カルテID#002 帆ノ風ヒロさま(2)
佐藤看護師に案内され帆ノ風さまの元へ向かった。痛み止の薬剤を混ぜた点滴を受けてベッドに横たわっている帆ノ風ヒロ様が視界に入った。
佐藤看護師が話しかける。
「帆ノ風さん、整形外科病棟に移動しますね」
「はい」
ベッドサイドに歩みより帆ノ風さまに声をかける。
「帆ノ風さま、こんにちは。整形外科病棟ナースの菜須よつ葉です。よろしくお願いします」
「お願いします」
車椅子で移動を考えていたが大腿骨頚部骨折と聞きベッド移動がベストと考えて行動に移す。佐藤看護師に
「車椅子移動と思ってましたが、ベッド移動に切り替えた方が良さそうですね。病棟でのベッド間移動は難しいのでこちらでベッド移動した方が良いと思うのでベッドを持って改めてお迎えに参ります」
「すみません、先に言えば良かったですね。病棟に連絡を入れておきます」
「ありがとうございます。一度病棟に行ってきます」
そう伝えて整形外科病棟に戻り、看護師長に事情を話す。島指導看護師が付き添いをしてくれてふたりでベッドを引っ張って救命救急の処置室へ向かった。
救命救急の処置室につき、救命救急スタッフに手伝ってもらい帆ノ風様をベッド移動させ、整形外科病棟にベッド移動してもらう。そして点滴ボトルをセットし直す。
「帆ノ風さま、今から整形外科病棟に移動しますね。今は、痛みや吐き気、体調で気になるところはありますか?」
「いえ、今のところ落ち着いてます」
「それでは病棟にいきましょうか。なにかあれば直ぐに教えてくださいね」
そう声をかけて、指導看護師の島看護師とベッドを押して整形外科病棟に向かう。そのときに島指導看護師から声がかかる。
「よつ葉ちゃんの担当で進めていって。大石ドクターが主治医だから」
「はい」
「よろしくね」
整形外科病棟につき、病室に入りそのままセットした。血圧、検温、脈拍などのバイタルをチェックして入院のプレートや患者様識別リストバンドを準備して帆ノ風様の腕に装着する。
「帆ノ風さま、患者様識別リストバンドをつけさせていただきますね」
「はい」
帆ノ風さまの左腕に患者識別リストバンドをつける。
「何か、変な感じです。病人みたいですね」
「帆ノ風さまは、重症の怪我人ですよ」
「痛みは治まってますよ」
「大石ドクターから詳しい説明があると思いますが、帆ノ風さまはベッド安静ですよ」
「ベッド安静?」
「はい。トイレなどもベッド上で行ってもらいます」
「トイレいけないんですか?」
「尿意を感じたらナースコールで呼んでくださいね」
「そのときは……」
「お手伝いさせていただきます」
そんな会話をしながら、入院となってしまった不安を軽減してもらうためのコミュニケーションを取るよう心がける。
第3話に続きます。




