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“私は結婚詐欺”独身男性からあとどれだけお金を巻き上げられるのか?

作者: 七瀬







私の名前は、市川衣琉美 32歳 独身 常に結婚相手を求めている。





・・・でも実の名前は? 山田 佳世子 42歳 二児の母。

旦那は冴えないサラリーマンだ。

稼ぎの少ない旦那を私がお金の管理をして節約しながら子供達の為に

やりくりしている。

ただ子供達も大きくなり手がかからなくなってきたから私は旦那の

安月給ではやっていけないと思い共働きをする事に決めたの!

最初は旦那は、私が働きに出る事を反対していたが私が今のままでは

将来子供達の為の貯金ができないと押し切って働きに出る事にした。

今では旦那も私が働きに出ている事を喜んでいる。

お金の面でかなり助かっているからだ。

私は働きに出ている事をいい事に、ある事を思いつく!

もっと効率よくお金を多く稼ぎたい!

それにはどうしたらいいのかと考えた結果、“結婚詐欺”をする事に

決めたの!

この仕事をすすめてくれたのは? 働き始めた工場のパート仲間だった。




『ねえ、佳世子さんって? “口が堅い人?”』

『えぇ!? どうしたのよ、ヒカルさん。』

『“いい仕事があるんだけど、やってみない?”』

『えぇ!? いい仕事?』

『だって以前、佳世子さん言ってたじゃない! 生活費が足りなくて

いい仕事ないかしらねぇ~って。』

『・・・まあ、言ったわよ。』

『だからよ! 佳世子さんだけにいい仕事を紹介したくてね。』

『でも、どんな仕事なの?』

『紹介したい男性ひとが居るから、会ってみる?』

『えぇ、是非! 会わせてほしいわ!』

『じゃあー今日、仕事が終わったら少し時間ある?』

『少しぐらいなら、大丈夫だけど。』

『じゃあ、後でね!』

『分かったわ。』






・・・ヒカルさんはこの工場の中でも古株のパートさんでね。

凄く面倒見がいい女性ひとなの!

私はこの人が言う男性ひとに会う事にしたわ。





『あぁ、こっちこっち!』

『鍵内さん、前言ってた女性ひとを連れてきたわよ!』

『・・・あぁ、初めまして山田佳世子です。』

『どうもどうも、初めまして鍵内です!』

『佳世子さんに詳しい仕事の話を鍵内さんからしてあげて!』

『分かりました、実はですね、』

『あぁ、はい。』






鍵内という男の話を詳しく聞くと? “完全に結婚詐欺”だと私は気づく。

ただ鍵内が連れて来る男は、“離婚したとか妻が病気で亡くなったとか浮気

された”などの理由があって今一人でいる男性ひとが多いという。

私に現在独身で、結婚相手を探しているので結婚前提でお付き合いしたいと

言ってお金を男性ひとから“貰うのだという”

相手の【善意】なら? 詐欺にはならないというのが鍵内の言い分だった。

私も彼の言う事に少し納得した。

そこに私はつけ込まれる。




『山田さん、お金欲しんだよね? “今のパートの仕事ではなかなか

お金稼げないよ! 旦那の給料じゃやっていけないんだろう! どうかな?

お子さん居るなら貯金しないとね。』

『・・・で、でも、』

『大丈夫だよ、俺に全て任せてくれれば! 悪いようにしないからさ~』

『もしこんな事が旦那にバレたら?』

『それも大丈夫だよ、バレっこないって! 一応ね、“紹介料って形で俺が

いくらか貰うけど、後は全部山田さんのお金になるからさ! 一度でいいから

やってみたら? 嫌なら直ぐにでもやめればいいしさ!”』

『大丈夫よ佳世子さん、ワタシだってやってるのよ!』

『えぇ!? ヒカルさんも!?』

『ワタシも鍵内さんに紹介してもらっててね、本当に稼げる仕事なのよ。』

『・・・そ、そうなの?』

『危ない事もないし、体の関係もないのよ。』

『・・・でも、そんなやり方で本当に上手くいくの?』

『“ただ優しく寄り添って話を聞いてあげるだけでいいのよ”』

『たったそれだけで、』

『そうなの、簡単でしょ!』

『・・・えぇ、』






私が思っていた結婚詐欺じゃないと分かったわ。

しかも? 信頼しているヒカルさんもやっていると訊いて私はホッとした。

この鍵内という男を信用してもいいのかなと私は信用しはじめる。





・・・それから数日後、早速鍵内から私に直接連絡があった。



『山田さんに紹介したい男性ひとが居るんだけど? 今日、時間ある?』

『・・・えぇ、』

『じゃあ、仕事が終わったら迎えに行くよ。』

『ありがとうございます。』





鍵内は私が仕事が終わった時間ぐらいに迎えにきたわ。

そして遂に初めて紹介された男性ひとに会う。



『初めまして、門野義和です。歳は54歳、個人経営の仕事をしています。

妻は5年前に病気で亡くなって以来、女性ひととは付き合っていません。』

『私は市川衣琉美 32歳 独身 結婚相手を真剣に探しています。』

『こんなにお綺麗な方が今まで独身だったんですか?』

『褒めるのがお上手なんですね、でも私はずっと独身なんですよ。』

『でも、どうして?』

『母が病気で結婚できなかったんです、相手の男性ひとにも申し訳ないと

思ってたので、でも母も2年前に亡くなって真剣に結婚相手を探さないとと

思いまして。』

『そうなんですね、私みたいな年の離れた男でも恋愛対象になりますかね?』

『勿論ですよ。』







・・・私はとうとう、“結婚詐欺”に手を染めてしまった。

この男性ひとを筆頭に、次々と男性ひとを紹介してもらいお金を

たくさん貰う事もできたわ。

でも? “人間とは欲深い生き物だと知る!”

タダで貰えるお金なら? いくらでも欲しいと望んでしまうわ。

私はもう結婚詐欺の仕事をやめられない!

旦那も子供達の幸せそうな顔を見ると? 時々罪悪感に苛まれるけどね。



最後までお読みいただきありがとうございます。

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