第65話 そこがタケルの良いトコロですよ!
前回までの勇そうは?
怪しい樹木のモンスターが謎を呼んでいた
ハロウィンの第五回目に突入!
地図を手掛かりに "森の主" を探してラオスの森を進むタケル達は、そろそろ休憩を挟もうと話をしている所に突如として人の物と思われる悲鳴が響き聞こえて足を止める。
その声を聞いた途端にタケルは進路を道の横に変えて走り駆け出した。
「あのバカっ!
ったく、何度と注意しても聞きゃしね~」
「後先考えずに行動するのはマヤと似てるぜ~」
「彼は何時もこんな感じですか?
……本当に、本当の勇者なんですね」
「罠だったりしたら、それはそれだ
俺たちが後始まっ・・・援護すればいいんだからな!」
「誰かの救援だと疑わない
そこがタケルの良いトコロですよ!
さぁ急ぎましょう
俺たちの役目はここからですからね!!」
辿り着いた、そこには多くの樹木モンスターに溢れていて中心には囲まれて、縮こまりながらも蔓で叩かれている人陰が見えた。
「誰かいませんかーー?大丈夫ですかーーー!
返事は出来ますか?
今助けます!!」
「その声は、誰かいるんだね?
ちょっと手を貸してくれないかな~!」
「あたりまえです
その体勢で動かないで下さい」
樹木モンスターに斬り付けながら返答するタケルは聖剣を左手に構えて取り出すように仕草をすると、光りながら聖剣がタケルの前に出現する。
タケルは右手に握っていた剣を仕舞うと聖剣を両手で掴む。
そして一層光り出し、その輝きが増すと聖剣を思いっきり一振りする。
聖剣の一撃は離れているにも関わらず、空間を裂くようにして斬撃は樹木モンスターを吹き飛ばす。
タケルの聖剣は美しい装飾にシンメトリーなデザイン。白を基調として金色のアクセントのあるシンプルでありながら華やかさを共在した形の剣の姿をしていた。
聖剣の用途をタケル自身が把握していないためか、まだ本領を発揮出来ていなかった。
そのためタケルは店で購入した剣を普段使いしているのだが、聖剣はそれなりに高価な剣よりも存分に切れ味等も高く上であるのは確かなのだが、しかし、それ以外はまだ能力が不明な状況でパラメーターや能力も一切不明のまま、タケルも扱いに困ってしまい、ここぞという時にだけ使用すると決めているのが現状だった。
「おおう!?
スゴイな~~~その輝きに力は聖剣だね?
君はっ、君達は現・代の勇者なのかな?
ありがとう!
本当にありがとう!!」
塵になって消えていく樹木のモンスター達の破片を避けながら這い立ち上がって現れたのは、なんとも珍妙な姿をした男性?だった。
◆
その男は大きな買い物袋を顔に被っていて細身に、柔らげな新緑色に肌触りの良い質素な和服っぽい物を着ている。
形の崩れている買い物袋を正している。
その買い物袋は破れた痕を細い植物で縫い直しているのが見える。
そして買い物袋を治している服の裾から出ている手には所々が薄黄緑色の植物繊維が血管のように浮き出ていて、アザもあるのが分かる。
彼はタケルの場所まで歩いてくるとフンワリと話掛ける。
そしてタケルとほぼ同時にやってきていたクリスや少し遅れて到着したマヤ達も全員が合流する。
「この魔力は、貴方ライノオス様ですね?」
聖剣を仕舞っているタケルの前に出てきたクリスは、いきなりそんな事を告げる。
困惑する一同を他所にクリスとライノオス(?)は会話を始める。
「よく分かったね!
そんな君は!?
(………………成る程ね……。)」
「クリスと申します、ライノオス様
この溢れている霧と森の恵みの魔力は、私の目の前に居られるライノオス様と御一緒です」
「そんな君達はアンと一緒にいなかったかい?
特にキミだね!」
「よくお分かりで!
昨日はアンちゃんと眠ったんですよ~」
「それはっそれは良かった!
アンは無事なんだね
心配していたんだ、彼女には不義理な迷惑を掛けてしまった」
「安心してください
アンちゃんは貴方を恨んでいません
むしろ凄く心配して、森の中に何度と入ろうとしていました
それを止めるために、私がアンちゃんの代理としてライノオス様の無事を確かめに来させて頂きました
私の力不足で、ここに来るまでに随分と時間が掛かってしまい遅くなったことで事態が深刻になり悔しくて、申し訳ありません」
「ううん
こうやって僕の元まで来てくれたんだ
アンの安否を教えてくれた、それだけでボクは万感 の思いだよ
ありがとう神の遣いの仔等よ
それに君たち運命の勇者らよ」
そう言った次の瞬間にはライノオスを起点にやんわりと優しい風が巻き起り、さっきまで樹木のモンスターが枯らしていたために広場のようになっていた地面に草木が生い茂り始める。
◆
「それにしてもライノオスさんって人だったんですね?
俺ってっきり動物とかなのかと思ってました」
「リョウイチ、ライノオス様に対して呼び捨てとは不敬だぞ!
ライノオス様はこの土地と周辺の守護をかってでてくださり幾く幾星霜の御役目を果たしている立派な主守りの守神様だぞ?」
「いやいや~そんな立派なんて照れるな~
ボクにそんな力は無いよ~この森が好きで見守っていたら、いつの間にか主になっていただけだしボクは人の仔等と遊ぶ事も楽しいし気軽に呼んでくれても構わないよ~」
「そうですか?
だっと言う事だが、リョウイチ!
ライノオス様に対して尊敬や敬意の念を忘れてはならないぞ!」
「クリスさんに私の言わなければならない事は全て言われてしまいましたね」
「ロロウさんはシスターでしたね
これは出過ぎた真似をしてしまいました」
「そんな事はありませんよ
貴女も神に仕える、お仕事をしているのでしょう?」
「そ、そんな本職の方には及ばない程の身勝手・勝手の所業を神託に従って旅出をしているだけの素人ですよ
お恥ずかしい………。」
「話が長引きそうだね
ほっとおいて大丈夫かな?
う~ん、そうだな
ボクの姿のことが気になるのなら、教えてあげるよ~
これはボクの分身みたいなモノなんだ!
本体は彼がタケル君が倒した、あのモンスター達も到達・近寄ったり出来ない場所にあるんだ
そこに今は寝ることしか出来ないんだけどね、ボクが居てね~~
森の外に邪悪なオーラを撒き散らす木のモンスターを出さないように力の大部分を費やしてしまったからなのか、この分身のボクも上手く能力を発動するのに失敗してしまっていたんだ、そこにタケル君が駆けつけてくれたって訳だね!格好良かったよ~~」
「!?
やはり、あの樹木のモンスターはライノオス様の意思とは無関係で外敵だったのですね」
ロロウと、そしてサキも加わっていた女子会から復活したクリスはライノオスに核心を尋ねる。
元凶の真相を語り出したライノオスに目の色を変えて狙いを絞りだした樹木のモンスターが集まりだしてきだす。
それを物ともせずにタケルやマヤ達は間に割って入って敵を切り裂き倒す。
邪魔する悪の手は焦ったように攻撃を荒くして、考えずに迫っては暴れる動物のそれのように知能など無くしたような行動しているように思えてならなかった。
次は13時ですよヽ( ´ー`)ノ




