やっとの事で領地帰還
短いです。
すみません。
ぎゅるるるる・・・
簡潔に言おう。
私はとてもお腹が減っているのだ。
それもそのはず、なぜなら今日は朝食を部屋で食べて、宮殿へ行き、昼過ぎまでクリス様と一緒にいたのだ。
もちろんまだ昼食は食べていない。
コンコン。
「お嬢様、昼食お召し上がりになりますか?」
マリーが声をかけてきた。
「いただくわ。入ってちょうだい。」
マリーはもう1人の侍女に私が昼食を食べる旨を伝えらよう言って、失礼しますと言ってから入室してきた。
「マリー。
私、やっぱり準備が整い次第領地に向かうわ。」
マリーは何か言いたそうな顔をして、でも何も言わずにただ頷いた。
「食堂ではご家族がお待ちです。」
「お兄様たちも?
もう学校に戻る時間ではなくて?」
「お嬢様をお待ちだったのです。今朝みなさまに何も言わずに宮殿に向かわれたでしょう?」
言われてみればそうである。
朝食を気分が悪いからと言って部屋で食べてその隙に宮殿に向かって領地帰還を皇帝陛下に伝えてきたのだ。お父様たちに覆されないように。
「ご心配をおかけしてしまったわね。
マリー、荷物の準備の手配、よろしくね。」
「かしこまりました。」
私はこの広い屋敷の食堂に向かう。
「お父様、お母様、フライトお兄様にケレスお兄様、ご心配をおかけしました。私、準備が出来次第領地に戻りたいと思います。」
「メティーナ…わかった。2年半だな?向こうでは色々と学ぶこともあるだろう。元気でやるんだぞ。
もちろん私たちも行くことは何度もあるだろうが…
パトリックによろしくな。」
パトリックというのはお父様の弟である。領地の管理は基本的に彼が行なっている。
我が家は代々騎士団長を務めている。騎士団長とは常に帝都にいるべきなので、昔から兄弟どちらかが騎士団長でどちらかが領地運営を行なっている。兄妹の場合もあれば姉弟、姉妹の場合もあるのだが。
今代は長兄、フロイトお兄様が騎士団長、次兄ケレスお兄様が領地運営となる予定である。
領地運営も領地団を率いる必要があるのでまあ武術に秀でている必要はあるのだ。
「はい、お父様方もお元気で。」
我が家の優秀な侍女たちはその日のうちに荷造りを終えた。
そして、私は宣言通り次の日には領地に戻ったのである。
フォーサイス公爵領
帝国直轄地の東に隣接する領地。
国内で直轄地を除き1番領地面積は広い。
また、犯罪が少なく治安が良いことなどから住んでみたい領地ランキング67年連続一位である。
特産品:布(幅広い種類の布地を出荷する。国内外殆どの製品がこのフォーサイス公爵領で生産されている。)