91.和解について
「ふふふ! 妾嬉しいなぁ! カイルと会えて嬉しいなぁ! ふふふふふ」
「…………」
ひとまず座って話をしようと言うことで、事前に用意されていた部屋に移動したのだが。
ダークハートさんは何故か、俺の隣に座ってずっとにこにこしていた。
「むむむ……!」
「ぷんぷん!」
そして、エリサとユイは頬を膨らませて明らかにお怒りの様子である。
これは……なんていうか気まずい。
俺は嫌な汗を流しながら、ふうと息を吐く。
「ええと……ダークハートさん? この度はご足労いただきありがとうございます」
「ふふん! 構わんのじゃ! 気にするな! そして敬語は使うな!」
「ああ……ダークハート。お楽しみ中に申し訳ないが、話をしてもらっていいか。和解についての話だ」
俺が困りながら尋ねると、ダークハートは何かを思い出したような表情を浮かべる。
もしかして……忘れていたとは言わないよな?
「そうじゃったそうじゃった! 忘れておった!」
忘れてたのかよ……。
俺は頭が痛くなるのを感じながら嘆息する。
エリサとユイもずっとぷんぷんしているし、話をさっさと進めたいところだ。
「今回ここに来たのはカイルに会いたかったのもあるが、和解についての説明をするためにも来ておる。まあ、色々と事情があるからの」