第48話 昔々、美しいお姫様がいました
前回までの勇そうは?
タケルはやっと異世界での目的である魔王打倒のための授業や戦闘訓練が開始される事になった。
ミニコーナー再開!
第一回の今回はちょっと多め(☆∀☆)
勇者の異世界日記
この世界にやって来て9日目
午前中の授業に今日はエリザベス姫が参加すると言い出して僕の隣に陣取る。
失礼がないように気を使って授業どころじゃ無くなってしまう。
12日目
サキは聖属性の適正が高く、それ用のスキルも多く選んだため専用の講師を呼び個別に教わる事になっていたのだが、その適任者がおらず一般的な知識しか知らない講師が一様の担当だったが、本日やっと教会から派遣され人物が到着した。
これでサキも安心して聖属性や白魔法を教われるようになった。
16日目
リョウイチが脱走して僕ところに逃げ込む、何をやってるんだが。
なんでも盗賊職は戦闘の訓練の前に、気配や足音の消し方から殺気の関知など、難しい訓練ばかりで気が滅入るからだとか。
たしかにそれを聞く限りでは、ずいぶんと大変そうだ。仕方ない、バレるまではここに居ていいよ!
21日目
今日からは訓練メニューが一段回、次へ上がると説明される。
ゴブリンをバルゼンさんの魔法で召喚して魔物との戦闘の練習をする事になった。
一時的に使役する形なので、相手がこちらに反撃してくることはないらしい。
小学5・6年ぐらいの子供の背丈だ。剣で斬り付ける殺すように言われる。
倒した後に流れる血を見て、斬った時の感覚や、手に伝わってくる感触で吐いてしまう。
僕は数日休みを貰うことになった。
あとから聞く話だと僕以外にも倒れた者や体調不良になった人は、それなりの人数はいたようだ。
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昔々あるところに、それは美しいお姫様がいました。
この姫様は男女問わず羨望を集め憧れられます。
求婚も絶えず、彼女はそのどれもに良い返事をしませんでした。
てすが急に隣の国の王子と結婚する事になりました。
男たちは絶望しました。
しかし結婚のまえの雨の日の夜、突然やって来た怖い魔女に呪いをかけられてしまいます。
それは世界中の悪感情を、その身に受け宿すという酷いモノだったのです。
各国の王族や貴族は姫を助け、その見返りに姫を我がモノにするためっと動き出します。
婚約者である隣国の王子は焦り、各地を周り、何か呪いに効く物はないかと探しだします。
皆の努力を嘲笑うかのように姫の呪いは時間の経過に合わせて悪化していきました。
姫を飲み込みこまんと感情は深刻に心を抉っていくのです。
焦った王子は姫を独占するという欲に駆られ出してしいます。
姫は噂を聞き付けて単身、近くに住んでいるという何年も生きているドラゴンに会おうとしましたが、それは隣国の王子の反感を買ってしまい、姫は高い塔に幽閉されてしまいます。
このまま1人、死を迎える事に恐怖し苛まれた姫は塔から飛び死を選ぼうとしましたが、そこにドラコンが現れて最後は忽然と姿を消してしまうのでした。
自分専用に与えられた、それなりに広い自室のベッドで童話ような本を読み終わる。
この御伽噺話が本当のことなのかは僕には分からない。
でも今の優れない気分の時に読んでしまって更に気分は落ち気味だ。
最悪といっていい。この釈然としない感情とマッチしている。この物語の結末は僕の未来を予想しているかのようだ。
訳の分からない状態で異世界に召喚されて、分からないままに敵と戦えと言われる漠然とした目的。
理不尽で身勝手で利己的な悪の感情が全てを包んでいるかのような濁った世界、大人は己の思いのままに利益を求めて支配しようと蠢いている。
犠牲にされている、当人である僕は億劫で、思考は黒く染まり感情もそれに比例して良くない考えに落ちていく。
このまま、ここで誰とも会わずに死んでいきたい。
そんなダークな願望に傾きつつあった時、ドアが大きく開けられる。
「タケルっ!大変っっっ!!」
「サキ!?どうしたの?」
「タケルと同じ班の男子と魔法使いの班の男子がケンカしてる!!
あの感じじゃあっ!
殺し合いに何時発展しても、おかしくないよ!!」
「分かった!直ぐに、、、一緒に行こう!!」
「、、うん!
良かった。いつものタケルで!」
ドアを出て廊下をサキと一緒に走る。
「大丈夫だった?
聞いたよ。魔物とは言っても生き物を殺したんでしょ?」
「う、うん」
「私は戦闘訓練が遅れてるから、まだそこまで進んでないけど、、私も、そのゴブリンってのを殺さなきゃいけないんだもんね。」
「そ、そんだね、出来るならサキにツラい事はさせたくない、それが僕の本心だけど、」
「違うよ!タケルにだけ、悲しいことされたままじゃいられないよ!
それにもし、タケルやリョウイチが危険な時に、ゴブリンを殺せる覚悟が無くちゃ、助けられないでしょ!」
「サキっありがと、ごめん」
「なんで謝るの?
こっちこそありがとう!」
☆
着いてみると模擬戦用のステージに野次馬が出来ていて、その中央には二人が対峙していた。
あれは異世界に召喚された初日に握手が出来なかった彼、日向生 虎君と、その彼の知り合いの三上 勇輔君だ。
二人は既に一触即発の状態だ。
講師のテオンさんが去っていくのを尻目に急いで二人の間に入る。
「よ、止さないかっ!!」
「何だ?てめぇ?邪魔してんじゃね~よ!
優等生がヨぉーー?
吐いておネンネしてたんじゃね~の~~!?」
「…お前には………関係の無い………事だ……。
…どけ…………。」
それからも何とかして彼等を止めようとしたが、それはかなわず、油を注ぐ結果になってしまう。
「日向生の次はてめえをボコってやるよ!!」
「……うるさいな……。……早く……掛かって………来いよ……。」
数分後、立ち尽くす僕と、倒れて呆然とする彼。
それを見て、僕の中で後悔が渦巻く。
これはどう観ても僕のせいだ。原因だ。
僕がうまく立ち回れていたら、早く来れていたら。
二人はこんな事には、結末にはならなかっただろうか?
自室での不安も考えはまとめらない、依然これで良かったのかも最善かも知らない。
この世界の闇も、大人の事情も全て分からない事だらけだ。
でも決めたっ。
僕を襲う全てを退けたとして元の世界に戻れるとしても、戻れなくても、勇者の仲間を見捨てたり、死なせたりはしない。
正しいかどうかなんて関係ない。出された道が間違っていたとしても、一筋の光が見えるのなら、それを目指して僕は挫けないし諦めたりは、もうしない。
僕は魔王を必ず討伐する!!
良いね
好評化、星5
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