カルテID#001 小林汐希さま(2)
小林様の担当看護師となり、少しずつこの病棟が自分の居場所となりつつあるのを実感する。
小林様の医師の回診に同行する。
「小林さん、おはようございます」
「おはようございます」
「どうですか?」
「相変わらずです」
「それじゃあ、診察していきますね」
主治医の藍沢医師が診察を始める。
「菜須さん、点滴を○○に換えて24時間持続で落としておいて」
「はい」
藍沢医師のフォローに入る。看護学生時代に指導された事がここで成果を発揮する。
小林様の診察を終えて、今後の指示をして病室を出る藍沢医師。
「小林様、後程点滴交換させてくださいね」
「……よろしくお願いします」
「あっ、新人だから心配してますか?」
「えっ、いや……」
「点滴ボトルを交換するだけですよ。針処置じゃないですよ」
「……」
「小林様、図星なんですね」
「否、あの……」
「大丈夫ですよ、新人看護師なら誰でも言われることですから」
何気ない会話をしてコミュニケーションをとりながらの看護を心がける。
藍沢医師の処方箋が薬剤部に届き、薬剤部から薬剤が届いた時点で患者さんの氏名と薬剤名を確認してトレーに入れて準備する。
島指導看護師に付き添われ、点滴交換のため小林様の病室に向かう。
「小林様、点滴交換しますね」
「お願いします」
小林様の腕のネームバンドのバーコードをスキャンして点滴ボトルに貼ってあるバーコードもスキャンして電子カルテに転送する。薬の取り違いや、患者間違いを防止する効果もある。指示を受けていない薬をスキャンすると電子カルテの画面にエラーが表示される。電子カルテを確認して点滴交換の準備を始める。
今、繋がっている点滴の流れを一旦止める。新しいボトルのライン挿し口を消毒して点滴スタンドにかける。そして今繋がっているボトルから挿し口を抜いて新しいボトルに挿し込み、点滴落下の調整をする。
「終わりましたよ」
「ありがとう」
「気分悪いとか、何かあったら直ぐにナースコールしてくださいね」
「はい。わかりました」
島指導看護師も頷いてくれていた。こうして少しずつできることが増えて自信をつけていく新人看護師のよつ葉。
小林様の退院までしっかりと看護させていただく。今回は点滴交換。小林様の容態を細かく看ていこうと思っている。




