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番外篇:新年スペシャルin地球 後編


(o´ω`)ノ!

あけおめことよろあげぽよDEATH♪


前回より少しだけ多いです。




真壁(まかべ) (たける)は真壁家の長男だ。

両親の愛情を浴びるようにスクスクと育ち、明るく素直で裏表のない真っ直ぐな我が儘を言わない男の子へと成長していた。

そんな彼に最近ちょっとした変化が訪れる出来事がやってくる。

それは、たける少年に兄弟が出来ると発覚したという物だった。

まだ弟なのか妹なのかは神様しか知らない、そんな時期。

母と病院に行った帰りに教えて貰った特大のサプライズだったのを彼は覚えている。

最初は、よく分かっていなかった。

母は満面の笑顔で車中は普段と変わってお祝いムードだ。母の母、つまりおばあちゃんもその日は同乗していて楽しげなのは伝わるが、健は雰囲気に飲まれているだけで事態を完全には把握できていなかったからだ。

その夜に仕事から帰宅した父が母から兄弟の事を聞いて大喜びしているのを見て健も釣られて又、(はしゃ)いでゆっくりとではあるが実感していった。

その日から今日まで弟ないしは妹を迎え入れる準備としてなのか彼は何かに付けては、お兄さん振る(ぶる)ようになってゆくのは周りの大人達を和ませた。

そんな少しオマセな行動が陵一(しんゆう)との不和に繋がってしまう。





西三谷(にしみや) 咲希(さき)は同年代と比べるとちょっぴり特殊な家庭で生まれ育った。

何も不自由無い生活と欲しい物は家族や、父の知り合いの知らない人がくれる環境があった。

そんな彼女にも、ある悩みに困らされていた。

その悩みとは咲希(さき)の近所の同い年の(たける)陵一(りょういち)が大好きなのだが、どっちをお婿さんにするかだった。

健くんは元気いっぱいに何でもこなせて、勉強の成績も良い。解らない時は教えてくれたりする。

陵一くんは(くち)は悪いがスポーツが得意で特にボールを使うのが好きなようだ。後は意外にも本を読むのが日課らしく知らない言葉を時々、言っていたりする。

どちらともに甲乙難しくなり咲希(じぶん)だけで悩み抜いたあげく、パパとママ(りょうしん)に真剣に打ち明けた咲希だったのだが真面目な顔から一変、笑われてしまってからは恥ずかしくなったので自分1人で考え抜くと決めるのだった。

それからの咲希は健と陵一の良い所(カッコいい)を見つけてはシールをスケジュール帳(ノートブック)に貼るようになった。

そんな年頃の夢見る女の子なら有るかもしれない行動が、対応の一歩下がったモノへと変わってしまい本当に大変な時の対応を遅らせてしまう。





◆                ◆





「もう少し‥‥もう少し‥‥‥。あと少し!!」

伸ばすリコーダーに段ボールから片方の前足が出てきてリコーダーを掴む。

段ボールにもっとリコーダーを近づけようと今でもギリギリの足を更に限界を超えて端まで寄せる。


「これを掴んでっ!

もう少しだけ、こっち来て。そうしたら僕達が助けるからね!

大丈夫、もう少しだよ。もう少しだからね

そのまま前に出てきてお願い!!」

あとほんの少しでも段ボールから出て両前足でリコーダーに引っ掻けてくれれば身体ごと、引っ張れると考えて健は慎重にゆっくりとリコーダーと体重の重心をバランスを取って集中していた。


「たけるーーー!気をつけろーーー!

昨日は雨が降っただろーーーー!?

だからだよ!

足元に気を配れーーーー!!

この声には意地悪・嫌味や悪意なんて物は無く純粋な心配と、そこから来る友を思う気持ち(かんじょう)だけだった。

しかし現実(けっか)は悪い方へと運ん(すすん)でしまう。


「ん?

何にぃ、うっうわぁっっ!?」

陵一の叫びに振り向いた時、足を滑らせて(たける)は川に墜ちてしまう。


「まさかっそんな!?

たったけるーーーーーーー!!!」


「たける君!!!」


「ぶばっっあ?

いっうがッはぁウぃっ!

りょっ、っチく、ん!

ばっあザキッっちゃっあ!?」


「たけるっ!?」

陵一は咄嗟に流される健に手を向けるが波で上下する健を掴み損ねてしまう。

冷や汗が全身に通う。もしかしたら健を見るのが最後になるかも知れないと脳裏に過ってしまったからだ。

そんなのは嫌だと涙が溢れる、でもどうしたらいいのか身体は動かない。


咲希は水面に落ちようとしている健を間近で目撃してしまっていた。

その瞬間、両手を広げて健を抱き締めようとしたが間に合わなかった。

そんな状況に今になって怖くなって体が小刻みに、激しく震え出す。


「おっ!?

オイ!!さ、さきっ!!

たっ、助けるぞ!

たけるを助けるンダ!いいな?助けんぞ!?」


「どっ、どうやって?りょういち君!?

私達で?

………そうだ大人を呼ぼうよ!?

うん!そうしよう!」


「ばかやろう!」


「キャっ!」


「そんな暇あるかよ!

その時間で、、たけるが死んじまうだろが!

絶対に俺達で、………俺がっ、、俺が助けんだよ!

………絶対になっ!

何がなんでも俺と咲希で助けなきゃ、今しかないんだろ!!」


「っで、でもムリだよ。

私たち子供だし、体だって小さいし。

もう間に合わっ」


「ムリじゃねーーー!!

ムリでも小さくても出来なくてもやるんだよ!!

助け出して、そんでったける、と又遊ぶんだよ!

今度は剥きに意地なんか成らずに楽しく笑顔で遊ぶんだよ!!

俺はこんな事でっ、、友達(たける)を、大事な親友を、、健を、、、俺のせいで失ってたまるかよぉぉぉぉぉ!!

死んでも健を助けだす!

絶対だ!ぜってぇ~にっ!!

俺は諦めたりしねぇんだよーーーーしねぇぞコノヤロウがぁぁぁぁああ!!!!」

良いながら陵一は大粒の涙と鼻水を顔中に撒き散らして御天道様に宣言していた。

陵一の決意を見ながら咲希は顔を赤くしながら擦っては涙を払って震えを消そうとして足を叩いて震えを黙らせようとした。


「往くぞーーーーーーーおらぁぁがぁああ!!」


「ッうん!

私も、もう諦めたりしない。

笑顔でみんなとまた遊びたいもん!

会えなくなるのは嫌だーーーー!!」

2人は川へと飛び込んだ。






滑って全身で沈んだ勢いで(もが)く。

川の力で流されてしまう。溺れないように手足を動かして必死に水面(うえ)へと体の向きを変えて呼吸しようと目指す。

その途中で段ボールが水の中にあるのを見つけてしまう。

急いで手を伸ばして段ボールに水を掻く。

絶対に助ける。その一心のみで腕を脚を無理矢理に他の事なんかは考えずに身体の全てに指令を送る事だけけに集中する。

火事場の馬鹿力なのか痛みは無視されて(かんじずに)なんとか段ボールを抱えることに成功する。

運良く段ボールから離れずに彼は(・・・)流されていなかった事に安堵する。

タオルに(くる)まれて今にも息絶(いきた)えそうに身を縮込ませて苦しんでいる姿を優しく、それでいて早く抱き掴む。

ここで健、自身の空気が失くなり辛くなってきてしまう。

健は彼を抱えると体を丸くするようにして水中に流されるままに任せ(ゆだね)る事しか出来なくなり諦めの感情が頭を支配していく。

そんな死を覚悟した時、不意に背中に棒状の物が当たる感覚で水流の勢いから止められているのに気づく。

その棒を手に水面に顔を出して呼吸を確保する。

腕の中の彼もその小さな体で生きるのを諦めていないと言わんばかりに健と一緒に空気を一生懸命に吸っていた。

彼がいるのに自分は勝手に生きるの諦めていたのかと反省と新たな決意を噛み締めると、さっきの自分を恥じて改めて彼を助け抜くと心に行動を開始する。






手を繋ぎ激流の中を潜って身体を縮こませて恐怖を誤魔化す。

目指すは健だけだ。


『見つけた!たけるっだ!!』


「だっあ、ぅッケるぅーーー!

ごごバぁーー!

だけっうあっ、たけりゅいっぅーーー!!」

咲希と手を繋いだまま、表面に顔出して健を呼ぶ。


「つ、りょッうぃいち君!

ここです。

ここです!!!」

健はかなり先に引っ掛かった大きな枝に身を寄せて流れに耐えていた。

合流して3人は流されまいと手を繋ぐ。

そこで陵一は気がつく。

健の手には(くだん)の動物があるという事に。

抱えられている腕の中からは、ずぶ濡れの黒色の仔犬(・・・・・)が弱く鳴いているのが見える。


「ちゃっかりと助けてたのかよ!!」


「っあ"たりまえです!

この子は助けを呼んで、いましたから!!」

健が必死に獅噛(しがみ)ついていてるは、そして今は陵一達も獅噛みついているのは何処かで見た事のある物だった。


『これって!?

俺が使ってた木の棒か?』

そんな小さな奇跡に助けられた事に感謝して陵一は、この先の事を考え始める。


「こ"っ、、こ"れでッ一安心だね。

健くん、陵一くん!」

咲希の声が震えているのに気づいて思い出す。

ここが水の中だと一瞬忘れていた。


「こ"の"ま"ま"だと"、体温(だいおん)奪われて死んじまう。

っ、岸に上がるぞ!」


「ッ、っうん!

咲希ちゃん、イヌさん、もう少しだけ辛抱してね。」


「輪になるぞ、木から放すぜ!!」


「えっ?

でも、、、、。」


「犬だけ抱えて俺達3人は手を繋いで輪っか、みたいにするんだよ!

このままだと流されて溺れ死んじまうだろが!?」


「分かったでも、、、。」


「でもじゃよーーーーんだよ!

言いたいことは後回しだ!

今は助かることだけを考えとけっ!!」


「「、ッうん!!!!」」


「確か、もうちょっと向こうに段差になってて小さいけど滝みたいになってる所があったはずだ。

それに落ちたら、ひっくり返って終わりだ、さっき離れてた時に見つけたんだよ!」


「信じるよ、陵一くんが言ってること。

本当だよ!

信じるのも手を繋ぐのも全部1人じゃ出来ないもんね!!」


「うん。疑ったりしない!

後ろで見てばかりじゃ駄目なんだよ。

前に出て一緒に助け合わなきゃ!!」


「うん、もうケンカしたり僕が一番なんて張り合ったりする必要ないよ。

ごめんね陵一くん、咲希ちゃん!」


「ば、バカっ!!

今はここをどうするかを考えてろよなっ!!」


「(U^ω^)わぅん!!」

この刹那な瞬間3人(と一匹)は目と目をぴったり合わ(こうさ)させて瞬きもせずに顔を、表情を見詰めた。

そこには言葉はなくとも何故か全てが分かり合えたようなそんな感情と暖かいような気持ちにあふれて包まれている気がした。

仔犬は健の身体から顔へと乗り出して鼻や頬っぺを嘗めている。

緊急時ゆえの我慢していた(はじめての)喜びが限界を越えたの体現しているかのようだ。

そんな優しく場違いな状況を現実に叩き戻すかのように健達に一際(ひときわ)大きな波が呑み込まんと高くなって襲い掛かって来る。

声も上げる(すき)も与えられずに流されてしまう3人は繋いだ手を離さずに水中で身体を寄せ合ってピンチを打破しようとする。

その姿は何があっても、もう絶対に離ればなれには、ならないと誓っている姿に見えた。






上に下に右に左に回されながら、ぎゅっと固く離さずに(たける)達は流されていた。

しかし段差により滝のようになっている場所(いち)は大量の激流で何とか無事に脱した健達は水面上に顔だけが出せるようになると溺れないようにしながら近隣に聞こえるように流されつつも大声を出した。

3人集まりながら一斉に張り裂けんばかりに喉から助けを呼んでは続ける事を止めなかった。

時には3人で鼓舞し合っては諦める心を出さないようにして助けが来ると信じて救援を続けていく。

そこには犬の雄叫びも交じっていたのを(あわ)空気(あおぞら)だけが知っている。



その後、偶々彼ら3人を知っている近所の同級生の親御さんに声が届く事となり周辺の大人達を巻き込んだ救助活動へと様変わりすることになる。

命に別状も無く安静に救い上げられて事なきを得る。

…………のだが、この騒ぎはテレビ等で少しだけ取り上げられてちょっとした騒ぎになるのだが、それは又別の御話し。


ずぶ濡れの3人と仔犬を抱き締めてやって来たのを見た親達は怒るよりも先に心配が勝ってしまう。

しかもそこには犬を助けた事を誉めるべきか悩ましいと言うのに、この子を飼っていいかと迫られては他の御両親の手前も有って強く出れなくなってしまう。

押しに負けてしまい結局は健の家が責任を持って無事に飼うことになった。


「これで又、みんなと会えるね」

濡れた髪とタオルと、くしゃみと寒さに身悶えながら仔犬を抱いて決して離そうとしない様子は大人(とおや)達を考えさせて答えを変えさせるまでになる。

そこに必殺と謂わんばかりに笑顔で止めを刺されれば駄目だとは言えるはずも無い。

何よりも自分達を危険に晒してまで助けた仔犬を助けられて良かったね、じゃあバイバイを言おうね、っは小さな子供達には、最も(ひどく)(こく)に思えてしまったからだ。

それぞれの親たちは家に帰ってから怒ると言うよりも今後のためにも注意をしようと心で思い、今は自分の子供たちを労い、そして手を繋いで帰路に着く。







次の日


仔犬(クロ丸)(命名・健)を助けたいって気持ちは悪いことじゃない。

でもそれを行動に移す時に軽はずみに動いちゃったら覚悟が伴っていない事を実感した。

今回は大人の助けや運の良い奇跡で今は、こうやって生きているけど下手をすれば僕たちもクロ丸も死んでいたって、おかしくなかった。

それじゃ全員が死んでたら何も出来なかったのと一緒だ。


「おい、目で分かったんだぞ?

お前あの時(・・・)、自分はどうなってもいいから俺たちとクロ丸だけでも、って思ってたんだろ?」


「………………うん。ごめん

みんなの事ばかりで自分の事を忘れてたよ」


「(U´・ェ・)くぅ~~ん?」


「咲希も3人の力を合わせるため、っつって咲希自身がムリして怪我したら意味ないぜ?」


「はい( >Д<;)

ってでも、このケガは自分(さき)鼓舞する(ゆうき出す)ために(あし)を叩いて出来たのだよ?」


「それでも咲希ちゃんが痛い思いするのは、よく無いよっっ!

うん、だから僕が責任取って治してあげるね?」


「えっ!?

それホントウ、たける君?

ぎゅっ~~うっと!!」


「だって僕お兄さんだからね!

‥‥‥ってコレは、いつものクセで言っちゃた!?

ゴメンね、言わないって言ったのに、ってうわっ!?」


「(U^ω^)わっふぅ~う!!」


「咲希の奴、聞こえてないぜ?

やれやれだな全く!

これじゃっあ次、同じような状況になった時に助かるか疑問符だぜ?

やっぱ俺が居ないとな、今度は絶対にピンチになんてさせるかよ!!」


「そうだね!

今度があったとしても大丈夫だよ!

だって今度は僕たち3人で一緒にやるんだからさ!」


「そんな簡単な事じゃね~だろう?」


「ううん!

そんなこと無いよ、だってクロ丸を助けれた私達だもん!

きっと諦めたり、喧嘩別れなんてしないと思うな。

1人1人のピンチも助け合えるよ、だってあんな危険もクロ丸は元気にここにいるんだもんね!

きっと協力しあえば無理な事なんてないよ、ねっ?

だから、たけるくんっッだーーーい好きーーーーーー!」


「うん!

って?

うっ、ううわっああア!?」


「おいおい!?

こりゃ健の将来が想い遣られるね~~

まあ、俺が(ついて)るから任せとけ!」


「大丈夫、大丈夫♪

どんな事があっても僕達なら、どんな敵がやって来ても乗り越えられるさ!

3人ならね!!」

倒れて咲希に抱き締められている健を見下ろしながら陵一は頬杖を付きながら呆れて溜め息を1つ溢して小さく笑う。


「わおーーーーーーーーーん(^ω^U)」

夕方の住宅街に豪華なテラスから元気で小さな番犬の叫び(へんじ)が轟いた。

陵一の望んだ笑顔がそこには溢れかえっていた。

この光景の一員に居ながら陵一は思う。次にもし、あんな状況になったとしても迷わずに助けると。

でも陵一はそんな事よりも、そんな状況にはさせないと心に誓うと、振る舞いや考えを一新させるためにも、2人に近づくために勉強(じゅぎょう)を頑張ろうと遠い目をするのだった。


















オマケ。

その後、クロ丸は咲希の元々いた飼い犬と夫婦になり子宝にも恵まれて、今も僕の実家にいる。

あ~ぁ!

早く元の世界に帰りたいな~

クロ丸に会いたいよ~

        (・W・`U)がう?








新春(ねんし)スペシャルのヴァレン編!!

間に合わなかった(*ToT)ごめん

ので近い、うちに……必ず……。

面白かった・期待してる→と思ったら★を5にして、ブックマークして応援してくれると嬉しいです。

ポテンシャルに直結します。

では今年も、よろしくお願いします。

(o・・o)/~


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