


「……は!?」


淡々と言う恐ろしい言葉に一瞬固まり少しして大きな声で叫ぶ。


「おい、うるさい。依頼人に聞こえるだろ」


ユリがすぐにカガチの口を手で塞ぐ。


ユリは依頼人のいる部屋の方を見る。


依頼人が部屋から出てくる気配がないのを確認すると手を離す。


カガチは死ぬだろうと訴えるも大きな声を出すのが悪いと。


「おい、それってつまり依頼人が女性を殺して山に埋めたと言いたいのか」


そんな人物には見えなかった。


あんなにやつれてたのは呪い殺されているのを恐れているのかと。


「いや、違うが」


「あ、そうなの」


ユリが否定するのでホッとする。


殺人犯の依頼など引き受けたくなかったから。


違うのなら問題ない。


「じゃあ、どういうことなんだ」


ちゃんと説明しろとユリの前に立って行手を阻む。


「さぁな。そこまではわからん。視えなかったからな。ただ、お前と依頼人が山の中で何かを掘り起こしているのが視えた。だから、そうなのかと思った」


「ああ、そういうこと」


「それに、さっき依頼人が言っていただろう」


ユリのその発言にカガチはどのことだ?と首を傾げる。


「幽霊が話しかけてくる、と」


「あー、言ってたな。そんなこと」


涼介が頭を抱えながら言っていた姿を思い出す。


「もし、依頼人が殺したのなら話しかけてくるなんてあるか。普通呪い殺そうとしたり罵声を浴びせたりするんじゃないか」


まあ俺は見たことないから知らんが、と付け足すように呟く。


「確かに、そうかもしれんが……」


ユリが言うと何故かそう思ってしまう。


「これはあくまで俺の推測だが、助けを求めてるような気がする」


「助けを?幽霊が?」


漫画の世界じゃあるまいし、と思うもユリの顔があまりにも真剣でその言葉を飲み込む。


「ああ。あくまで推測だがな」


「でも、なんであの人に?」


「それはわからん。だから、夢の中で幽霊が何を言っていたか確認してくれ。依頼人は恐怖でそれどころじゃないだろうからな。頼むぞ」


カガチの方を二度と叩き自分の部屋に行きお泊まりの準備をする。


「……俺、幽霊とかそういう系無理な人なんだけど」


間接的に幽霊を見ることが決定し立ったまま気絶する。


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