第42話 外伝 ララーシャの場合
プリンセス~姫~それぞれの秘め事
2022年の4月10日に別の枠としてスピンオフという形で投稿していましたが今回、本編と統合・融合する時にしました。
それに伴い加筆などを行ったので改めて宜しくお願いします。
話と話の間に急に割り込んでしまって変な感じになりました事をここに謝罪します( ノ;_ _)ノ
今後も外伝としてプリひめシリーズは時々続いていく予定です。
残りの二話もこの次の話ではありますが投稿するつもりです少々お待ち下さい。
時系列は1話から14話のあいだになります。
姫達の女性達からのもう1つの物語。
ヴァレンやタケルと出会った事で起こる彼女たちの秘めた心・秘めた想い、そして変化と成長に恋(?)の未来へと紡ぐ物語。
番外編もしくは補足的なスピンオフ、ヒロインたちの視点で語られる明日・昨日を越えた、踏み出すためのアナザーストーリー
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【ララ視点】
昨日は母の命日だった。
そして次の日、いきなり父の命日になった。
私達3姉妹はこの日、世界で家族は3人だけになってしまったわけだ。
それも父を殺した張本人が新しい魔王の座に着くなんてっ!?
それに私達の夫になるのだからジョーダンもここまで来れば笑い話としても最低だろう。
◇
ダイニングルームでいつもの様にディナーをしていた。我が家の数少ない決まり事のひとつで食事だけは家族が全員揃ってすることになっている。
始まりは母が無くなり沈みがちだった私達姉妹のために父が私達を元気にするために仕事を早く終わらせて一緒に食事をしたのが最初だった。
それが今では何が有ったしても朝昼晩には必ずここに集まってお互いの近況なんかを話ながら食事をするのだから不思議だ。
そんな楽しい恒例行事を妨げたのは、執事長のジャック・ジャック・スペンサーだった。
いつもは礼儀正しく走る事も、ノックを忘れる事も無く、物静かに、いつの間にか横に居る、そんなイメージさえ纏っていたあのジャックがいつもは整えられた髪を乱れされて息を荒く吐き、膝に手をやり途切れ途切れに父である魔王に報告するのだから、これだけで一大事なのは明白だろう。
私はいつもは禁止している親しい者への超感覚共鳴を発動した。
しかしジャック本人が動揺していたためか上手く要領は得る事が出来なかった。
ジャックが見て来た映像もブレていたりと、ほぼ分からず仕舞いでしか無かった。
スキルの副作用といえる弱点で私はジャックの強い悲壮感や恐怖に当てられ気分が酷く悪くなってしまう。
それに気付いた三女のソフィアが近づいて来て、私の背中を擦り始める
「ユニーク。使ったんだ。大丈夫?」
「ありが、とう、、そう、、、、だけど、、、、」
「ヒドイ。状況?。」
「、、分からない、、、ジャックも、、混乱してるみたい、だから、、、」
そこで父が私に優しく諭す様に話す。
「ありがと、ララーシャ!でもその力は強大過ぎるよ。
多様しないようにね!
これはボクとの約束だろう」
どうやら父もジャックの報告からは、あまり情報は聞き出せず状況的にも要領を得ておらず、私と同じか口頭のためそれ以下かもしれない。
「とにかくジャック、ボクが行くよ!
その侵入者は十中八九っ魔王であるボクが目的だろうからね。」
「ではっワタシもお供させて頂きたい、父上!!」
長女のエマが食って掛かる。
「ダメだよ!キミにはここで待って居てもらう」
「ですがっっ賊が既に城に居るのですよっ、警備の兵士だけでは心許ない、、それに今日は任務等が重なって丁度、四天王は揃っていないのですからっっ!」
「だからこそ!キミには、エマには!魔王軍の1人として、姉として、家族を守ってもらいたいんだ!!」
「それはっ!!!しかしっっ!父上っ!!」
「ダメかな?
ボクは君達までもを失いたくないんだ!
ボクのワガママだけど、聞き入れてくれないかな?」
そんな事を言われたら誰だって、もう食い下がれない、しかもそれが敬愛する父親からならば尚更だ。
「仕方ありません!
ワタシは父上の命を受け、家族を何が合っても守ると誓います。」
「うんうん!
でもキミ自身の事も蔑ろにはしちゃダメだよ?当然ね!」
「はっ!了解いたしました、父上。」
まったく、何なのよ!この茶番はっ!
これだからエマは、ここぞとって時に信頼に欠けるのよっっ!!
痛む頭を手で支えながら私はため息が出た。
「ジャックっ!!
娘達も頼む!!何か合った時は、、、、後を任せたぞ!」
「はっ!
・・・・ですがっ、、、。」
「大丈夫だよ!
そうそう何かを起きさせはしないからっ!ボクはこれでも魔王だからねっ!」
そう言って父は5階に通じる扉の前に行くと扉の近くにあるチェストの上に置いてある物に手を掛ける。
前のみに仮面が施された鉄の被り物を取り、顔に装着していく。
そして父 '' エボルト・サタン・スカーレット '' はドアノブに触れて扉を開けると蝋燭だけの灯りの暗闇に姿を消して行くのだった。
これが生きた父を見た最期になるとも知らずに。
◇
あれから一時間程がして、業を切らした長女のエマは父の元に向かう事を決めた様だ。
今も揺れや地響きは続き戦闘の音が聞こえてくるので父が生きてることは確かなのは確認出来る。
なのに行くと言って聞かないのは肩書きだけの姉だ。
正直に言えば私だって行きたい気持ちはあるっ!
でもアンタは父親からの命を果たすって言葉はどうしたのよッ!?
体調の悪い私と、それを看病しているソフィアは行けないし強く止める事も出来ない。
何よりも、いつもはソフィアの方が体調が悪くて私が看病をしている事が多い関係上っ、完全に立場が逆転してるのは次女として不甲斐ない気持ちにさせられるのだから、もうやってられない。
私が考え耽ってしまっている間に、どうやら本当にエマはジャックを連れて父の所の元へと行ってしまったようだった。
◇
あれだけ激しかった戦闘の証拠は静かになり聞こえなくなっていた。
少ししてジャックと共に戻ってきた。
パパは死んだと言う報告は私を、どん底に叩き落とした。
そして次の瞬間には姉は別の話を、意味が分からない事を、のたまい始めた。
まったく意味が分からない。
しかも魔王を継承した!?
巫山戯けてるのかと奇怪しくなったのかと思った。
あんなに嫌がっていたのに、魔王であるためにママは死に、そして又、魔王であるためにパパも死んだ。
それなのに、どうして魔王になろうなんて思えるんだろうか?
理解出来ない。
数時間まえのジャックより要領の得られない興奮しているエマの口から出てきた言葉を聞いて耳を疑った。
正気さえも疑った。
猫とか意味分かんないンだけど!何よっそれっ!
なによ!
それは!!
ホントに意味が分からないじゃないっ!!
私はやりきった満足感のようなスッキリとした顔のエマにイラつきを覚えて睨み付けながら、記憶を読み取る。
そこにいたのは猫なのに漆黒のマントに着飾って、頑張って偉そうにしゃべっている灰色の猫だった。
かわわわわわわわわわわっっっ!!!!!!
肉球っっっうウ!!!
もふもふモフモフ
そして私は鼻血を出しながら後ろに倒れた。
バタンっ!
その一瞬だけは父のカタキだとか、どうしようも無い苛つく感情を置き去りにして私は小さい毛皮に悶えてしまった。
仕方ないわねっ?
パパの遺言だから、魔王になるのは認めてあげなくもないかもね?
でも私はまだ許してないから!!
だから、まずは会わなきゃよね?
最初は会ってからじゃない!?それからよね??
行くわよアンタ達っっ!!




