みんなの過去はどんな過去?
「そういえばさー、みんな昔どんなんだった?」
突如美都が言い出した話
昔って事は過去って事だよね?
昔の事はあまり覚えてないんだよなー
「俺は家に引きこもって一反木綿の姿してたかな?あとみとちんと遊んだりみとちんと遊んだりみとちんと遊んだり…」
「それ以上言うなバカ」
颯真は引きこもってたらしい
美都は颯真が言葉をまだ続けてるのに顔面を手で押さえて止めさせた
「私はー、普通に小学校行ってたよー?」
つっきー学校行ってたんだ…
なんかちょっと意外だな…
「私は家にずっといた」
「あ、私もー」
優奈と弥生は家にいたって
いや、妖怪ならそれが普通だと思うんだけど…
「俺うろちょろしてたぞ、そこらへん」
智くんはうろちょろ
そりゃあ、一応神様だし、四神だし
「俺は山の中にいた」
山!?、…ってそっかきょーちゃんは人狼だもんね
山にいても不思議ではないか
「んー…、私は外で遊んでたな。そうと」
美都は颯真と遊んでたらしい
幼なじみだもんね
「「沙羅ちゃんはー?」」
あ、すごい、またハモった
優奈と弥生って実は血ぃ繋がってんじゃないの?ってくらい息ぴったりだよね
「私ー?私はねー…」
って言って1人で頷いてる
そういえば沙羅姉の過去って聞いた事ないかも
「昔は村に住んでたのよー」
「「「「「「「「村っ!?」」」」」」」」
「……!?」
予想外の展開だったよ
というか大声出しすぎてつーちゃんびっくりさせちゃったよ…
ガチャーンッ
カップが割れた…
紅茶が飛び散った…
そ、掃除しなくちゃ…
~お掃除ターイム~
………さて、気を取り直して
「村ってどこにー?」
「えーとね、山奥」
これまた意外な事が…
優奈が聞いてくれたのはいいんだけど、まさかの山奥…
なんでそんな所に村が…?
「私はね、力が強過ぎたから寺っていうか神社っていうか…。とにかくそこに閉じ込められてたんだよね」
沙羅姉って力強かったんだ…
あ、そっか、龍神様だからか
「ただ閉じ込められてただけじゃないんだけど…」
一体過去の沙羅姉に何が…
すっごく気になる、夜寝れる程度には気になる…
「な、何があったの?」
ついつい聞いちゃったけど大丈夫だよね?
だって気になるもん…
「殴られたり蹴られたり…、まあ傷だらけだったよ」
なんかさらっと怖い過去が判明したよ…
沙羅姉今ちょー笑顔だけど、笑って言える事じゃないよね…
なんか沙羅姉まで怖くなってきたよ…
「だから性格ねじ曲がってんだよな」
「……………。」
あいちゃん、それを言っちゃ…
し、仕返しが…
バシャーンッ!!
「「「「「「「「「………………………!!」」」」」」」」」
あ、あいちゃんの頭の上から大量の水が…
ぶ、部室が…!!み、水浸し…
「……な、にすんだよ!!」
「碧斗が余計な事言うからでしょ?」
あいちゃんに水をぶっかけた張本人はまだ笑顔のままで地味に怖い…
「つ、次の人に聞いてみよー」
美都は相変わらず見てみぬふり
今のもすごいスルー感が…
でもみんなも黙って頷いてるよ
ここはスルーするのが一番最適なんだね
「つっちゃんは何してたー?」
「私?……ヒミツ」
「えー…、つばっさんのけちー」
たしかによくよく考えればつーちゃんの事あまり知らないよね
私はみんなより知ってる自信はあるけどさ
「女には秘密の100や200あるものだよ」
「そんなものなの?!女の子って…」
「んなわけあるか、バカそう」
いや、100や200は無いよ
せいぜい5つ6つでしょ
つーちゃんだけ多すぎるんだよきっと
「碧斗は?なんかある?」
「ある…」
「いや、あるわけないでしょ」
「ちょっと待て!!」
優奈が聞くのはいいとして、弥生はあいちゃんの過去を否定したよっ
「俺にだって過去くらいあるわっ!!」
「へー、じゃあどんな過去?」
「へ?い、いや、それは…」
「言えないって事は大した過去じゃないって事だね」
弥生…、君性格悪くなってないか?
さすがにあいちゃんもちーん。ってなってるよ…
かわいそうとは思わないけど
「じゃあ、そこで聞いてるだけの雨音は昔何してた?」
「へ、私?何してたっけ?」
「いや、知らないよ」
美都に聞かれたのはいいんだけど、優奈につっこまれちゃった
いつもと役が逆だ
うーん…、でも小さい時ってほんとに何してたっけ?
よく覚えてないんだよなー
はっきり覚えてるのなんて5歳の時くらいからだし…
「うーん…、とりあえず緋人と同調するなって言われてたかな?」
「それってお父さんに?」
「お父さんとお母さん両方から」
でもどうしてかはわからない
同調するとどうなるかなんて知らないし…
昔ちょっと同調しちゃって大変な事になったらしいけど…
「それはねー、雨音と緋人が同調すると危険だから止められてたのよ」
「沙羅姉どうゆう事?」
「雨音は緋人と同調すると、緋人の力を必要以上に出してしまうから」
ん?つまりどうゆう事だ?
よくわからないぞ?
「つまりね?緋人は狐の姿にはなれないの。耳と尻尾がはえるだけ」
「うんうん」
「でも雨音は狐の姿になれるの。緋人の力をより強いものにして使うから」
………?
私のバカな頭では理解できないよ…
私にそんな大それた力があるのか…?
なわけないよね、私人間だもん
緋人と同調すると髪の色はそのままなのに目の色が緋人のものになったりするのは理解してるつもり
そうなった事が1回あるから
いや、1回じゃないかな?
お父さんとお母さんに同調するなとは言われた
ただ深く同調するなって事を言われただけだから同調はしてもいいのかな?
うーん…、よくわからないな…
「まあ、そのうちわかるようになると思うわよ」
「そっかー」
なら今はこのままお気楽に生きていくか
このほんわかして問題ばかり起こす部活の部室で
~今回学んだ事~
初めて沙羅姉を怖いと思った瞬間、何かが目覚めた(沙羅姉に対する恐怖だと思う)
「沙羅姉を怒らせないようにしよう。殺される…」
「「「「「「「「うん……。」」」」」」」」