第15話 修羅場
なんか聖クロード一話書いたら満足して普通に書けたんですよね。
……普通に連載投稿できますねこれは。
休載とか言ってすいません。元はといえばUSB盗んだ馬鹿が悪いんだ。
返せこのやろー。
……後悔したことはない。私は間違った選択をしたという認識はさっぱりない。あの人は人間で、それも貴族だった。身分違いの恋、とすら言えないだろう。そういうものではなかったように思う。もっと根源的なものだっで欲しいと言われたから捧げた。
ただそれだけだ。私は今でもあの人を愛している。誰よりも愛している。
奥様よりもずっとずっと愛してる、と言いたい。
言いたいだけだ。言わないし、言えない。
後悔していることは、ない。あるとすれば我が子のことだけ。
私生児という立場にしてしまった。私の我が儘によって。
あの人の地位を危ういものにしたくない。母親としてなんて考えていなかった。ただ一人の女として男のために子供を不幸な境遇に置いている。
およそ最低だ。母としてすべきことでは全くない。
「あら、その子が私の専属なの。私とそう変わらなく見えるけど」
娘――ルシアを紹介すると、お姫様はそう仰った。いつかこの国の女王となる人。普通ならば無理だろうけれど、あの人が臣下なのだから間違いなく成し遂げる。
「ルシアと、お呼び下さいませライラ様。どうぞよしなに」
我が娘ながらメイド服が似合ってずいぶんと可愛らしい。親の贔屓目に見てもだ。
「ええ、こちらこそ」
「以降のライラ様への世話はルシアが引き継ぎます。まだ若輩故に粗相があるかと存じますが多めに見て下さると嬉しゅうございます」
とは言っても、ルシアはたいていのことを完璧にこなすことができるから失礼はないでしょうけれど、一応。親として。
「大丈夫よ、安心して」
これは愛嬌のある笑顔をする子ですね。
「失礼、ライラ様はいらっしゃいますか?」
ノックの後に、奥様の声、私はすぐにルシアへと目を向けようとすると娘は既に返事をしていた。
「はい、おります。御用でしょうか? 奥様」
「入って貰って、ルシア」
誰かに命令することが堂に入っている。王族としての貫禄も申し分ない子。
「はい」
リリアナ様が入ってくると明らかにルシアの目が細くなった。やめなさいと睨むと拗ねるようにそっぽを向いた。――まだまだ子供ね。
「――……」
姫様にバレてしまった。何でこうなのかは分からないでしょうが良くない。
「お忙しいところごめんなさい。お茶会を、と思いまして。忙しいです?」
あのゆったりとした口調で問い掛ける。控えめに言っても心地良い声だと思う。
「いいえ? ご一緒させて」
にっこりと彼女は笑った。娘は引きつっていた。
§ ¶ § ¶
「単刀直入に聞きたいんだけど、どうしてルシアはリリアナを目の敵にしているの? 理由を知ってる?」
凄く凄くまずい状況だと、思う。どうしてバレたんだろう。お母様と目配せしただけでどうしてそこまで分かるの?
「んー……そうですわね、知ってます。少々複雑になりますが」
「気になる」
「いずれ分かるでしょうしわたくしから教えますね、」
「……どうぞ」
ああー、お母様に睨まれた。ぜったい後で怒られるよー。
「まずは、ですわね。ルシアはハルト様とユーリアの子供です。彼女は違うと言い張っておりますが」
「――違いますもの」
「あら、でしたら誰の子ですの?」
「…………」
お母様と奥様の間で間違いなく火花が散っている。怖い。私のせいなの意味わかんないー!
「待って待って、妊娠した時ってハルトその時何歳くらいなの?」
「確か十四、か五ですね」
「認めてますわよね?」
「言い間違えです」
こんな酷い言い訳初めて見た。
「とまあこんな具合でして、ハルト様は認知すると仰っていますがユーリアが頑なに認めませんの」
そりゃあね、そうだよね。お母様だもん。
「……ユーリア、どうしてなの?」
「旦那様は貴族です。私はエルフです、エルフは美しい種族ですがどちらかと言えば愛玩用で差別対象ですので」
「でもハルトって気にしないんじゃない?」
「そうでしょうね。私が認めない」
「どうして?」
「聞きたいですか?」
「ええ、是非ね」
もうなんか皆喧嘩腰なんだけど怖い。
「私が彼を愛しているから、奥様よりずっと」「それはないですわね」
本気で怖い事になってきた。
「よー、よー、喧嘩?」
背後から男の声が聞こえてきたので、気が付かなかったことにこの上なく驚いた。――足音一つしなかった!
「――あら」
「旦那様……」
「あ、ハルト」
「ッ!」
ちなみに一番最後に声を出したのが私だった。
「そんなに驚いたら傷つくぞ? ルシア」
絶対に嘘だ。面白そうな顔してる。
これが私の父親。間違いない、お母様が認めなくたって横に並べばどこからどうみても親子に見える。
だけど、父親じゃないし私は奥様が好きじゃない。
だってお母様がどれだけこの男を愛しているか知っている。私を私生児にするくらい好きだ。
間違いなく私はお母様に愛されている。それは疑いようもなく知っている。けれど、それ以上に男に向ける女の愛情が勝ったんだと思う。
「ちょっと! ハルト最低!」
「いきなり罵倒とはまた、成長しましたね?」
「そんな方向に成長していないから!」
「ふむん。じゃ、俺はこれで」
「はい?」
「だって、明らかに俺が悪い状況でしかないでしょう?」
「というか愛人いたの?」
「貴族ですよ?」
「……普通か」「ええ、かなり普通かと」
何をいけしゃあしゃあとこの男は!ばーかばーか!
全くおっぱいが大きかったら良いのか。
「そんな想像してなかったんだもの」
「……我ながらあれだとは思いますが、ユーリアが認めてくれないんですよね。リリィは愛人くらい良いとは言ってますけどね」
「そうなの!?」
「ええ、同じ食事ばかりだと飽きるでしょう?」
何で貴族の女って妙にこんな男にとって都合の良い女になるんだろう。そういう風に育てられるから、かな。
「そんな理由でリリアナは良いんだ……」
「飽きられるのは嫌なので、胸は私ですし?」
奥様卑屈だけど実は見た目に関してだけ凄い自信持ってるんだよね。
きっとこう思ってる。夫に捨てられないのは容姿が良いから。だから他の女と何したって許す。
多分、愛していて貰えればそれで良いんだと、思う。きっとお母様も。
「飽きるとか言うなよ。それはないから」
嘘だ嘘だ。絶対嘘だ私は信じない!
クソ親父め……。
しゅらばばです。キャラ設定忘れたやっべ。
どんなんだっけ。まあいいか。
修羅場2へそのうち続く。