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クラッススとの邂逅

なろう系って難しいですね。よろしくお願いします。

 ───ふむ。

 この世界で目覚めてからはや1時間ぐらいか。自分の得た能力に感嘆を隠しきれずにいる。

 「ご主人、いかがです?」

 「いやぁ悪くないな、他に使えるものはないのか?」「それはご主人次第ですぅ」

 サヴィターが返事も曖昧に3の口で知らぬ素振り。やはり俺が強くなるごとに得られるものなのか。

 ───魔法。俺が手に入れた新しい力。

 元の世界では使えなかったはず、なのだがサヴィターの指摘により、いつの間にやらちょっとした炎や氷といった単純だが使いこなせば強力なものの基礎は完全マスターしていた。

 

 「これさえあればなんかどんな強いやつらでも倒せそうな気がすんな、サヴィター」

 「…本当にそうお思いですか?」

 侍従の娘(男)の目は凍てつかせた。これが初めてだ。さっきまでキャイキャイと年頃の女の子らしく振る舞っていた彼は猜疑の塊のぶつけている。ただしそれは一瞬のことだった。

 「ではご主人!今こそその力で世界を救うのです!」それこそが問題なのだ。

 未開の地の処女だったときも言われたが、俺が何をすべきなのか、皆目見当もつかない。俺達の現在地情報といえば、なろう系特有の初心者村っぽいのがよく見渡せるポリス。ここにモンスターが陣取れば村はあっという間に壊滅状態となるだろう。

 「いや、魔法の精度を向上させたい。手伝ってくれるか?」「もちろんですぅ」

 手のひらサイズの火球をイメージし、指を曲げたり折ったりして大きさを変える。魔法ときくとチートの代名詞や血族の一子相伝などの偏見があったが、実はサヴィターによると使用者の想像力と精神力さえあればどうとでもなる、とのことだ。尤も、想像力とはリアリティある経験がなければ始まらないらしく、俺が今炎や氷、チクリと刺すような雷しか使えないのは皮肉にも過去の記憶はまだ残っているということになる。とりあえずこれに関しては喜んでいいことにしておこう。

 「なんか名前つけたほうがいいな、えーと、どうしよ、んじゃ炎の魔球と書いてフレア・ボールと名付けよう」「ご主人、センスですよ…」

 目が死んでいるのを尻目に堂々と叫んだ

 「いけっ!炎の魔球!!…あっ!」

 火の玉を投げた先には人がいた。明らかに俺の不注意だ。世界救う前に人を殺してしまった、罪は重いだろう。考え終わるか終わらないかぐらいで丘の奥で爆発音。

 「へぇ、結構すごいね。」カエサルは彼の生存を喜ぶ前に驚きすぎた。心臓に悪すぎる。爆発後の、煙の発生源から人の声。「僕はクラッスス。冒険者だ。ここいいとこだよね、見晴らしがよくて自分を鍛えるにはうってつけだ。」

 続けて彼は言葉を紡ぐ。

 「僕と良かったら勝負しようよ、僕の魔法は反魔法。───アンチ魔法だけど。」

 

もしやクラッススが主人公なんじゃ…

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