管理病室 【Mママ・R様】
「菜須さん、今日は監視室の担当をしましょうか」
指導看護師に今日の実習内容を伝えられる。
「はい。よろしくお願いします」
「担当患者様の看護記録よ。目を通しておいてね」
そう言って二冊の看護記録を渡された看護学生のよつ葉。
「えっ? 二冊ありますよ?」
「うん、知ってる」
「えっ?」
「監視室に二人入院だから看護実習させていただきなさい」
「はい」
ナースステーションに戻り、看護記録に目を通す。
M様、うんうん。あらぁ、そう。
看護記録に目を通して、今現在の処置や投薬の確認等を済ませ、必要なことはメモをとる。
R様の看護記録にも目を通す。
あらっ、こちらもなかなか大変な様子。
夏バテなのかな?
無理しちゃったのかな?
ナースステーション前の管理病室を視界に入れてちゃんと看護できるのか緊張しながらその時をまつ。
「菜須さん、行くわよ」
指導看護師さんに声をかけられ管理病室へ挨拶に向かう。と言ってもナースステーションの真ん前なので緊張を引きずりながら指導看護師さんに連れられ病室に入る。
「あれ? 姉様、新しい子いる」
「あらっ、ほんとだ!」
「お二人を担当させていただきます、☆☆大学看護学部看護学科4年 菜須よつ葉です。よろしくお願いします」
「可愛い、スリスリ撫で撫でしたーい」
「R、病人ってこと忘れてない?」
「そうだったわね」
「検温お願いします」
そう伝えると、
「計って良いわよ」
「あっ、私も良いわよ」
と言って笑顔でこちらを見ているおふたり。
あのぉ……重篤患者様じゃないので計測して結果だけ教えてくだされば良いんですけど。
「よつ葉ちゃん? 検温しないの?」
「検温結果を教えてくだされば……」
「なぁに?」
「いえ、何でもないです。検温しますね」
パジャマのボタンをひとつ開けて脇に体温計を挟んでもらう。
「よつ葉ちゃん、ひいきはダメよ」
「検温しますね」
と言って同じように体温計を脇に挟む。R様の検温の終了を知らせる電子音が鳴る。
「よつ葉ちゃん、終わったよ」
と言って体温計を挟んでいる脇を指さして教えてくださるR様。
「失礼します」
体温計を抜きパジャマのボタンを留めて体温を確認する。
「36度8分です」
看護記録に書き記す。
M様の体温計も終了を知らせる電子音が鳴り響く。
「よつ葉ちゃん、鳴ってるわよ」
「はい、ありがとうございます」
体温計を抜きパジャマのボタンを留めて体温を確認する。
「37度7分です。医師に診てもらいましょうね」
看護記録に記入しながら伝えると
「よつ葉ちゃん、内緒にしましょうね」
? どういうこと?
いやいや、ダメでしょ。
「そんなことしたら単位もらえなくなります」
「大丈夫よ、私があげるから」
「わぁ、姉様凄い!」
いやいや指導看護師からもらわないといけないんです。
よつ葉遊ばれてる?
回診の順番を先にしてもらおう。と思うよつ葉でした。お二人にわからないようにしなくっちゃ。
「回診までゆっくりしてくださいね」
と言って病室を出ようとすると
「あれ? もういっちゃうの?」
「お喋りしていかないの?」
「オヤツもあるわよ」
「わぁ、姉様完璧ですね!」
「好きなの食べて良いわよ♪」
あのぉ……何故管理病室なのか理解できたような気がする看護学生よつ葉。
後から注射とか注射とか注射とか?
受けてもらおうかな?と密かに思うよつ葉です。
活動報告で体調不良とお聞きしましたので入院していただきました。
おふたりが早く元気になられますように……。




