友情と信頼
海賊を助けてしまった一行は、
海賊の潜水艇に乗せてもらい、海賊達の本拠地のある島へと上陸した。
―ラウミー島 海岸―
ジーク「すぅ~、はぁ~。外の空気がうめぇー」
リリィ「キレイな所ですわね」
レオン「ここは何処だ?」
マイコ「ラウミー島っす」
レオン「ふむ、わからんな」
マイコ「地図に載ってないような無人島っすよ」
レオン「そうなのか」
武装女「お前達、これからジャングルを通って村に行くよ」
レオン「村があるのか?」
武装女「あたし達が自分で作った村だけどね」
レオン「興味深いな」
マリン「はやくいこー」
ジーク「行こう行こう」
武装女「鎧の奴、お前は荷物を運びな」
ジーク「えぇー!?」
武装女「なんか文句あるのかい?」
ジーク「運ばせて頂きます」
一行は村を目指してジャングルに入っていくのであった。
―ラウミー島 ジャングル―
ジーク「重いよ~」
マリン「がんばれー♪」
ジーク「よーし、がんばっちゃうぞ~♪」
レオン「(単純だな)」
レオン「ところで、こんなに食料を手に入れてどうするんだ?」
武装女「村の子供達に食べさせるんだ」
ジーク「ふぇ~、お前ら子持ちだったんだな」
武装女「そうだな・・・。とても愛おしい子供達だ」
マイコ「うちらが手に入れた最高の宝っすね」
ジーク「またまた、うまいこと言っちゃって~」
マイコ「ふっふっふ」
数分後。
マリン「う~、あついよぉ~」
リリィ「人魚は暑いのが苦手ですの?」
マリン「うん~。このままだと干物になっちゃうよ~」
ジーク「ちょっと食べてみたい気もするな」
マリン「ひどいよー!」
更に数分後。
ジーク「お、おれも、干物になりそう・・・・」
マイコ「がんばるっすよ~」
ジーク「お前の声は元気が出る所か、力が抜けるんだよな・・・」
マイコ「ふふふ」
リリィ「それなら、わたくしのムチを受ければ元気になるんじゃなくて?」
ジーク「やーだー」
マリン「もうだめぇ~」
レオン「大丈夫か?」
マリン「もうあるけないよぅ」
レオン「仕方ないな・・・。背中に乗れ」
レオンは動けなくなったマリンを背負う。
マリン「ありがと~」
ジーク「あー!レオンずるいぞー!」
レオン「代わるか?」
ジーク「えっ!いいの!?」
マリン「やだー」
レオン「だそうだ。諦めてくれ」
ジーク「うわぁぁあああん!」
悔しさと切なさと荷物を背負い、勢い良く走りだすジーク。
武装女「なんだ元気じゃないか」
リリィ「本当ですわね」
レオン「あいつの体力は底無しだからな」
更々に数分後。
武装女「そろそろ村が見えてくるよ」
レオン「ふぅ・・・、やっとか」
リリィ「さすがに疲れましたわね・・・」
マリン「すやすや」
マイコ「人魚ちゃん、気持ちよさそうに寝てるっすよ~」
レオン「たくさん跳ね・・・、歩いたから疲れたんだろう」
リリィ「そうですわね」
マイコ「寝顔がかわいいっすね~」
武装女「ハハハ、本当だな」
人質女「村に着いた・・・」
やっとの思いでジャングルを抜けると、そこにはひっそりと村があって、先に到着していたジークが休んでいた。
―ラウミー島 秘境の村―
ジーク「みんな遅いぜ~」
レオン「お前が速すぎるんだ」
ジーク「へっへっへ、俊足のラストナイトって言っても過言ではないな」
マイコ「なんすかそれ」
武装女「みんなー!帰ったぞー!」
武装女が大声を出すと、家から小さな子供達が出てきて駆け寄ってくる。
男の子「お姉ちゃん、おかえりー」
女の子「なんか食べ物ある~?」
武装女「あぁ、たくさんあるぞ」
女の子「わーい」
マリン「うぅ~ん・・・」
子供達の声で目が覚めるマリン。
レオン「起きたか?」
マリン「おはよー」
レオン「おはよう」
マリン「おんぶしてくれてありがと」
リリィ「ここの子供達は?」
マイコ「親を亡くした子や、捨てられた子達っす
ジーク「子持ちって、そういう意味だったのか」
マイコ「そういう事っす」
武装女「お前達、そんな所で突っ立ってないで家に入りな」
ジーク「水飲ましてくれぇ~」
武装女に招待されて、家にお邪魔する事となった。
―秘境の村 ミーノウ家―
武装女「適当に座って寛いでいてくれ」
ジーク「水!水!」
マリン「あたしもー」
マイコ「あいよ」
ジーク「ゴクッ!ゴクッ!ぷふぁ~、生き返るねぇ」
マリン「うんうん」
マイコ「ここの水はうまいっすよ」
ジーク「なんていうか軟らかいっていうか、甘いっていうか、美味いな」
マリン「うんうん」
武装女「さてと。ようやく一息ついたところで、自己紹介を始めようか」
武装女「まずはあたしからだが、名前はメラヒ=ミーノウ。ミーノウ海賊団の頭をやっている」
人質女「ヒソヒソ・・・(私はコロモ・・・)」
レオン「(全然聞こえん・・・)」
マイコ「うちはマイコっす。こう見えて頭が良いんすよ」
メラヒ「わかってるとは思うが、あたしらは姉妹だ」
マイコ「全然似てないっすけどね」
ジーク「本当だな」
メラヒ「次はお前達の番だよ」
レオン「俺はレオンハルト。マモノ退治の旅をしている」
ジーク「おれはジークニール。人呼んで俊足のラストナイト」
リリィ「わたくしはリリィ。レオンの旅を手伝っていますわ」
マリン「あたしはねー、マリンっていうの。人魚だよ」
メラヒ「それじゃあ、自己紹介が済んだ所で、今日はパーっと宴でもしようじゃないか」
マイコ「賛成っす」
コロモ「ヒソヒソ・・・(料理の準備してくるね・・・)」
ジーク「おっ、いいね~」
マリン「おまつり~♪」
レオン「メラヒ、二人だけで話したい事がある」
メラヒ「わかった、部屋に来な」
メラヒに案内され、二人は部屋に向かう。
メラヒ「話ってなんだい?」
レオン「人魚の町アクマクアを知っているか?」
メラヒ「知ってるよ」
レオン「潜水艇で人魚の町へ連れて行って欲しい」
メラヒ「なにか事情がありそうだね」
レオン「マモノ退治の事でな」
メラヒ「そうだねぇ・・・。こっちの頼みを聞いてくれれば送ってやるよ」
レオン「頼みとは?」
メラヒ「ジャングルに住み着いている凶暴なクマを退治してもらいたい」
レオン「クマ?」
メラヒ「ただのクマじゃないよ、キングベアーだ」
レオン「ふむ、わかった。仲間と相談してみよう」
部屋を出てジークのもとへと向かう。
レオン「ヒソヒソ・・・(ジーク、ちょっとこい)」
ジーク「ん?」
ジークを連れて家の外に出る。
―ラウミー島 秘境の村―
ジーク「どうしたぁ?」
レオン「クマを倒しに行くぞ」
ジーク「はぁー?」
レオン「クマを倒せば人魚の町に連れていってくれるそうだ」
ジーク「話はわかったが、二人に黙ってていいのか?」
レオン「マリンを護りながらの戦闘は大変だろう?」
ジーク「確かになぁ」
レオン「それに、二人を危険な目にあわせたくないしな」
ジーク「その言葉、リリィに聞かせてやったら喜ぶぞ」
レオン「冗談言ってないでいくぞ」
ジーク「うぇーい」
二人はジャングルの中へ入っていく。
―ラウミー島 ジャングル―
ジーク「う~ん、ジャングルっつっても広すぎないか?」
レオン「確かにな」
ジーク「いきなり目の前に出てきてくれないかね」
レオン「喜べ、出てきたぞ」
二人が探索していると、茂みの中からキングベアーが姿を現した。
ジーク「ラッキー」
レオン「さっさと倒して帰るか」
クングベアー「クマァァァアァン!」
ジーク「なんか怒ってるぞ」
レオン「こっちに来るぞ!」
ジーク「俺にまかせなって」
ジークがレオンの前に立ち、盾を構えて反撃姿勢に入ると、キングベアーが二人めがけて突進してくる。
ジーク「へっへっへ、攻撃してこい」
ギングベアー「クマァァァアアアアン!」
キングベアーはジークめがけてパンチを繰り出すが、盾を使って受け流され、その隙に槍を深く突き刺される。
カァン!ズシュゥ!!
キングベアー「イタァイ!」
ジーク「大成功~」
レオン「お前も頭を使うようになったな」
ジーク「まぁな~。今の一撃はかなり手ごたえがあったぜ」
そんなジークの思いとは裏腹に、キングベアーの怒りは激しさを増し、先ほどより凶暴になっていた。
キングベアー「クマァアァァァアン!!」
ジーク「バケモノだー!」
レオン「お前が言うな」
ジーク「もう一回カウンターだぜ」
先程と同じように盾を構え、反撃姿勢に入るが、学習したキングベアーは回り込んでレオンを狙った。
ジーク「なにー!?」
キングベアー「クマァァァアン!」
レオン「こっちか!」
心の剣を使い攻撃を防ぐが、キングベアーの強靭な筋肉の前では、競り負けるのも時間の問題に見えた。
レオン「クッ!まずいな・・・」
ジーク「このクマ、俺を無視しやがってー!こうしてやる!」
ザシュ!ザシュ!
キングベアーの背後から何度も槍で突き刺すが、怒りのあまり痛みを感じなくなり、怯む気配がなかった。
キングベアー「クマァァァァン!」
レオン「後は任せた・・・」
ジーク「諦めんなって!」
レオンが諦めかけたその時、キングベアーの背後から一本のムチが飛び出してきて、首をきつく締め上げる。
キングベアー「ギャ・・・ア・・・!」
ジーク「このムチ・・・、リリィか?」
ムチが飛び出してきた方を見てみると、そこには木の上に立つリリィの姿があり、クマよりも怒っていた。
リリィ「レオン!わたくしに黙っていくなんて、あんまりじゃありませんこと!?」
レオン「す、すまない・・・」
リリィ「なら結婚してくださいませ♪」
レオン「こ、ことわる・・・」
ジーク「今はそんな事やってる場合じゃないだろうが!」
リリィ「そうでした、クマを倒さないといけませんわね」
そう言うと、リリィはキングベアーが居る方向とは逆の方向に飛び降り、木を滑車代わりに使ってクマを吊り上げる。
リリィ「さすがに重いですわね」
リリィの軽い体重では、キングベアーの巨体を数cmしか浮かばせる事ができなかった。
ジーク「動きを止めただけでも上出来だぜ」
レオン「あぁ、助かった」
リリィ「今のうちにトドメを!」
ジーク「よっしゃー、まかせろー!」
ジークは槍を構えると、キングベアーめがけて力一杯に投げる。
ジーク「でやぁー!」
投げた槍は見事にキングベアーの胸に突き刺さるが、強靭な筋肉に阻まれ刺さりが浅かった。
ズシュ!!
レオン「浅いな」
ジーク「ここからが本番よ」
そう言って盾を右手に持ち替えると、胸に刺さった槍めがけて投げつける。
ジーク「そいやー!」
投げた盾は槍の石突き部分に当たり、より深く胸に突き刺さる。
カァン!ズシュシュ!
キングベアー「・・・」
レオン「終わったか」
ジーク「これで、降ろした瞬間に生き返るとかないよな」
レオン「既に息はしていない。大丈夫だろう。リリィ、助かった。もう降ろしていいぞ」
リリィ「はーい」
ジーク「ふぇ~、疲れたなぁ」
レオン「ジーク、まだ休むわけにはいかないぞ。クマを村まで運ばないとな」
ジーク「そうだったな・・・」
レオン「今度は俺も手伝うよ」
リリィ「わたくしも手伝いますわ」
ジークが両足を持ち、レオンとリリィがそれぞれ片腕を担ぐ。
ジーク「よいしょっと。じゃ帰るか」
こうして、倒したキングベアーを村に持ち帰るのであった。
―ラウミー島 秘境の村―
三人が村に戻ってみると、三姉妹が宴の準備をしていた。
ジーク「おーい!クマ倒してきたぞ~」
マイコ「うひゃー、すごいっすね」
レオン「これでアクマクアに送ってもらえるな?」
メラヒ「あぁ、約束は守るよ」
マリン「みんなー、あたしをおいていくなんてひどいよー!」
レオン「ごめんな」
ジーク「クマでも食べて機嫌なおしてくれよ」
マリン「クマ~♪」
メラヒ「今日はごちそうだねぇ」
コロモ「ヒソヒソ・・・(解体するね・・・)」
キングベアーを解体すると、鍋に投入して煮込み始める。
ジーク「あ~、良い匂いだなぁ」
マイコ「久しぶりの肉っす」
男の子「こいつ、あしがないじょー」
女の子「へんなのー」
マリン「あーうー、ひっぱらないで~」
メラヒ「二人ともやめないか、マリンが嫌がってるだろう?」
男の子と女の子「ごめんなさーい」
ジーク「イジりたくなる気持ちは、わからんでもないがな」
レオン「フハハハ、そうだな」
コロモ「ヒソヒソ・・・(熊鍋できたよ・・・)」
マイコ「みなさんー、コロモ姉さんが熊鍋できたって、言ってるっすよ」
ジーク「いよっ!待ってました」
メラヒ「そろそろ、宴を始めるとするか」
料理と飲み物がテーブルに運ばれて、全員が席に着くと、メラヒが音頭を取る。
メラヒ「これより宴を始める。乾杯ー!」
一同「かんぱーい!」
宴が始まると、それぞれが好き勝手に飲み食いを始める。
レオン「ふむ、熊鍋を初めて食べたが美味いもんだな」
ジーク「煮込んでるから肉がやわらけぇな~」
リリィ「スープにいいダシがでてますわね」
マリン「おいし~」
メラヒ「コロモ、皆に舞を見せてやりな」
コロモ「ヒソヒソ・・・(わかった・・・)」
コロモが中央の舞台に上ると、舞を始める。
ジーク「ん?なんの踊りだ?」
レオン「見た事がないな」
マイコ「あれは舞っつって、遥か東にある町で憶えたんすよ」
リリィ「ステキな踊りね」
ジーク「やんややんや」
リリィ「レオン~、飲み物が入ってませんわよ。注いで差し上げますわ♪」
レオン「すまないな」
ジーク「俺にも俺にも」
リリィ「自分で注ぎなさい」
ジーク「ひでぇー」
マリン「あたしが注いであげる~」
ジーク「クゥ~!かわいいぜー。リリィも少しは見習えよな~」
リリィ「余計なお世話ですわ」
そうこうしていると、あっという間に時間は過ぎていき、夜も更けてきたので宴もお開きとなる。
メラヒ「子供達は寝たかい?」
コロモ「ヒソヒソ・・・(うん)」
マイコ「残りは後片付けっすね」
リリィ「わたくしもお手伝いしますわ」
マリン「あたしもー」
ジーク「ふわぁ~、ねみぃ~」
メラヒ「お前達もクマと戦って疲れたろ?後は任せて、先に寝てな」
レオン「リリィとマリンが働いているのに、我々だけ先に寝るわけにはいかん」
ジーク「グガー!グガー!」
メラヒ「相方はもう寝てるみたいだけどね」
レオン「・・・」
それから数分後。
リリィ「後片付けが終わりましたわ」
マイコ「人手があると早いっす」
メラヒ「後片付けご苦労だったね。あそこに空き家があるから、そこで寝るといいよ」
レオン「わかった」
マイコ「それじゃおやすみっす~」
マリン「おやすみ~」
コロモ「ヒソヒソ・・・(おやすみなさい)」
三姉妹と別れ、空き家へ向かう三人。
レオン「ここが空き家か」
扉を開けて中に入ってみると、そこにはベットが二つしかなかった。
マリン「わーい、ふかふか~」
初めてのベットに興奮するマリン。
リリィ「ベットが二つしかありませんわね」
レオン「俺は外で寝る」
リリィ「それはいけませんわ!一緒に寝ましょう♪」
レオン「マリンと一緒に寝るといいぞ」
マリン「うん!いっしょにねよーう」
リリィ「仕方ありませんわねぇ」
レオン「それじゃおやすみ」
マリン「おやすみー」
レオンが二人を部屋に残して外を歩いていると、寝ていたはずのジークが話しかけてくる。
ジーク「うまく逃げたな」
レオン「起きてたか」
ジーク「マリンの声はでかいからな、目が覚めた」
レオン「フッ、そうか」
ジーク「まぁ座れって」
レオン「そうだな」
ジークの隣に横になると、夜空の星を眺める。
ジーク「こうしていると、昔を思い出すよな」
レオン「そうだな」
ジーク「なぁ、レオン」
レオン「なんだ?」
ジーク「俺は強くなれたのかな」
レオン「どうしたんだ、いきなり?」
ジーク「さっきのクマとの戦いでさ、お前を護りきれなかっただろ?」
レオン「そんな事か」
ジーク「こっちは真剣なんだぜ?」
レオン「お前は強くなった・・・いや、強い。だがそれ以上に、これから出会う敵は強いだろう」
ジーク「そうだよな・・・」
レオン「仲間をもっと頼っても良いのかもしれんな」
ジーク「リリィに助けられたのは事実だしな」
レオン「あぁ、俺達が思ってる以上にリリィは強くなっていたな」
ジーク「しつこい所は昔のまんまだけどな」
レオン「フハハハ、そうだな」
長い沈黙が続く。
ジーク「なぁ、レオン」
レオン「すー、すー」
ジーク「ん?寝てるのか・・・。毛布毛布~」
メラヒ「毛布ならあるぞ」
レオンに掛ける毛布を探しに行こうとすると、近くにメラヒが立っていた。
ジーク「おわっ!?」
メラヒ「騒ぐと起きてしまうぞ」
ジーク「驚かすなよ~。ここでなにやってんだ?」
メラヒ「お前に毛布を持って行こうとしたら、話し声が聞こえたのでな」
ジーク「聞いてやがったな・・・」
メラヒ「悪いな」
ジーク「まぁいいさ、リリィとマリンには言うなよ~?」
メラヒ「わかってるよ」
ジーク「ならいいんだが」
メラヒ「余計な事だとは思うが、あたしからもちょっと言わせてもらうよ」
ジーク「ん?」
メラヒ「女ってだけで、仲間外れにされるのは辛いもんだよ」
ジーク「うーん、そんなつもりはないんだけどな」
メラヒ「お前達はそうだろうけど、二人はどう思うかな?」
ジーク「マリン怒ってたしなぁ~」
メラヒ「そうだろう?これからは二人も頼ってやんなよ」
ジーク「オーライ、レオンと相談しておくよ」
メラヒ「そいじゃ毛布」
ジーク「サンキュー」
メラヒ「あたしは家に戻るよ」
ジーク「おう、おやすみ」
メラヒから毛布を受け取ると、そっとレオンにかけて、自分も寝る事にする。
そして翌朝。
リリィ「レオン!レオン!朝ですよ」
レオン「ん~・・・」
ジーク「お前は朝弱いよな」
レオン「ん~・・・」
ジーク「ダメだこりゃ」
マリン「みんなー、朝ごはんもらってきたよー」
マリンが持ってきたカゴを見てみると、中にはバナナが三本入っていた。
ジーク「どういう事だ?」
マリン「一人一本だってー」
ジーク「なるほどなるほど、後で食べよう」
マリン「すごいおいしいよ!」
リリィ「もちもちとしていて、とっても甘いですわね」
マリン「レオンもたべなよー」
レオン「ん~・・・、すまんな」
バナナを食べていると、ジャングルの方からメラヒが歩いてきて、四人に話しかける。
メラヒ「潜水艇の用意ができたよ」
レオン「そうだ、アクマクアへ行くんだったな」
ジーク「またあの狭苦しい船に乗るのか~」
リリィ「文句言ってないで行きますわよ」
マリン「久しぶりにおうちにかえれる~」
四人はメラヒと共にジァングルを抜け、海岸で停泊していた潜水艇に乗り込む。
―潜水艇―
メラヒ「マイコ、準備はできてるかい?」
マイコ「おっけーっすよ」
メラヒ「それじゃ、後はマイコに任せるよ」
ジーク「ん?お前はこないのか?」
メラヒ「あたしは村の子供達の世話があるからね」
レオン「そうか、忙しいのにすまないな」
メラヒ「マモノってのを放っておけば、いずれはうちの子供達にも被害がでるんだろ?」
レオン「あぁ、世界中に影響はでるだろう」
メラヒ「それなら他人事じゃないからね。これくらい安いもんさ」
そう言うと、ハシゴを昇り潜水艇の外に出る。
マイコ「そんじゃ、出発~」
こうして人魚の町、アクマクアへと向かうのであった。
第五話 完