f#04 遊撃隊仕様の隊長機
「任務を開始する!」
〈 アバランチ所属パイロット
『くそ、入られた!!』
〈 アバランチ所属パイロット
『潰せ!! 奴らを即刻ぶち殺せ!!』
目の前には重量型の《スフィアロイド》〝イフリート・モデル〟が立ち塞がっている。
一機は盾付き。対空ライフルを装備している模様。
もう一機は。
「……ッ!」
無反動砲を担いでいる。
危ない。
〈 アバランチ所属パイロット
『く、外した!!』
〈 アバランチ所属パイロット
『アイツの銃、オーダーメイドか!? 盾の耐久値、ごっそり持ってかれた!!』
どうやら効いている様だな。
あとは銃剣で何とかなるか。
建物の影から飛び出し、脚部にある大型スラスターをフル稼働させる。
〈 アバランチ所属パイロット
『な……!?』
被弾を最小限に。
そして狙って、撃つ。
〈 アバランチ所属パイロット
『ぐわぁ!!』
青い弾道と共に、大型の盾は爆散する。
それと同時に、小型ミサイルが飛んでくる。
恐らく、無反動砲を担いだ奴だ。
良い判断している。
突撃銃が間に合わなければ、危なかったぞ。
〈 アバランチ所属パイロット
『……こうなったら!!』
空になった四連ミサイルポットを切り捨て、無反動砲も捨てる。
そして腰にマウントされたヒートナイフを取り出し、熱を帯び始める。
どうやら敵主力部隊にぶち当たった様だな。
捨て身覚悟で突っ込まれたら、突撃銃の意味が無くなる。
これ以上の応戦は無意味と判断し、即座に接近戦へと入る。
やはり、力は強いな。
〈 アバランチ所属パイロット
『墜ちろォ!!』
墜ちるのは、お前だ。
機体の機動に合わせて、〝スフィアミラージュ〟をすり抜けさせる。
〈 アバランチ所属パイロット
『何だと……!?』
余りない事例だが、〝ヘビィ・ユーザ〟ならやっていけるだろ。
メインカメラとコクピットを撃ち抜き、機体は業火の中へと消えていった。
〈 アバランチ所属パイロット
『クソが……!!』
対空ライフルで抵抗するか。
それでは、私を止められんよ。
突撃銃で、装着されているロケット弾を誘爆させる。
〈 アバランチ所属パイロット
『ぐあ!?』
足を失った機体は制御を失う。
チェックメイトだな。
銃剣で三発の風穴を空け、機体をスクラップにする。
「……これで全部か」
少々危なかったな。
あと少しで撃墜される所だった。
〈 ハルカ
『お、お見事です! Miiさん!!』
通信が遅かったな、オペレーター。
〈 ハルカ
『次のエリアに向かってください!』
「……了解」
ルート情報は更新された。
だけど、ハルターの姿が見えない。
向かう前に、合流しなければ。
〈 ハルター
『じゃあ、向かうか。Miiくん』
「絶対近くにいるだろ」
〈 ハルター
『あはは、すまないね。Miiがここまで強いとは、思わなかったよ』
建物の裏側から〝フェンサード・モデル〟が出てきた。
なるほど、道理で援護しないと思った。
「いいさ。〝指揮官〟を守るのも、こっちの〝仕事〟だ」
〈 ハルター
『そう言ってもらえて、助かるよ』
同じ設計思想て言うのも、考え物だな。
〈 ハルター
『それじゃ、向かうとしますか!』
「……そうだな」
これ以上は時間の無駄か。
私たちは、次のエリアへと向かった。
〈 アルカディア所属パイロット
『……来たぞ!!』
〈 アバランチ防衛部隊・隊長
『《自動人形隊》を死守せよ!! 何があっても、撃ち墜とされるな!!』
どうやら厳戒態勢は整っている様だな。
弾の雨が、こちらに降り注いでいる。
〈 ハルター
『……流石に多いか!?』
「それでも、やるしかない」
こんな時に通信が。
〈 ハルカ
『緊急連絡、友軍が行動を開始。速やかに砲台役の《スフィアロイド》を破壊してください!』
「ち、タイムリミットか……」
〈 ハルター
『飛び出すしかない……!』
それは無謀だと思うが。
〈 ハルター
『俺が前線を駆ける!! その間に突入してくれ!!』
「……勝算はあるのか?」
〈 ハルター
『あるさ! 何せ、元々の役割がそうだったからな!!』
そう言って、飛び出していった。
両手にビームライフル、サイドに短機関銃があるとは言え、タンク向きの装甲ではないだろ。
「……信じるしかないか」
ほぼ脳筋に近いが、今はそんな事を言ってられない。
私も動き出さねば。