17歳
初のBLものです。
作品を覗いて下さってありがとうございます!
一言でも二言でもご感想頂けるととても嬉しいです!
よろしくお願いいたします。
では本編へどうぞ→
『もしもし』
「もしもし…」
『俊?どうしたんだよ、何か暗いじゃん』
「亮太と、もう別れる。」
何度目の別れ話だ?これ。
多分9回目だな。うん。
そしてその全てが俺からという…。
『んー俊?何が嫌だった?』
焦ることなく問い掛けてくる亮太は、もう俺からの別れ話にも慣れているようで。
「…昨日の放課後、女の子と手、繋いでた…」
亮太と一緒に帰るために靴箱の所で待っていると、ゴミ箱を持った亮太と、亮太に腕を絡ましている女の子。正直、女の子が一方的だったのは見るだけでも分かったけど。
何も言わずにされるがままになっていた亮太にもイライラして。
『あーあの時かな。手繋いだわけじゃないんだけどな。』
「亮太が、女の子がいいなら、俺…」
携帯を持つ手が、震える。
『まぁたそんなこと言う。嫌な思いさせたならごめん。俺は俊がいいから。』
電話越しの心地好い亮太の声。
まるで耳元で囁かれているかのような錯覚に陥る。
『俺は、俊と別れたくないよ。』
優しい亮太の笑顔が目に浮かぶ。
「…ん。わかっ、た。」
『じゃあもう遅いから早く寝なよ?明日の朝も迎えに行くから。』
おやすみと言って電話が切れる。
俺は携帯を枕元に置いて布団の中に潜り込んだ。
俺と亮太は、半年前から付き合ってる。
同じ高校で、同じクラスで。部活まで同じで仲良くなるのにはそんなに時間はかからなくて。
先に好きになったのは、多分俺。
でも告白してきたのは亮太からで。
亮太は、優しい。
ルックスだって良いし、勿論女の子にもモテるし。
だから。
俺の幸せはいつも不安と背中合わせなんだ。
俺は女の子じゃない。身長は168センチで小さめだけど、美少年とかじゃないし、性格だって素直じゃない。
不器用で。
ちょっとしたことで亮太と付き合っていく自信なんてすぐに砕けてしまいそうになるし。
俺は亮太に相応しくないんじゃないか?
亮太はやっぱり可愛い女の子の方がいいんじゃないか?
そんなことを考え出したら止まらなくなって。
「別れる」
すぐにそう言う俺。
でも亮太はその度に、俊がいいと言ってくれて。
そうやって、俺は安堵するんだ。
あ、まだ俺は亮太のものなんだって。
必要とされてるんだって。
俺はさ、
亮太が俺を見てくれてる限り、亮太のものでいたいんだ。