写真とキスの味
写真撮影をしようということに半ば無理やりしたけれど、彼女の可愛さを最大限に引き出すにはどうするべきかと私は頭を悩ませる。
「ちょっと照れるね…‥」
「む~~、可愛すぎて取り辛い……。くう~~~」
「えと、雑誌の写真集とかでよくある格好でいいよね」
そう言って彼女は四つん這いになって、上目遣いに見上げてくる。
かすかに見える胸元が、まだ小ぶりだからこその胸元が、その格好の破壊力をあげているようだ。
私はなんてものを拝んでいるのかしら……。
「私の前以外じゃその格好はしちゃだめだよ」
「え、あ~うん。恥ずかしいし、やらないよ」
「そう。ならいいけど」
「それじゃあ、取り始めるよ」
「うん」
パシャパシャとシャッターを切っていく。
時折夏希はポーズを変えて、猫のようにお腹を見せてみたり、かっこよく足を組んで座ってみたり、そしてネタが付きてきたころ夏希は一緒に撮りたいと言い出した。
「並んで撮る?」
「それも撮るけど、抱き合っている感じのも撮りたいな」
「よし、撮ろう」
私は夏希の後ろに座り、彼女を抱き寄せた。
彼女の体温が直に伝わってきて心地いい。
「写真撮ったらそれ送って」
「わかった。まとめて渡すね」
「うん」
カシャ。
夕日が差し込む静かな室内にシャッターを切る音が響く。
心臓の後がうるさい。今は写真撮影の時間だ。
「胸揉んでみる?」
「えっ……」
考えていることが顔に出ていただろうか。私は少し焦りながら
「なんで?」
と聞き返した。
「澪の胸の音が大きくなってるから。それに私も澪のおっぱいの感触感じたし……」
「えっと、じゃあ……」
「キスもするんでしょ」
「こっち向いて」
「ん。ふう、ん……」
水着越しに胸を触ってみる。自分以外のを触るなんて生まれて初めてだから、より丁寧により優しく、それでいてちゃんと触る。
彼女の息遣いが、荒くなるのを感じるたびに、いかがわしい思いが強くなる。
私の性欲って人より強いのかもとか彼女とキスをするたびに思う私がいる。
「キスもするよ」
「うん」
一度胸から手を離す。
理性の飛ぶ瞬間なんて考えればいくらでもあるけれど、相手を巻き込んではやはりためらわれる。
「私小さいから、満足できた?」
「大きさは関係ないかも……。でも私もヤバいから、これは今日限りかな」
「え~~」
「キスはいくらでもするから、ね?」
「澪がいいならいいけど、じゃあ最後に、私にも触らせて」
「いいけど」
「やったぁ!!」
夏希が私の方へと向き直り、手が胸へと向かう。
心臓のドキドキが止まらない。
彼女の手が触れる。
「おお~~。弾力すごっ!」
「そ、そうかな…………ねえ、もういい??」
「もう少し」
「ね、ねえ……」
彼女が触るたびにその体温が私の中に浸透するように、幸せが広がる。一度キスは止めているけれど、これでは私の方が持ちそうにない。
「堪能した~」
「はあ……」
「んん!!?? 澪!!?? ん、ん~~~」
「はあ、甘いね。おいしかった」
「はあはぁぁ。ちょっと最後のなに!?」
「私が満足するまでいいって言ってなかったっけ?」
「言ったかな~」
夏希は疑いの眼差しを向けてくるけれど、目が合うということは面と向かっているということ。
ということは、いますることは一つしかない!
「いただき!」
「あ、うう~、ん~~」
「満足しました。……顔真っ赤だけど、だいじょうぶ?」
「澪、はげし……なんか、酸欠な気がする~~」
「私も~~。幸せすぎてくらくらするかも」
そう言って二人して床に倒れた。火照った身体に床の冷ややかな温度が気持ちいい。今日はよく眠れそうだ。
私は、彼女を幸せにできるだろうかと夏希の笑顔を見つめた。
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