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天才は偽りの世界を壊すようです  作者: イヌガミララ
第1章入学試験のようです
1/1

入学試験のようです

世界は、平等じゃないことで平等だ。


人間は生まれ持っての不平等だ。しょう害、家庭の金銭的経済事情などなど変えようのない現実を生まれた瞬間に事実として突きつけられる。


そしてこの国、イーストヴァルク帝国は、実力至上主義を掲げた国家である。


なのでこの国の方針は単純明快。


使えそうな人間であれば使い、使えぬものは捨てる。____その一点に尽きる。_____



暑さで目が覚めた。


何かが燃ている音がした。


「もう朝?、、」


え、けどまだお外くらい。


ベッドから起き上がり自室のドアを開ける。


ドアの向こうは、轟々しく煮えたぎる炎に包まれていた。

火事だ。


父上と母上を助けないと!瞬間的にそう思った。

走った。


母上と父上の部屋まで。


だが母と父のいる部屋が開いている。


少しだけドアが開いていた。


ドアの前まで行き部屋をのぞいた。


「、、、これは、、父上、、母上、、」


父上と母上は床に寝ていた。


だが母も父も首がなかった。


動体だけが、床に転がっている。


普通の8歳の子供は両親が殺されている場面に遭遇すると普通泣きじゃくり我を忘れてしまうだろう。


だが俺はそのときそれ以上に恐ろしいものを前に泣きじゃくることが出来なかった。


そこには、とてつもなく巨大な体が立っていた。


そいつの右腕には母上と父上の頭を髪をむしるように持って顔の前まで持ってきていた。


何か話していた。


そのとき俺には気づいていなかった。


ドアの隙間から見えたあの顔、忘れはしない。 


あの顎だけをわざわざ尖らせた不気味な笑顔が刺繍されたマスク。


そしてとんがった狐のような目に白髪の髪がとんがった異様な髪型。


がたいはとてつもなく大きく筋肉質全体に鎧をきていて両手は火に包まれていた。


肩には、誰もが知っているマークがあった。


イーストヴァルク帝国の国旗だ。


特別宮帝警察 別名(死刑執行人)


そんな物を見たら普通の少年、少女は、泣き叫んで見つかって殺されていただろう。


だが俺は、そんな単純な恐怖には陥らなかった。


憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪憎悪・・・・・・・


ただ憎い。


殺してやりたい。


だが今の俺にそんな力はない。


今は殺せなくても、いつか絶対、復讐してやる。





父上は公爵どういう立場で普段から帝国の重鎮を担う役職だったようで、それは絵に書いたような厳格な人だった。


父上からよく聞いていた。


「帝国はなりふり構わず権力を公使している。ここで生きていくには、確かな実力を持っていないと生きていけないぞ。カイラ。」


口癖のように言っていた。


母上は、常に笑顔だった。


父上は威厳がありとても誇りだかい人であったが母上は正反対でドジで天然で楽しい人だった。


そんな人たちをこうもむごく殺していい訳がない。


何か、国にとって都合が悪かったから暗殺とういう手段で殺したのだと思う。


この国は間違っている。



この時誓った。




齢8歳にして、両親を亡くし家も地位も失い、それでもめげず、この帝国という間違えだらけの国をぶっ潰してやると。






ーーーーーーーーーーー7年後ーーーーーーーーーーーーー


俺は、カイラ・フォン・アルジェリアだ。


と言ってもこれは本当の名前じゃない。


父上はもともと公爵家のクライシス家の当主だった。


いわゆる三大王家にあたる王族であった。


だがあの日帝都で暗殺されクライシス家は消え去った。


そして、そのとき俺も死んだことになった。


だが、三大王家にあたるアルジェリア家が俺を息子として手引きしてくれた。


エギル・フォン・アルジェリアがその後の俺の父親ということになった。


そして、俺には1つ上の姉が出来た。


「カイラ、なにずっとぼーっとしてるのよ!」


そう、このいかにも公爵家の令嬢という金髪でドレスを身にまとったこのお嬢様が俺の姉になった、アリス・フォン・アルジェリアだ。


「少し昔の事を思い出していただけです。」


「それにしても今日は一段と気合いの入ったドレスですね。」


「そうでしょう?このドレスは昨日、お父様が舞踏会用に買ってくれたのよ!」


「舞踏会今日じゃないですよね?」


「試しにきてるだけだからいいの!で、どうかしらこのドレス!」


「お姉様の金髪の髪によくあった色でとても美しいですよ。」


「そ、そうかしら。、、ふふっ!」


少し顔を赤くして小走りに廊下をかけていった。


正直に言おう。お姉様は可愛すぎる。


今は姉弟という関係だから言えないが結婚したいくらいだ。


まぁ、そんなことは永遠にお姉様に言えないだろうが。


俺は明日、帝国立ゼートゥーア魔術学院の入学試験を受けに行く。


俺はこの日のためにありとあらゆる努力をしてきた。


家を襲われてからというもの、アルジェリアの屋敷の図書館にて勉学に励み続けてきた。


この世界の魔術は魔導技術の略称であり魔術とは、今から丁度300年前に科学的に証明された術である。


人間や生物が直接使用できる訳ではなく、魔道具というものを通してしか使用することが出来ない。


基本ひとつの魔道具にひとつの魔術しか使えない。


魔術の中にも科学的に証明されているものと証明出来ていないものがあり、今のところ証明出来ている種類は火と水と風と光だけだ。


今も研究中の闇と土とその他の種類などは出来ていない。


その中でも1番熱心に研究されているのが時間魔術だ。


ただ、図書館にある本はどれも魔道具の作り方や他の魔術の論文が一切ない。


あるのは上辺の情報と科学技術についてだけだった。


魔道具も存在していると本に書かれているだけで実際に持っている人間は宮帝魔導師や、宮帝警察だけだ。


そして、俺があした入学試験を受けに行く帝国立ゼートゥーア魔術学院は、その宮帝魔導師や宮帝警察になるためにはここに行かないとなれないのだ。


もちろん、俺の父上と母上のカタキであるやつの所属していた特別宮帝警察にも入る事ができる。


しばらくして、扉の方からトントンとノックが聞こえた。


「失礼いたします、カイラ様、そろそろ夕食の時間でございます。」


メイド服を着た黒髪のショートカットの女の人が現れた。


「ああ、わかったよ。」


このメイドはリーナだ。


めちゃくちゃ巨乳だ。


別にそういう意味ではなく、いままで見てきた女性の中で1番胸がでかいと言いたいだけだ。


それにしても、このデカさは罪だ。


ああ、だめだ。


俺は何を考えているのだ!


「カイラ様どうかなさいましたか?」


「い、いや別に何も。」


危ない危ない、俺は一応純粋無垢な貴族として通しているんだからな!


決して顔を緩めてはならない!


昔から慣れているだろう!!!


よし、こういうときはセバスのしわくちゃな顔でも思い出して冷静になろう。


、、、よし、、大丈夫。


「カイラ様?」


むっ、なんだ!その上目遣いからの乳見せは!!!


よし、ここは冷静に応答を!


「な、なんでもありません。」


あー!少し噛んだ!!


てか変に敬語になったーーー!!!


そして、リーナはきょとんとした顔でこちらを見て


「そうですか。」


そう言ってニッコリとこちらに笑いかけてきた。


逃げるように階段を降り顔を緩めるのを頑張って抵抗して椅子に座る。


そのには、エギルお父様とナタリーお母様とアリス姉さんがいる。


「カイラ、明日はゼートゥーア魔術学院の入学試験だが、勉学は大丈夫なのか?」


「勉学の方は大丈夫です。お父上が心配することは何もございません。」


「そうか、明日は頑張るのだぞ。」


「はい!頑張ります!」


そう、この人はアルジェリア公爵家、当主エギル・フォン・

アルジェリアだ。


この人はとても優しく、家族思いな人だ。


「お母様!このドレス、お父様が舞踏会用に買ってくれたのよ!どうかしら!」


「あらあら、可愛い赤のドレスですこと!」


「ふっふーん!!」


相変わらずノーテンキで天然だな。


それがアリス姉さんのいい所でもあるからなぁ。


「そろそろ、もう寝ます。」


「そうか、カイラ明日は頑張るんだぞ。」


「はい。おやすみなさい。お父様、お母様。」







入学試験当日。






帝都ヴェルヘビアの街はとても良い。


いづれこんな所抜け出してやりたいが平民は常に笑って楽しく過ごしているんだろう。


貴族なんかに生まれるんじゃなかったなぁ。


「なんれ、あの人髪の毛白いの??」


そう子供が俺の事を指さして言った。


「そんなこと、言うんじゃありません!」


言った瞬間にその子の母らしき人が前に出てきた。


「申し訳ありません!うちのバカ息子が。」


「ああ、大丈夫ですよ。この髪色は意味嫌われてますし。」


この髪色は言われ慣れている。アルジェリア家に行くまでいつも外出はフードを被っていた。


アルジェリア家に住み始めた時からエギルお父様が髪の毛を隠すなんてもったいない、と言われてから外出するときも髪を出してきた。


やっと、校門か、でかいなぁ、学院。


「入学試験受付はこちらでーす!」


あそこか。


「はい、お名前は何でしょうか。」


顔が歪んでるなぁ。


やっぱり俺の様子だよなぁ。


「はい、カイラ・フォン・アルジェリアです。」


「へ?、、あ、失礼しました!カイラ様!、お待ちしておりました!み、右のろ、廊下をお、お進みください。」


やはり受付を間違えたようだ。貴族はあちらの受付だったようだ。


平民と貴族を分けて試験を行うようだな。


ここの教室で試験の筆記を受けるのか。


よし。


そしてドアを開けて入ったはいいが、、、


「あの人髪の毛白いですよ。」


「あ、あの人アルジェリア公爵家の、!!」


ああ、視線が痛い。


やはりこうなるか。


ここが俺の席か。


よし、張り切っていくか。


そう、言っている時間にこの学校の先生の人が来た。


「君たち席に着いてください。」


「知ってると思いますが座学は5教科あります。」


「数学、化学、物理学、技術学、そして帝国語です。」


「では、数学から始めます。」


そして、5分としないうちに鐘がなった。


「では、始めてください。」







あー、やっと終わった。


といっても、一教科30分しかないのにあの難しさとはな。


貴族と平民で試験の内容も違うのだろうか。


「試験めちゃくちゃむずかったなぁ!」


「分かるわぁ!あれはない!」


「てか、あの数学の問題分かったやついるのか??」


なんか馬鹿みたいに大声で話してるやつがいるな。


数学は難しいは難しかったが、全て解けたぞ。


貴族という恵まれた環境に育っているというのに勉学に励まなかったのか。


「わたくし、全くのさっぱりでしたわ。」


「とても難しかったですわね。」


あんな箱入りな貴族もこの学院を受けているんだなぁ。


まぁ、確かにここは魔術学院といっても法学科と科学科もあるしなぁ。


お嬢様でも、法律関係を学んでおきたいのだろうか。


この帝国は情報統制というものが凄いからなぁ。


法律や魔術に関してはヴェルヘビア城の禁書の棚にすらなかったからな。


「では、引き続き、魔術科の受講者は、実技に移ってもらう。」


「すなわち剣術の試験だ。」


「修練場まで来なさい。」


よし、次は剣術か。


この日のために体づくりはしてきたからな。


いい所までは行けるだろう。


で、俺は修練場に来ても相変わらず、周りから避けられているなぁ。


「皆集まったようだな。」


「では、剣術だが、リーグ戦をしてもらう。」


「今回の魔術科受講者の人数だが、125名ということで貴族はベスト16、平民はベスト4で筆記関係なく合格とする。」


筆記は難しい問題だったからな。


と言ってもリーグ戦は聞いていなかったな。


やはり貴族と平民には同等の基準はつけないのか。


これは裏で根回しした貴族がいるかもしれない。


だがしかし性別関係なしにするのか。


まぁたしかにこの学校に入学して卒業したら宮帝魔導師か宮帝警察に入るのだから男女関係なしの実技になるのは理解できる。


この実技の試験はこのリーグ戦のみだ。ゆえに1回戦目で負けたとしても絶対に試験に落ちるという訳では無い。


負けたとしても、それなりの負け方であれば合格する可能性もあるということだな。


まぁ、そんな考えは負けた時に考えればいい話か。


負ける気はないが。


「では1回戦目Aブロック、カイラ・フォン・アルジェリア対

アーノルド・フォン・ヴァイマール入場してください。」


ほう、こんなロワイヤルみたいな所でするのだな。


「お前か。噂の白髪のアルジェリア公爵家の子供というのは。」


「子供とは失礼な、君より身長は高いと思うのですが。」


「まぁ良い。捻り潰してくれるわ。」


「お前は太刀使いか。」


ん、太刀?何を言っているんだ。


「太刀は両手で持たなければならないから不便だろう。そんなのは普通だれも使わないのだがな。変わった公爵家の子供だ。」


「アーノルド君の口は達者なものだ。」


パーンと合図の音がした。


アーノルドは片手剣をめいっぱい後ろから振ってこちらに走ってくる。


隙だらけだ。


こんなやつに剣など必要ないな。


「覚悟しろー!」


何を覚悟すればいいんだ。


そしてカイラは剣から手を離しアーノルドの片手剣を左に重心を移して流れるように避けつつ足を引っ掛けアーノルドの手を身に寄せつつ投げ飛ばした。


そして、カイラはアーノルドが投げ飛ばされるのを見向きもせず手放した剣をスっと拾った。


「相手にもならなかったなとも言えないぐらいの雑魚加減だな。」


「・・・・」


気を失ってるのか。


ん?周りが少しざわざわしているな。


「あの、剣術ではとても有名なヴァイマール家の長男が!まさかあんなふうに。」


「あの白髪の人やばすぎだろ。」


「アルジェリア家ってそんなに剣術強かったか?」


ああ、ヴァイマールってそういうことか。


あんなのが強いほうなのか。


よくわからん。


ずっと屋敷に引きこもって鍛錬してきたしな。


やはりそれなりに俺は強いのか。


これといってすごいことをしてきたつもりはないのだが。


強いて言えばこの体術は今は引退していると思うが平民街の道場の師範だったクゼン先生から習ったのだったな。


体術の本などを見ているとやたら昔あった東の国からの名残である道場というのを見かけるから、今もどこかにあるかもしれないと、お忍びで探して見つけたのだったな。


そして、俺は順調に勝ち進み決勝までほとんど剣を使わずにきた。


だが、まぁそんなに順調に勝てるものではないようだ。


「久しぶりだなカイラ。」


「サクラ?2年ぶりか?」


そう、今おれの目の前に立っているのはクゼン師範の孫であり俺が唯一道場が潰れるまで勝てなかったサクラ・シンモンジだ。























































































   

























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