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あだ名について考えよー その2


「つっちゃーん!!」

「つばめー!!」


優奈と弥生がつーちゃんのいるソファに突撃していった


「なに?どうしたの?」


つーちゃんは机に紅茶を置いて本を閉じた。


「今ねー、みんなにあだ名を聞いて回ってるの」

「だからつばめのところにも来たって訳」

「へー、何それおもしろそー」

「「でしょー?!」」


つーちゃんが返した言葉に優奈と弥生も嬉しそうに、というか楽しそうにしている。

やっぱりつーちゃんは静かなのか賑やかなのかがわからないなぁ

ノリはいい方みたいだけど…


「でー、つっちゃんが呼んでるみんなのあだ名を教えてほしいなーって」

「あー、いいよー」


あ、いいんだ…

まあ普通嫌がる人はあまりいないよね

いるんなら見てみたいよ


「じゃあまず雨音は?」

「雨音」

「あ、それは普通なんだー」


大概の人が普通に呼んでると思うよ

おかしいのは颯真だけだと思う


「じゃあきょうちゃんは?」

「きゅーちゃん」

「あー、漬け物だー」


たしかにそんな名前の漬け物あったけど

たしかにあれおいしいけど


「じゃあじゃあ、ゆーちゃんは?」

「へ?わたし?」

「ユー」


おっ、まさかのカタカナ

てか英語っぽい


「じゃあ、弥生ちゃんは?」

「今度は私ー?」

「よん」


あー、チャンネルみたーい

でも私テレビ見ないんだよなー

後で美都に面白い番組聞いてみよ


「次はー、うーん…、どうしよ」

「そうだなー…」

「でも他は普通に呼んでるよ?美都ちゃんとか菜月とか」

「あー、そうなのー?」

「ちぇー」


優奈と弥生が不機嫌になった時も飽きた時もすぐにわかる

だって顔にでるから

今だって明らかにつまらないって顔してるし


「他の人にも聞くぞー!!」

「おーっ!!」


まだ聞くのー?

もしかして全員に聞くつもりー?

もうやめよーよー


「じゃあ次誰にする?」

「きーくんにしよー」

「いいねー」


おや、今度は智くんがターゲットに

かわいそうなのかかわいそうじゃないのか…

まあ言える言葉は「どんまい」


「きーくーん!!」

「なんだ?」

「今、みんなにあだ名聞いて回ってるんだー」

「あだ名ー?」

「そうそう、だから智輝にも聞こうかと思って」

「俺あだ名なんかつけてねーぞ?」

「なにっ?!」

「そんな~…」


あー、今のは驚いたのとがっかりしてる表情だ

ほんとにわかりやすいな

トランプのババ抜きとか苦手そうだよね

顔に出るから


「ただひらがなで呼んでるな」

「そーなんだー」

「おぅ、ゆーなとかやよいとか」

「なるほどー」


だから大概の人があだ名つけてないって…

もうそろそろ飽きたよ

まず聞く必要ってあるのー?


「次ーっ!!」

「誰かあだ名付けてる人いないのー!?」


もうやけくそだな

やけくそになるくらいなら止めればいいのに…


「誰もいないんじゃない?もうそろそろ諦めれば?」


沙羅姉ないす

よくぞ言ってくれた


「えー、そんなぁ…」

「暇潰しがー…」


そんなに暇だったんだ…

他の遊びを考えればいいのに…

てかあだ名探しが暇潰しかよ


「んー…、じゃあもう止める?」

「うん…、そだね…」


落ち込みハンパねぇ…

そこまで落ち込まなくても…


「ほ、他に何か面白い事探そうよ。ね?」

「雨音…」

「じゃあそうちゃんで遊んでくる」


え?ちょ、おいおい…

人で遊ぶなよ…

て、あぁぁぁ!!もう颯真の所行ってる!?

早い、早すぎるよ!!


「そうちゃーんっ」

「優奈ストップーー!!」


間に合わないよ!!どうしよう?!


「んー、どしたの…」

「えーーいっ」


そして優奈のせいで颯真は…

颯真…!!


「待っておんちゃん、まだ死んでないーー!!」

「くるくるーっ」


あぁ、ごめんごめん

優奈の手によって颯真はくるくる巻きにされてる

どっかの物語に出てきそうだな…


「くるくるー」

「あ、あれ?小鞠?!」


小鞠まで颯真のところに行っちゃったよ…

あ、上に乗っかられてる…


「まりこさまっ、お、重い!!」

「布ーっ」

「布じゃないよーっ(泣)」


かわいそうに…(と言いつつただ見てるだけだよ)

でも懐かれて良かったね


「ど、どん(笑)まいっ(笑笑)」


そして弥生、君は笑いすぎ

ちょっと酷いと思うよ


「…………っ(笑)」


あっれー?美都も笑ってるー

笑いすぎ笑いすぎ


「あはははははははっ」


あーあ、とうとう声に出しちゃった

めちゃくちゃお腹押さえてる…

めちゃくちゃひーひー言ってる

すっごい涙出てる

美都…、お前は幼なじみを笑えるのか…


「いや、そりゃ笑えるでしょ(笑)」


え、ちょ、心読まないで?!

あれ?吸血鬼って人の心読めたっけ!?


「いやー、雨音がわかりやすいだけだよ(笑)」


また読まれたっ!!

こんなのただの嫌がらせだよー!!


ガラガラッ


あれ?扉が開いた…


「何やってんだ?お前ら」


あ、あいちゃん…!!

帰ってきたんだ…

帰ってこなくても良かったのに


「おい、九頭龍今舌打ちしたな?」

「え?なんの事?」

「目を見て言え」

「だから舌打ちなんかしてないってー」

「だからなんで目を逸らす」


しょうがないじゃん

一応教師の人に舌打ちしたとかさ

普通だめでしょ?普通は


「碧斗の目がキモすぎて見たくないんじゃない?」

「え……」


沙羅姉、それは言い過ぎだよ

さすがにそこまで思ってな…


『つまりちょっとは思っとるんやな』


余計な事言わないでよ

さっきまで大人しくしてたくせに


「えーいっ」

「うわぁぁぁぁ!!」

「ぶっ…!!」

「「「「「「「「…………………」」」」」」」」


あ、小鞠に飛ばされた颯真があいちゃんの顔面に激突した

てかみんなしーん、ってなってる


『あはははははっ』


でも緋人はゲラゲラ笑ってる

この差はなに…?


「よ…、よーしみんなー、トランプでもするかー」

「そ、そだね…」

「あれは見なかった事に…」


待って、美都、優奈、弥生

あれ放置?

てかみんな頷いちゃだめだよ


「「……………」」


まだそのまま止まってるよ、あの2人…

小鞠は楽しそうにつついてるけど…

なんかとてつもなくかわいそうになってきました…


「ほら、雨音もトランプするよっ」

「ああああああああ……」


ずるずると美都に引きずられると何もする気が起きなくなります

そして助ける事は許してくれなさそうです


ごめんね…、颯真、あいちゃん

2人の犠牲は忘れないよ…!!

さようなら…っ!!


「誰か1人くらい助けてよーーっ!!」

「……、もう教師やめたい…(泣)」





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