創始世界の滅びの語り
想造主は二人の神に命じました。
光と生命の女神リュミーレンが産んだ生命が地に溢れたら、過剰分を闇と死滅の神ヴィニラルスが滅ぼせと。
ヴィニラルスが滅ぼした生命は、再びリュミーレンが造りだすようにと。
それが、生命の輪廻の始まりです。
想造主はその後、別世界の創造をするために、この世界から去りました。
残ったのは、リュミーレンとヴィニラルスの二神だけです。
二神は互いの役割の果たし続けました。
しかし、想造主の狂気が闇と死滅の神ヴィニラルスを徐々に蝕んでいました。
やがて、ヴィニラルスの意識は想造主の狂気に支配されてしまいました。
そして、ヴィニラルスを手に入れた想造主の狂気は、リュミーレンの産んだ生命を、狂ったように必要以上に滅ぼし始めました。
リュミーレンが想造主の狂気に気づいた時には、もうヴィニラルスはただ生命を滅ぼし尽くす邪神となっていました。
リュミーレンは涙を流します。
ヴィニラルスが想造主の狂気に蝕まれ狂わされ、ただ生命に滅びをもたらすだけの邪神になり果ててしまったことに。
ヴィニラルスが生命を滅ぼし続ければ、やがて世界は完全な滅びを迎えてしまいます。
それを迎えてはならないために、リュミーレンは決意します。
狂ってしまったヴィニラルスを救うために、リュミーレンは一振りの剣を造りました。
のちに救光の神剣と呼ばれる光銀の聖剣コージアを。
リュミーレンは光銀の聖剣コージアをヴィニラルスへ向け、救滅の威を示しました。
ヴィニラルスは狂気のままに、狂滅の邪剣と呼ばれるレーヴァスレイヴを造りだすと、リュミーレンへと切りかかりました。
リュミーレンとヴィニラルスの戦いは、壮絶なものです。
互いの剣がぶつかり合うだけで、地は衝撃波で抉れ、そこにいた生命は滅ぼされてしまうからです。
リュミーレンは滅んでいく生命に嘆きながらも、ヴィニラルスを救うために、光銀の聖剣コージアを振るい続けました。
永劫に続くかと思われた二神の戦いは、終わりを迎えます。
光銀の聖剣コージアが、狂滅の邪剣レーヴァスレイヴを砕き、ヴィニラルスを切り裂きました。
しかし、砕かれたレーヴァスレイヴの破片は、リュミーレンの心臓に深々と突き刺さったのです。
いかに神とは言え、致命傷を負えば治ることはありません。
しかし、滅びることはありません。
ただ、姿を形も変えて、本質は変わらず、新たなる神として転生するのです。
これが世界が再滅を繰り返す根源です。
この輪廻からは、誰も逃れることはできないのです。
では、世界の再生について語りを始めましょう――。