魔法の訓練(2)
ひなたちの世話は美空に任せて、私たちは魔法の訓練をするために庭に出る。
「まずはそらの光魔法からやるぞ。いいか?」
「うん♪」「私もそれでいい…」
「それじゃ、みせてみるからやってみ」
【光のやよ的を撃ちぬけ】
私の前に生成された光のやが的を打ち抜く…今更だが、一人称は私にしといた、声は男性のものだしこれだけではばれないだろう。それに俺って言おうとしたらめっちゃにらんでくるんだもん。
「すごい!そらもやってみる。えっと、ひかりのやよまとを、うちぬけ!」
しかし何も起こらなかった。まあ、魔法初心者に省略詠唱は無理だな。
「できないよ?」
「そういうとき詠唱を変えてみるんだ、魔法はイメージが大事だからな。イメージしやすいものにするんだ」
「どういの?」
「例えばこういうのだな。」
【光よ我がもとに収束し矢となり、的を撃ち抜け】
先ほどと同じように光の矢は的を打ち抜いた、さっきより威力が上がって。
「これならそらでもできるだろう。」
「うん、やってみるね。えっと、ひかりよわがもとにしゅうそくし、まとをうちぬけ」
今度はちゃんとできたようだ。的を撃ち抜くには至ってないが。
「そらはそのまま訓練を続けろ。じゃ、青木、始めるぞ。」
「今の自分でどこまでできるかやっていい?」
「別にいいけど。」
「ん。」【アクアボール】
青木の目の前に直径10㎝ほどの水球ができ、こちらにふよふよと飛んできた。触ってみる。
バシャッ
ボール系の魔法は制御が肝心だ。それができないと今みたいに破裂してしまう。が、
「お前、わざと制御しなかっただろ。おい、なぜ目をさr【アクアボール】ちょ、危ないじゃないか。」
アクアボールのせいでびしょぬれである。5月になったばかりだが寒い…
「子供のいたずらは笑ってすごすべき…痛い。」
「奴隷契約の内容覚えてるだろ。」
「意地悪…」
「意地悪で結構。それよりも青木は結構魔法使えるんだな。」
「ん、さっきので大体わかった。あと妹には負けられないから…次は闇を教えて。」
「別にいいけどさ、あんまりたくさんの魔法を覚えると器用貧乏になりがちだぞ。」
「そこは気を付けるから速く教えて…」
「はいはい。闇はだな…」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「そろそろ昼食にするぞ。」
「美空お姉さんはどうするの?」
「置いといたから勝手に食べるだろ」
「分かったー。昼ご飯は何?」
「サンドイッチだ。おかわりもあるからな。はいどうぞ。」
パク。「おいしいね」「うん…」
私も食べる。食べることは人生の楽しみの一つだからな。
「キュー」(僕にも頂戴!)
ん?ああ、神竜狼種か。
「ほれ、」
「ワプッ!」(ありがとう)
肉の部分をあげる。肉にこだわる必要もないが
「わーかわいい。抱っこしてもいい?」「私も抱っこしたい…」
「この子たちが抱っこしたいと言ってるが、いいか?」
「ワプ」(べつにいいよー)
「いいってさ、」
「わーい。わーもこもこだ…」「次はこっち…」
そらたちが遊んでいる間に次を考えないと…
「なえ、お姉ちゃんもこの姿なんでしょ?だったらお姉ちゃんもそらにモフモフされるのだー」「だー…」
おい青木よしっかりしてくれ。にしても面倒なことになったぞ。