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心の在処  作者: Jemko
本編
6/10

友情と信頼

海賊を助けてしまった一行は、

海賊の潜水艇に乗せてもらい、海賊達の本拠地のある島へと上陸した。

―ラウミー島 海岸―


ジーク「すぅ~、はぁ~。外の空気がうめぇー」

リリィ「キレイな所ですわね」

レオン「ここは何処だ?」

マイコ「ラウミー島っす」

レオン「ふむ、わからんな」

マイコ「地図に載ってないような無人島っすよ」

レオン「そうなのか」


武装女「お前達、これからジャングルを通って村に行くよ」

レオン「村があるのか?」

武装女「あたし達が自分で作った村だけどね」

レオン「興味深いな」

マリン「はやくいこー」

ジーク「行こう行こう」

武装女「鎧の奴、お前は荷物を運びな」

ジーク「えぇー!?」

武装女「なんか文句あるのかい?」

ジーク「運ばせて頂きます」


一行は村を目指してジャングルに入っていくのであった。



―ラウミー島 ジャングル―



ジーク「重いよ~」

マリン「がんばれー♪」

ジーク「よーし、がんばっちゃうぞ~♪」

レオン「(単純だな)」


レオン「ところで、こんなに食料を手に入れてどうするんだ?」

武装女「村の子供達に食べさせるんだ」

ジーク「ふぇ~、お前ら子持ちだったんだな」

武装女「そうだな・・・。とても愛おしい子供達だ」

マイコ「うちらが手に入れた最高の宝っすね」

ジーク「またまた、うまいこと言っちゃって~」

マイコ「ふっふっふ」


数分後。


マリン「う~、あついよぉ~」

リリィ「人魚は暑いのが苦手ですの?」

マリン「うん~。このままだと干物になっちゃうよ~」

ジーク「ちょっと食べてみたい気もするな」

マリン「ひどいよー!」


更に数分後。


ジーク「お、おれも、干物になりそう・・・・」

マイコ「がんばるっすよ~」

ジーク「お前の声は元気が出る所か、力が抜けるんだよな・・・」

マイコ「ふふふ」

リリィ「それなら、わたくしのムチを受ければ元気になるんじゃなくて?」

ジーク「やーだー」


マリン「もうだめぇ~」

レオン「大丈夫か?」

マリン「もうあるけないよぅ」

レオン「仕方ないな・・・。背中に乗れ」


レオンは動けなくなったマリンを背負う。


マリン「ありがと~」

ジーク「あー!レオンずるいぞー!」

レオン「代わるか?」

ジーク「えっ!いいの!?」

マリン「やだー」

レオン「だそうだ。諦めてくれ」

ジーク「うわぁぁあああん!」


悔しさと切なさと荷物を背負い、勢い良く走りだすジーク。


武装女「なんだ元気じゃないか」

リリィ「本当ですわね」

レオン「あいつの体力は底無しだからな」


更々に数分後。


武装女「そろそろ村が見えてくるよ」

レオン「ふぅ・・・、やっとか」

リリィ「さすがに疲れましたわね・・・」

マリン「すやすや」

マイコ「人魚ちゃん、気持ちよさそうに寝てるっすよ~」

レオン「たくさん跳ね・・・、歩いたから疲れたんだろう」

リリィ「そうですわね」

マイコ「寝顔がかわいいっすね~」

武装女「ハハハ、本当だな」


人質女「村に着いた・・・」


やっとの思いでジャングルを抜けると、そこにはひっそりと村があって、先に到着していたジークが休んでいた。



―ラウミー島 秘境の村―



ジーク「みんな遅いぜ~」

レオン「お前が速すぎるんだ」

ジーク「へっへっへ、俊足のラストナイトって言っても過言ではないな」

マイコ「なんすかそれ」


武装女「みんなー!帰ったぞー!」


武装女が大声を出すと、家から小さな子供達が出てきて駆け寄ってくる。


男の子「お姉ちゃん、おかえりー」

女の子「なんか食べ物ある~?」

武装女「あぁ、たくさんあるぞ」

女の子「わーい」


マリン「うぅ~ん・・・」


子供達の声で目が覚めるマリン。


レオン「起きたか?」

マリン「おはよー」

レオン「おはよう」

マリン「おんぶしてくれてありがと」


リリィ「ここの子供達は?」

マイコ「親を亡くした子や、捨てられた子達っす

ジーク「子持ちって、そういう意味だったのか」

マイコ「そういう事っす」


武装女「お前達、そんな所で突っ立ってないで家に入りな」

ジーク「水飲ましてくれぇ~」


武装女に招待されて、家にお邪魔する事となった。



―秘境の村 ミーノウ家―



武装女「適当に座って寛いでいてくれ」

ジーク「水!水!」

マリン「あたしもー」

マイコ「あいよ」

ジーク「ゴクッ!ゴクッ!ぷふぁ~、生き返るねぇ」

マリン「うんうん」

マイコ「ここの水はうまいっすよ」

ジーク「なんていうか軟らかいっていうか、甘いっていうか、美味いな」

マリン「うんうん」


武装女「さてと。ようやく一息ついたところで、自己紹介を始めようか」

武装女「まずはあたしからだが、名前はメラヒ=ミーノウ。ミーノウ海賊団の頭をやっている」

人質女「ヒソヒソ・・・(私はコロモ・・・)」

レオン「(全然聞こえん・・・)」

マイコ「うちはマイコっす。こう見えて頭が良いんすよ」

メラヒ「わかってるとは思うが、あたしらは姉妹だ」

マイコ「全然似てないっすけどね」

ジーク「本当だな」

メラヒ「次はお前達の番だよ」


レオン「俺はレオンハルト。マモノ退治の旅をしている」

ジーク「おれはジークニール。人呼んで俊足のラストナイト」

リリィ「わたくしはリリィ。レオンの旅を手伝っていますわ」

マリン「あたしはねー、マリンっていうの。人魚だよ」


メラヒ「それじゃあ、自己紹介が済んだ所で、今日はパーっと宴でもしようじゃないか」

マイコ「賛成っす」

コロモ「ヒソヒソ・・・(料理の準備してくるね・・・)」

ジーク「おっ、いいね~」

マリン「おまつり~♪」


レオン「メラヒ、二人だけで話したい事がある」

メラヒ「わかった、部屋に来な」


メラヒに案内され、二人は部屋に向かう。


メラヒ「話ってなんだい?」

レオン「人魚の町アクマクアを知っているか?」

メラヒ「知ってるよ」

レオン「潜水艇で人魚の町へ連れて行って欲しい」

メラヒ「なにか事情がありそうだね」

レオン「マモノ退治の事でな」

メラヒ「そうだねぇ・・・。こっちの頼みを聞いてくれれば送ってやるよ」

レオン「頼みとは?」

メラヒ「ジャングルに住み着いている凶暴なクマを退治してもらいたい」

レオン「クマ?」

メラヒ「ただのクマじゃないよ、キングベアーだ」

レオン「ふむ、わかった。仲間と相談してみよう」


部屋を出てジークのもとへと向かう。


レオン「ヒソヒソ・・・(ジーク、ちょっとこい)」

ジーク「ん?」


ジークを連れて家の外に出る。



―ラウミー島 秘境の村―



ジーク「どうしたぁ?」

レオン「クマを倒しに行くぞ」

ジーク「はぁー?」

レオン「クマを倒せば人魚の町に連れていってくれるそうだ」

ジーク「話はわかったが、二人に黙ってていいのか?」

レオン「マリンを護りながらの戦闘は大変だろう?」

ジーク「確かになぁ」

レオン「それに、二人を危険な目にあわせたくないしな」

ジーク「その言葉、リリィに聞かせてやったら喜ぶぞ」

レオン「冗談言ってないでいくぞ」

ジーク「うぇーい」


二人はジャングルの中へ入っていく。



―ラウミー島 ジャングル―



ジーク「う~ん、ジャングルっつっても広すぎないか?」

レオン「確かにな」

ジーク「いきなり目の前に出てきてくれないかね」

レオン「喜べ、出てきたぞ」


二人が探索していると、茂みの中からキングベアーが姿を現した。


ジーク「ラッキー」

レオン「さっさと倒して帰るか」

クングベアー「クマァァァアァン!」

ジーク「なんか怒ってるぞ」

レオン「こっちに来るぞ!」

ジーク「俺にまかせなって」


ジークがレオンの前に立ち、盾を構えて反撃姿勢に入ると、キングベアーが二人めがけて突進してくる。


ジーク「へっへっへ、攻撃してこい」

ギングベアー「クマァァァアアアアン!」


キングベアーはジークめがけてパンチを繰り出すが、盾を使って受け流され、その隙に槍を深く突き刺される。


カァン!ズシュゥ!!

キングベアー「イタァイ!」

ジーク「大成功~」

レオン「お前も頭を使うようになったな」

ジーク「まぁな~。今の一撃はかなり手ごたえがあったぜ」


そんなジークの思いとは裏腹に、キングベアーの怒りは激しさを増し、先ほどより凶暴になっていた。


キングベアー「クマァアァァァアン!!」

ジーク「バケモノだー!」

レオン「お前が言うな」

ジーク「もう一回カウンターだぜ」


先程と同じように盾を構え、反撃姿勢に入るが、学習したキングベアーは回り込んでレオンを狙った。


ジーク「なにー!?」

キングベアー「クマァァァアン!」

レオン「こっちか!」


心の剣を使い攻撃を防ぐが、キングベアーの強靭な筋肉の前では、競り負けるのも時間の問題に見えた。


レオン「クッ!まずいな・・・」

ジーク「このクマ、俺を無視しやがってー!こうしてやる!」

ザシュ!ザシュ!


キングベアーの背後から何度も槍で突き刺すが、怒りのあまり痛みを感じなくなり、怯む気配がなかった。


キングベアー「クマァァァァン!」

レオン「後は任せた・・・」

ジーク「諦めんなって!」


レオンが諦めかけたその時、キングベアーの背後から一本のムチが飛び出してきて、首をきつく締め上げる。


キングベアー「ギャ・・・ア・・・!」

ジーク「このムチ・・・、リリィか?」


ムチが飛び出してきた方を見てみると、そこには木の上に立つリリィの姿があり、クマよりも怒っていた。


リリィ「レオン!わたくしに黙っていくなんて、あんまりじゃありませんこと!?」

レオン「す、すまない・・・」

リリィ「なら結婚してくださいませ♪」

レオン「こ、ことわる・・・」

ジーク「今はそんな事やってる場合じゃないだろうが!」

リリィ「そうでした、クマを倒さないといけませんわね」


そう言うと、リリィはキングベアーが居る方向とは逆の方向に飛び降り、木を滑車代わりに使ってクマを吊り上げる。


リリィ「さすがに重いですわね」


リリィの軽い体重では、キングベアーの巨体を数cmしか浮かばせる事ができなかった。


ジーク「動きを止めただけでも上出来だぜ」

レオン「あぁ、助かった」

リリィ「今のうちにトドメを!」

ジーク「よっしゃー、まかせろー!」


ジークは槍を構えると、キングベアーめがけて力一杯に投げる。


ジーク「でやぁー!」


投げた槍は見事にキングベアーの胸に突き刺さるが、強靭な筋肉に阻まれ刺さりが浅かった。


ズシュ!!

レオン「浅いな」

ジーク「ここからが本番よ」


そう言って盾を右手に持ち替えると、胸に刺さった槍めがけて投げつける。


ジーク「そいやー!」


投げた盾は槍の石突き部分に当たり、より深く胸に突き刺さる。


カァン!ズシュシュ!

キングベアー「・・・」

レオン「終わったか」

ジーク「これで、降ろした瞬間に生き返るとかないよな」

レオン「既に息はしていない。大丈夫だろう。リリィ、助かった。もう降ろしていいぞ」

リリィ「はーい」


ジーク「ふぇ~、疲れたなぁ」

レオン「ジーク、まだ休むわけにはいかないぞ。クマを村まで運ばないとな」

ジーク「そうだったな・・・」

レオン「今度は俺も手伝うよ」

リリィ「わたくしも手伝いますわ」


ジークが両足を持ち、レオンとリリィがそれぞれ片腕を担ぐ。


ジーク「よいしょっと。じゃ帰るか」


こうして、倒したキングベアーを村に持ち帰るのであった。



―ラウミー島 秘境の村―



三人が村に戻ってみると、三姉妹が宴の準備をしていた。


ジーク「おーい!クマ倒してきたぞ~」

マイコ「うひゃー、すごいっすね」

レオン「これでアクマクアに送ってもらえるな?」

メラヒ「あぁ、約束は守るよ」


マリン「みんなー、あたしをおいていくなんてひどいよー!」

レオン「ごめんな」

ジーク「クマでも食べて機嫌なおしてくれよ」

マリン「クマ~♪」

メラヒ「今日はごちそうだねぇ」

コロモ「ヒソヒソ・・・(解体するね・・・)」


キングベアーを解体すると、鍋に投入して煮込み始める。


ジーク「あ~、良い匂いだなぁ」

マイコ「久しぶりの肉っす」


男の子「こいつ、あしがないじょー」

女の子「へんなのー」

マリン「あーうー、ひっぱらないで~」

メラヒ「二人ともやめないか、マリンが嫌がってるだろう?」

男の子と女の子「ごめんなさーい」

ジーク「イジりたくなる気持ちは、わからんでもないがな」

レオン「フハハハ、そうだな」


コロモ「ヒソヒソ・・・(熊鍋できたよ・・・)」

マイコ「みなさんー、コロモ姉さんが熊鍋できたって、言ってるっすよ」

ジーク「いよっ!待ってました」

メラヒ「そろそろ、宴を始めるとするか」


料理と飲み物がテーブルに運ばれて、全員が席に着くと、メラヒが音頭を取る。


メラヒ「これより宴を始める。乾杯ー!」

一同「かんぱーい!」


宴が始まると、それぞれが好き勝手に飲み食いを始める。


レオン「ふむ、熊鍋を初めて食べたが美味いもんだな」

ジーク「煮込んでるから肉がやわらけぇな~」

リリィ「スープにいいダシがでてますわね」

マリン「おいし~」


メラヒ「コロモ、皆に舞を見せてやりな」

コロモ「ヒソヒソ・・・(わかった・・・)」


コロモが中央の舞台に上ると、舞を始める。


ジーク「ん?なんの踊りだ?」

レオン「見た事がないな」

マイコ「あれは舞っつって、遥か東にある町で憶えたんすよ」

リリィ「ステキな踊りね」

ジーク「やんややんや」


リリィ「レオン~、飲み物が入ってませんわよ。注いで差し上げますわ♪」

レオン「すまないな」

ジーク「俺にも俺にも」

リリィ「自分で注ぎなさい」

ジーク「ひでぇー」

マリン「あたしが注いであげる~」

ジーク「クゥ~!かわいいぜー。リリィも少しは見習えよな~」

リリィ「余計なお世話ですわ」


そうこうしていると、あっという間に時間は過ぎていき、夜も更けてきたので宴もお開きとなる。


メラヒ「子供達は寝たかい?」

コロモ「ヒソヒソ・・・(うん)」

マイコ「残りは後片付けっすね」

リリィ「わたくしもお手伝いしますわ」

マリン「あたしもー」


ジーク「ふわぁ~、ねみぃ~」

メラヒ「お前達もクマと戦って疲れたろ?後は任せて、先に寝てな」

レオン「リリィとマリンが働いているのに、我々だけ先に寝るわけにはいかん」

ジーク「グガー!グガー!」

メラヒ「相方はもう寝てるみたいだけどね」

レオン「・・・」


それから数分後。


リリィ「後片付けが終わりましたわ」

マイコ「人手があると早いっす」

メラヒ「後片付けご苦労だったね。あそこに空き家があるから、そこで寝るといいよ」

レオン「わかった」

マイコ「それじゃおやすみっす~」

マリン「おやすみ~」

コロモ「ヒソヒソ・・・(おやすみなさい)」


三姉妹と別れ、空き家へ向かう三人。


レオン「ここが空き家か」


扉を開けて中に入ってみると、そこにはベットが二つしかなかった。


マリン「わーい、ふかふか~」


初めてのベットに興奮するマリン。


リリィ「ベットが二つしかありませんわね」

レオン「俺は外で寝る」

リリィ「それはいけませんわ!一緒に寝ましょう♪」

レオン「マリンと一緒に寝るといいぞ」

マリン「うん!いっしょにねよーう」

リリィ「仕方ありませんわねぇ」

レオン「それじゃおやすみ」

マリン「おやすみー」


レオンが二人を部屋に残して外を歩いていると、寝ていたはずのジークが話しかけてくる。


ジーク「うまく逃げたな」

レオン「起きてたか」

ジーク「マリンの声はでかいからな、目が覚めた」

レオン「フッ、そうか」

ジーク「まぁ座れって」

レオン「そうだな」


ジークの隣に横になると、夜空の星を眺める。


ジーク「こうしていると、昔を思い出すよな」

レオン「そうだな」

ジーク「なぁ、レオン」

レオン「なんだ?」

ジーク「俺は強くなれたのかな」

レオン「どうしたんだ、いきなり?」

ジーク「さっきのクマとの戦いでさ、お前を護りきれなかっただろ?」

レオン「そんな事か」

ジーク「こっちは真剣なんだぜ?」

レオン「お前は強くなった・・・いや、強い。だがそれ以上に、これから出会う敵は強いだろう」

ジーク「そうだよな・・・」

レオン「仲間をもっと頼っても良いのかもしれんな」

ジーク「リリィに助けられたのは事実だしな」

レオン「あぁ、俺達が思ってる以上にリリィは強くなっていたな」

ジーク「しつこい所は昔のまんまだけどな」

レオン「フハハハ、そうだな」


長い沈黙が続く。


ジーク「なぁ、レオン」

レオン「すー、すー」

ジーク「ん?寝てるのか・・・。毛布毛布~」

メラヒ「毛布ならあるぞ」


レオンに掛ける毛布を探しに行こうとすると、近くにメラヒが立っていた。


ジーク「おわっ!?」

メラヒ「騒ぐと起きてしまうぞ」

ジーク「驚かすなよ~。ここでなにやってんだ?」

メラヒ「お前に毛布を持って行こうとしたら、話し声が聞こえたのでな」

ジーク「聞いてやがったな・・・」

メラヒ「悪いな」

ジーク「まぁいいさ、リリィとマリンには言うなよ~?」

メラヒ「わかってるよ」

ジーク「ならいいんだが」


メラヒ「余計な事だとは思うが、あたしからもちょっと言わせてもらうよ」

ジーク「ん?」

メラヒ「女ってだけで、仲間外れにされるのは辛いもんだよ」

ジーク「うーん、そんなつもりはないんだけどな」

メラヒ「お前達はそうだろうけど、二人はどう思うかな?」

ジーク「マリン怒ってたしなぁ~」

メラヒ「そうだろう?これからは二人も頼ってやんなよ」

ジーク「オーライ、レオンと相談しておくよ」

メラヒ「そいじゃ毛布」

ジーク「サンキュー」

メラヒ「あたしは家に戻るよ」

ジーク「おう、おやすみ」


メラヒから毛布を受け取ると、そっとレオンにかけて、自分も寝る事にする。

そして翌朝。


リリィ「レオン!レオン!朝ですよ」

レオン「ん~・・・」

ジーク「お前は朝弱いよな」

レオン「ん~・・・」

ジーク「ダメだこりゃ」


マリン「みんなー、朝ごはんもらってきたよー」


マリンが持ってきたカゴを見てみると、中にはバナナが三本入っていた。


ジーク「どういう事だ?」

マリン「一人一本だってー」

ジーク「なるほどなるほど、後で食べよう」

マリン「すごいおいしいよ!」

リリィ「もちもちとしていて、とっても甘いですわね」

マリン「レオンもたべなよー」

レオン「ん~・・・、すまんな」


バナナを食べていると、ジャングルの方からメラヒが歩いてきて、四人に話しかける。


メラヒ「潜水艇の用意ができたよ」

レオン「そうだ、アクマクアへ行くんだったな」

ジーク「またあの狭苦しい船に乗るのか~」

リリィ「文句言ってないで行きますわよ」

マリン「久しぶりにおうちにかえれる~」


四人はメラヒと共にジァングルを抜け、海岸で停泊していた潜水艇に乗り込む。



―潜水艇―



メラヒ「マイコ、準備はできてるかい?」

マイコ「おっけーっすよ」

メラヒ「それじゃ、後はマイコに任せるよ」

ジーク「ん?お前はこないのか?」

メラヒ「あたしは村の子供達の世話があるからね」

レオン「そうか、忙しいのにすまないな」

メラヒ「マモノってのを放っておけば、いずれはうちの子供達にも被害がでるんだろ?」

レオン「あぁ、世界中に影響はでるだろう」

メラヒ「それなら他人事じゃないからね。これくらい安いもんさ」


そう言うと、ハシゴを昇り潜水艇の外に出る。


マイコ「そんじゃ、出発~」


こうして人魚の町、アクマクアへと向かうのであった。


第五話 完

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