表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/127

17.は?(死)

「お久しぶりですね。【晩成】の調子はいかがですか?」



「いや、それよりもさっき飛び出してきた少年は一体……」



「ああ。彼は解除不可の呪いにかかっていまして。よく来るんですよ、ああいう方。カイルさんが来たときも私、余命宣告の準備をしていましたからね」



「ははは……笑えませんね」



「ここは笑うところですよ?」



「どうやって笑うんですか」



「それにしても、今日は女の子を二人も連れているんですね。出世しました?」



 医者は背後にいるエリサたちを一瞥して、くすりと笑う。



「いや、彼女たちは仲間です。この前の診察結果が呪いとかデバフじゃなかったので、新しくパーティを組んでみたんです」



「ほう。それはいいことですね。ソロで活動するよりも、誰かと活動する方が有意義なものです」



 医者は満足そうに笑い、ふむと顎をさする。



「して、今回はスキルは関係なさそうですね」



「見ての通り……腰をやっちゃいまして」



「腰ですか。確かカイルさんって三十でしたよね。駄目ですよ、力が有り余るからって無理しちゃうと」



 そう言いながら、医者は俺をベッドへと誘導する。


 俺は誘導されるがままベッドへと移動し、色々と施術をしてもらうことにした。



「私、こういうのも得意でしてね。自称なんでもできる医者なんですよ」



 自称って……これも笑うところなのか?


 施術してもらっている本人からしたら全く笑えないんだけど。


 ただただ怖いんだけど。



「すごいわねー」



「ですねー」



 二人は感心しながら見ているみたいだし。


 どこが感心できるんだよ。


 この人自称だぞ。



「それに痛え……!」



 俺は悲鳴をあげながら、施術を耐え抜いた。


 ゆっくりとベッドから起き上がり、軽く伸びをしてみる。


 色々と文句は言っていたが、わりとマシになった気がする。


 まだ痛むが、動けないほどではない。



「……本当にマシになったわ」



「ね? 病院怖くないでしょ?」



「全く、怖がりなんですから」



「ははは。ごめんごめん」



 俺は笑いながら、医者の前に座る。


 さあて、後は湿布でも貰って帰るだけかな。



「カイルさん」



「はいはい」



「このままだと、余命一週間ですね」



「は?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ