第61話 牛を連れた女?
前回までの勇そうは?
迷える森の中で一人の神秘的な少女と出会う。
物語は加速しようとしていた。
こんばんは!
ハロウィーンの来襲キャンペーンプロジェクトの第一回は深夜0時からお送りしております。
+α、10/28(金)に前話のタケルと猪の戦いを少し加筆しました。差し障り無ければご確認下ちい
【タケル視点】
タケルの服を掴み離そうとしない少女の握力と執念に驚愕したが、最初から見捨てるなどという選択肢は誰にもなく、食べ物を分け与えるのに躊躇いはなかった。
「いや~~デザートまで分けて貰ってありがとうございますです」
そう膨れたお腹を擦りながら少女は笑っている。
ゾンビのように渇れた声や頬は人間らしさを取り戻し、今は水をがぶ飲みしている。
「おいおい、全部飲むなよ!?
俺達の分も残してくれよ?
じゃないと調達するのに村に戻んなきゃ行けなくなる!」
そんな様子を眺めながらタケルは思案する。
編み込みをハーフアップにした明るい毛並みの茶髪に白銀の瞳。
服装は村の人達が着るような気軽な物の上に安物そうな革鎧を被っているだけ。
武器も何も見当たらない、そこでタケルは有ることを思い出す。
この森に入る前に立ち寄った、数日前の村での出来事を……………。
◆
そこは【プパンの村】と言い、タケル達が今いる森の周囲の近くに何個かある村の1つだ。
マヤ達、大人組が食料や飲料水の確保をしている間にタケル達はある女の子に出会い、話を聞いていた。
その少女アンは村から森に入ろうとしていたが、それを村の大人に凄い剣幕で怒られ止められていたからだ。
タケルは事情を聞いてみるために近寄る事にする。
「今はこの【ラオスの森】は危険でね~
立ち入りを禁止しているだよ
ここ1ヶ月前、もっと前だったから2ヶ月くらいだったかな?
いきなり霧が発生しだしてね!
森の主様の怒りに触れてしまったって老人集は騒いでるけど、真相は分からない
俺たち若い働き手に分かってるのは今じゃ狩りも出来ないくらい危険だから今までとは遠回りにはなるけど別の森に狩猟に行かなきゃならないから大変って感じかな
あの子には悪いけど、森に友達でもいるなら手遅れだと思うよ」
仕事中の仲間に呼ばれて男は後は任せたと言い、小走りに去って行く。
泣いていた女の子にサキがお菓子を渡すとその娘は喜び、パッと笑顔になると "内緒ねっ" と前置きしてから理由をぽつぽつとではあるが話してくるのだった。
「わたしね、森の主のライノオス様に助けて貰ったことがあったんだよ
それから村のみんなには秘密でライノオス様と遊ぶようになってね
それで森に行ってたの、でも約束の場所にいつもと同じ時間になって、ずっと待ってても来なくなっちゃって
そしたら霧が出てくるようになって
心配で居ても立ってもいられなくなって朝早くに起きてライノオス様を探そうとしたの!
でも大人の人に見つかって危ないから霧が収まるまで、もう森には入っちゃダメだって言われて
そしたらウシを連れた、お姉ちゃんがやって来てね
わたしの代わりにライノオス様を見てきてくれるって言ってくれたの!」
「ウシを連れた女の人?」
「うん!
家の食べ物いっぱい食べた後にウシさんをわたしに預けて出掛けていったんだ」
さっきまで元気に答えていた女の子は又、泣きそうになり下を向く。
「もしかして、そのお姉さん!
帰って来てないの??」
「うん
もう、ずっと帰ってきてないんだ
だから、わたしが!
今度はわたしがお姉さんを探すの!!」
「分かった!
君の代わりに僕たちが、そのお姉さんを絶対に見付けるよ」
「ほんとう?」
「本当だ!
そのお姉さんの名前や特徴は覚えてるかな?」
「ううん
全部は知らない、でもわたしの名前を聞いたら一緒だねって頭を撫でてくれたよ
あとは凄く美人で背が凄い高かったよ!
家くらいあったんだ!」
「そうなんだ
きみの名前を、教えてくれる?」
「いいよ、アンだよ!」
「ありがとうアンちゃん!
お家に帰って、お姉さんのウシさんのお世話をお願いね」
「うん!
お兄さんたち
絶対だよ、絶対お姉さんを連れて帰ってきてね!!」
「約束するよ」
僕たちの事を何度も見返しては手を振っているアンちゃんに安心させるように言ってから帰るように言って、別れを告げて僕達3人は相談をする。
彼女を元気にさせるだけのその場しのぎの嘘にしないために僕達は動きだした。
◆
「まずは聞き込みからだな」
「何時、森に入ったのか?
日にちを言ってなかったから、まだ生きてるかはそれで微妙になってくる」
「それに身長も真偽は怪しいわね
子供の目線からだと大きく見えてしまうかもしれないし!」
「そうだね
それを踏まえて聞き込みをしよう!!」
「ちょっと待てぃ!
勝手な行動は慎めっつったよな
まったく、俺達が居ない間に勝手に騒動に頭を突っ込みやがって~~」
「依頼です
あの女の子に依頼されたんです」
「依頼ねぇ~?
じゃっ仕方ないなっマヤ!
乗り掛かった船だ!
行こうぜ!?」
「ジュンディー、黙ってろよ
話がややこしくなる」
「っんだとコラー
アルコール中毒者がーーー!」
「こうなるから面倒なんだよ!
果物やるから静かにしててくれ」
「おう!わかった~」
「僕の個人的な判断と責任です
僕っ、一人で行きます!」
「おっ、オイ!?
タケル?
何、言ってんだ!」
「そうだよ!?
タケルだけ悪いなんて事ないよ!
私達も一緒に行くよ!!」
「ったく、待て待てっ!
行かねぇなんて言ってねぇだろがよ
早とちりすんな!
まぁ、ちょっと独断が過ぎるが、お前は一人じゃないんだ
俺たちは仲間だろ?クランだろが!
だったらリーダーはリーダーらしく偉そうに命令すればいいんだよ!!
連いて来いってな!」
そこからマヤ達も加わって村の人達に目撃情報を聞いて周ると、残酷な状況が浮き彫りに出てきた。
「40日くらい前だったかな?」
「そうそう、フラッとやってきて、ヨンさんとこの娘さんのアンちゃんと話をしてから昼まえには森の中に入っていったよ」
「無茶だって止めようとしたけど、有無も言わずに駆けて行ってしまったよ」
「帰ってきて無い事を考えると……………」
「なんの準備もしてなかったし残念だけど、もう………」
村の住民は、その先の言葉を噤んだ。
タケルはこれが報酬などが得られる依頼では無い事を分かっていながら、一人の女の子ために、せめてでも遺体を発見し持ち帰る・遺品を少しでも探すことを決めるのだった。
◆
そういて捜索へと森に入ったのも束の間、僕達は謎の霧が原因なのか方向感覚が狂ってしまい遭難しかけていた矢先に、この少女に出会う事になる。
思考の海から戻ったタケルが気になった事を聞いてみるまでの時間はそう遅くはなかった。
「あの、もしかして貴女はプパンの村でアンという女の子に会っていませんか?」
「もしや、あなた方も?
私はクリス・ボニーと申します
この度は助けて頂いて感激です、あのままだと確実に御陀仏でした」
「まさか例の女性が、この人なのか?」
「例の女性かは知らないですけど、多分そうです!
名前が同じだったんで意気投合して仲良しになっちゃたッス!!」
「えっとでも、今っクリスさんって、おっしゃいませんでしたか?」
「それは複雑な事情があるスけど、簡単に言えば通り名とかアダ名・二つ名みたいなモノで、私はよくアンって呼ばれてて
イヤじゃないし呼ばれる事を誇りに思ってるくらいです」
「そうでしたか、そんな事とは知らずにスミマセン」
「問題なしっス!
でもだからアンちゃんに会った時は嬉しくなって協力したい、助けたいって思ったス」
「ほんとに、本当の本人なのかよ!?」
「これはたまげましたね~」
「あの村からも山1つ半は越えてるぜ?」
「ライオスの森からも幾分か逸れていると思いますよ?」
「自分、方向音痴なので
そういう皆さんは、またどうして?」
「アンタを探してたんだよ
っと言っても、その俺達も迷子になってたんだけどな?」
「それはビックリッす、ダブルで驚きっすネ~」
「だが、ここに居続けるのはよくない
霧が邪魔で、これ以上の無謀は危険だ!」
「へ?
霧なら私、消して歩いてましたよ?
この霧は吹き飛ばしてしまいましょう!」
当然でしょ?と言わんばかりに首を傾げた後にサキに手伝って貰って立ち上がるとお礼を言ってから息を吸い込むと、右腕を優しく地面に押し当てる。
すると拳を中心に風が巻き起こり、霧が追いやられていくのが目に見えて分かる。
「っでもコレ、一時的なモノで元凶や理由が分からないので、また元通りになちゃっうんスよね~
面目ないです」
「おぉ~
これなら、スキルの不調も元通りです
所どころにマッピングに穴はありますけど、村に帰る分には問題ありません」
「分かった!
よし、プパンに戻るぞ!
いいな、タケル?」
「は、はい!ありがとうマヤ!!」
「フン!良いってことよ!」
「よかったスねぇ~
これで私も帰れます」
「道中の霧払い、お願いできますか?」
「勿論ッス
でも、申し分ないですけど……………」
「食い物か?
安心しろ、もう帰るだけだからな!」
「遠慮はして欲しいけど、出し惜しみは無しだぜ!」
「その言葉を聞けて感激ッス
それに私!遠慮や自重は得意分野です!!」
ロロウさんに回復魔法を掛けられつつ、クリスさんはパンを頬張って両手にはハムとチーズを掴み離すのを止めはしなかった。
このペースなら夕方前には食料は失くなり、プパンの村に着く頃には何も残っていないだろう。
次は丑三つ時!
三つッなのに二時なのが不思議だーーーー!!
でも何かカッコいいから決定だ!
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(⌒0⌒)/~~




