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なろう大学附属病院   作者: 菜須よつ葉
お気に入り様の看護実習 ~看護学生編~
19/48

入院患者様より入院記をいただきました。 ~中村尚裕様からのプレゼント作品~

「お目覚めですか?」


にこやかな声が意識を出迎えてくれた。


「ご気分はいかがですか?」


「ああ、ありがとうございます」


つい反射で返してから気付く――頭痛が収まっている。


「あ、頭痛が引きました」


「そうですか」


温かな笑顔。


「何よりです。他に気になるところはありませんか?」

 

 ああ、と和みかけて気付く――ネーム・プレートに“菜須よつ葉”。


「菜須、さん?」


つい声が緩んだ。


「奇遇ですね。ちょうど知り合いに“菜須よつ葉”さんとおっしゃる――あ、名前も同じ」


「え、そうなんですか?」


菜須さんが口元へ手を引き寄せる。


「じゃ、もしかして……」


「私、」自分へ指を向け、「中村尚裕というペン・ネームで……」


「尚裕さん!?」


今度こそ菜須さんの声が跳ね上がった。


「あ、じゃやっぱりよつ葉ちゃん!?」


思わず食い付く。


「まさかと思ったんですが、やっぱり!」


「初めまして、でいいんでしたっけ」


 菜須さん――よつ葉ちゃんが頭を下げる。私も慌てて頭を下げる。と、思わず上目――やはりというか眼が合った。


「初めまして」


私に苦笑い。


「初めまして」


よつ葉ちゃんの笑顔が、心なしか違って見える。

 これはちょっと叱られるかな――と、こういう予感も悪くない。


 人生、まったく何が幸いするものやら。


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