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なろう大学附属病院   作者: 菜須よつ葉
紺野班実習の軌跡
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紺野班実習の軌跡 【菜須よつ葉特別編】

よつ葉の活動報告での会話のやり取りを参考にして患者様役を選抜させていただきました。


この作品の中に散りばめてみました。

挿絵(By みてみん)


統合看護実習 特別編


 看護学生にとって最後の病院実習課題「統合看護実習」今までは担当患者様はお一人様でした。今回のこの実習では実践に近い経験を積む事を目的とされている。担当患者様はふたり。緊張と期待とが押し寄せてきたけど、実際の現場で勉強できる最後の実習ということで有終の美を飾りたいという気持ちも芽生えていた。


 実習初日のナースステーションでの出来事。


「菜須さんの担当患者様の看護記録です。目を通しておいてね」


 藤谷指導看護師に看護記録を渡された。奥のテーブルで看護記録を確認する。


 『小林汐希さま、男性 持続点滴でベッド安静。2度の救急搬送かぁ、過度の疲労に体力低下……寄り添わなきゃね』


 統合看護実習なので担当患者様はもう一人


『33Rさま、男性 右足骨折でベッド固定かぁ。備考欄に愛犬の散歩中に側溝に落ち救急車で来院と書かれている』


 藤谷指導看護師さんに連れられ病室に挨拶に伺う。ふたり部屋なのでこの病室を担当することに。


「☆☆大学看護学部看護学科4年 菜須よつ葉です。よろしくお願いします」


 緊張しながら挨拶をしたよつ葉に


「よろしくね」

「小林さま、よろしくお願いします」

「よつ葉ちゃん、よろしく!」

「33Rさま、よろしくお願いします」


 小林さまは、少し疲れているようにみえた。33Rさまは、病気ではないので元気そうな印象を受けた。


 いい雰囲気のなか実習が進んでいた。


「よっちゃん、3号室の33Rさんナースコールでの排尿介助依頼です」


 藤谷指導看護師に言われ準備をして病室に向かう。病室につき


「33R様、お待たせしました。すぐに準備しますね」


 そう声をかけると、小林さまが33Rさまに


「お気持ちお察しします」

「ありがとうございます」


 そんなふたりの会話に、よつ葉は


「どうかされましたか?」

「いいえ、滅相もない」


カーテンをひき、排尿介助の準備をする。


「失礼します」


 と声をかけて手順通りにテキパキこなしていくよつ葉


「さぁ、どうぞ。我慢はよくないですからね」

「そんな笑顔で、どうぞって言われても……」

「それじゃあ、導尿にしますか?」

「いやいや、これで」

「男子看護学生と交代しますか?」

「小野君以外なら……」



「もう大丈夫です」

「はい。病衣直しますね」

「ありがとうございます」

「いえ、大丈夫ですよ」


 片付けをしてカーテンを開ける。


「小林さんも、よつ葉ちゃんにとってもらったらどうですか?」

「私はトイレ行けますから」


「小林さま、トイレ行かれますか? 付き添いますよ」

「お願いしようかな」

「はい。私に捕まってくださいね。点滴スタンドは私が持ちますからゆっくり歩きましょうね」


 小林様のペースで歩き車椅子用の大きな個室に連れていく。そして点滴を気を付けながら中へ誘導する。


「外で待ってますね。終わったら呼んでくださいね」

「はい、ありがとう」


 トイレの入り口を出て前で待つ。暫くして小林様の声がして中に入るとしゃがみ込んでいる小林様を見つける。


「小林さま? どうされました?」

「ふらついてしまいました」

「病室に戻りましょうね。トイレは済みましたか?」

「はい、大丈夫です」


 近くにあった緊急コールを押して応援を呼ぶ。直ぐに車椅子を持ってきて小林様を座らせて病室に向かう。院内用携帯で主治医に連絡を入れる。病室に戻りベッド移動を介助する。


「ベッドに横になりましょうね」

「ありがとう」


 車椅子からベッドへ移動してもらいバイタルチェックをして主治医の来るのを待つ。主治医がきて診察が始まる。


「小林さん、どうされました?」

「少しふらついてしまって」

「診察しましょうか」

「お願いします」


 小林さまの診察をする主治医のフォローをするよつ葉。


「しばらくベッド安静で様子をみましょう」

「はい、わかりました」

「何かあるときはナースコールしてくださいね」

「ありがとう、お願いします」


 点滴の中に安定剤を追加投薬をして、少し休んで体力の回復に繋げる。


 無理にトイレに誘ったのがいけなかったのかと反省する看護学生よつ葉。


「よつ葉ちゃん、が・ん・ば・れ」


 33Rさまが、よつ葉の心の変化に気付き声をかけてくれた。


「ありがとうございます」


 お礼を伝えナースステーションに戻り看護記録を記入する。藤谷指導看護師にチェックをしてもらう。


「うん、良いですよ。こまめな経過観察をしてください」

「はい」


 毎日、実習時間いっぱいまでお二人の看護をさせていただく。1日1日と快方に向かっているお二人の担当患者様に自信をもらう看護実習生。


「よつ葉ちゃん、明日が最後なんだって?」


 33R様に問いかけられた。


「そうなんですよ。実習内容に詳しいですね」

「そりゃあ、色々情報網があるから」

「どんな情報網なんですか?」

「よつ葉ちゃん、それは守秘義務だよ」

「そこに守秘義務あるんですか?」

「おやっ? 優秀な学生さんって評判なのに、こんな簡単なこと知らないなんて悲しいわ」


 明日が最後と知らなかった小林さまが


「よつ葉ちゃん、明日で最後なんだね」

「はい、小林さまが快方に向かっているのを確認できたので良かったです」

「ありがとう」

「明日までしっかり看護しますから、お礼はまだですよ」

「あはは……そうだね」


 お二人の患者様に支えられて統合看護実習を実りある勉強ができたと思います。実践に近い実習体験を後2日。それが終われば看護学生としての病院実習は全て終わり。後は看護師国家試験目指しての勉強が本格化されます。


担当させていただいた、

小林汐希さま、33Rさま。

快く学生の実習を引き受けてくださり、ありがとうございました。


未熟なよつ葉を指導してくださった、

藤谷K介さま、ありがとうございました。


今回は、統合看護実習を舞台にしています。


患者様役 小林汐希さま

患者様役 33Rさま

指導看護師 藤谷K介さま(武 頼庵さま)


ご出演していただきありがとうございました。


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