一つの後悔
第1話 生活
ある13歳の夏の日。
私は、家族を失った。いや、「手放した」といったほうが正しいのかもしれない。
1日中一人で街をウロウロし、はしゃぐ幼い子供たちを見て、
どこか寂しそうに微笑む。
どうして私が、このような生活を送るようになったのかは、
深いわけがある。
*
中学校に入学してまだ間もないころの私は、音楽を作るのが大好きだった。
自分でメロディー、歌詞を作って重ね、1つの音楽を作る。
最高だった。その時が私の、1番幸せ感じる時間だった。
しかし。
そんな幸せな時間も、つかの間。
少しずつ、崩壊していくものがあった。
それに対して皆、いろいろな思いがあるだろう。
それを一言で表すと、「かけがえのない、大切なもの」「なくてはならないもの」。
そう、「家族」だ。
私の家族は皆、音楽が大の嫌いだった。
私はそのことを知っていたが、大好きな音楽はやめたくないので、
ずっと内緒でやっていた。
しかし。
家族がそれに気づいてしまった。いや、気づいてたのかもしれない。
家族が音楽の事を知ってしっまた時、私の人生最大の後悔をすることを。
この時私は、まだ知らなかった。