表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心の在処  作者: Jemko
本編
4/10

おっさんとジーク

クインシーンを出発した三人は、常夏の町サンシャインを目指して街道を歩いていた。

―海沿いの街道―


ジーク「ヒュー、海が見えるぜ~」

レオン「潮風が心地良いな」

リリィ「レオン~、後で泳ぎにいきましょうよ~」

レオン「遊びに来てるわけじゃないんだぞ」

リリィ「もう!少しくらい良いでしょ!」

レオン「ダメだ」

リリィ「むー!」

ジーク「まぁまぁ、そう堅い事言うなよ。マモノはビーチにいる!俺の勘がそう告げる!」

リリィ「ジークの言うとおりですわ♪」

レオン「ダメだ」

ジーク「ぐぬぬ」

リリィ「町が見えてきましたわよ」


長い事街道を歩き、ようやくサンシャインに到着する。



―サンシャイン―



ジーク「うっひょー、水着ギャル!」

レオン「ここからは情報集めの為に別行動するぞ」

ジーク「オーライ、俺は女の子達に話を聞いてくるぜ!」


猛スピードで海へ向かうジーク。


レオン「集合場所を聞いてから行けよ・・・」

リリィ「わたくしはレオンと一緒に行動しますわ♪」

レオン「そうだな」


レオンとリリィは二人で町を探索する事になった。


リリィ「レオン~、あそこのお店になにかありそうですわよ」

レオン「入ってみるか」


リリィに連れられ服屋に入る。


リリィ「レオン~、この服どう~?」

レオン「かわいいな」

リリィ「それじゃこれは~?」

レオン「かわいいよ」

リリィ「じゃあじゃあ、これは~?」

レオン「かわいいぞ」

リリィ「キャー、困っちゃう~」

レオン「(ジーク、助けてくれ・・・)」


その頃、ジークはビーチでナンパをしていた。



―サンビーチ―



ジーク「そこの君!俺とデートしない?」

ギャル「キャー、変態!」

ジーク「逃げる事ないだろうに」


数分後。


ジーク「そこのお姉さーん、俺とデートしない?」

ギャル「キャー、変態!」

ジーク「う~ん、なにが問題なんだろうな」

おっさん「その格好じゃないのかね」

ジーク「言われてみれば、砂浜で鎧着てたらおかしいか」


ジーク「てか、おっさん誰だ?」

おっさん「おれかぁ?おれはこのビーチの管理人だ」

ジーク「ふぇ~」

おっさん「お前こそ誰だ?」

ジーク「おれかぁ?おれは騎士だ」

おっさん「こんなご時世に騎士とは珍しいな」

ジーク「そうだろそうだろ、ラストナイトと言っても過言ではないな」

おっさん「そのラストナイトがなんでこんな所にきたんだぁ?」

ジーク「そりゃもう話せば長くなるんだがな」

おっさん「20文字以内にまとめてくれ」

ジーク「そうだな、マモノを退治しに来た」

おっさん「マモノぉ?」

ジーク「そうなんだよ、おっさんなんか知らないか?」

おっさん「しらねぇなぁ」

ジーク「そうだよな、おっさんだもんな」

おっさん「おっさん今、少し傷ついたな」

ジーク「悪い悪い。ところでおっさん、カキ氷奢ってくれよ」

おっさん「なに味がいいんだ?」

ジーク「そりゃもうメロン」

おっさん「おっさんもなぁ、メロン好きなんだ」

ジーク「だろだろー?」


二人はかき氷を食べようと、ビーチ入り口付近の階段に腰掛けると、"シャリシャリ"とかき混ぜ"パクリ"と一口食べれば、頭が"キーン"とするお約束を楽しんでいた。


ジーク「この感じが堪らないぜ!」

おっさん「そうだなぁ」

ジーク「ところでおっさん。管理人って言ってたけどよ、ただボーッっとしてるだけなのか?」

おっさん「いやそれがなぁ、前は違ったんだけどなぁ、最近やる気が出なくてなぁ」

ジーク「ふぇ~」

おっさん「なんなんだろうなぁ、歳なのかなぁ」

ジーク「おっさん何歳?」

おっさん「58」

ジーク「ヒュー、35くらいに見えるぜ」

おっさん「そうかぁ?」

ジーク「あぁ、イカしてるぜ」

おっさん「そう言われると、なんだかやる気が出てくるぞぉ」


こんな世間話をして目的を忘れているジーク。

その頃、レオンとリリィの二人は・・・。



―サンシャイン―



レオン「リリィ、そろそろジークを探しに行こう」

リリィ「えー、もうちょっと買い物しましょうよ」

レオン「しかし、そろそろ日が暮れてしまうしな」

リリィ「もうそんな時間ですの?」

レオン「あぁ、ジークが迷子になったら困るだろ?」

リリィ「そうなったら、二人っきりで旅ができますわね」

レオン「・・・(一筋縄ではいかないな・・・)」

リリィ「レオン?どうなさったの?」

レオン「リリィ、海辺の夕焼けを見に行こう」

リリィ「まあ!ロマンチックですわね♪」

レオン「そうだろうそうだろう」


上手くリリィを釣ったレオンは、ジークがいると予想しているビーチに向かった。



―サンビーチ―



ビーチに到着した二人が最初に見たモノは、夕焼けでも海でもなく、階段に腰掛けたおっさんとジークの姿だった。


ジーク「そうか~、おっさんも大変だったんだなぁ」

おっさん「そうなんだよ、わかってくれるか・・・」

ジーク「あぁ、わかるとも。俺も仲間にこき使われてるんだ」

おっさん「そうかそうか、お前も大変だなぁ」


レオン「ジーク、なにやってるんだ?」

ジーク「おぉ、レオン。お前にも紹介するよ、この人はビーチ管理人のおっさん」

おっさん「やぁやぁ、ラストナイトから話は聞いているよ」

レオン「どうも(このおっさん、胸が光っている・・・。だが、光の色が黒いぞ・・・?)」

レオン「ジーク、ちょっと来てくれ」

ジーク「ん?なんだ?」


少し離れた場所へジークを連れて行く。


レオン「あのおっさん、胸に黒い光が出ているんだ」

ジーク「なに!?」

レオン「もしかしたらマモノが巣食っているのかもしれん」

ジーク「そういや、おっさんが最近やる気がでない、って言ってたな」

レオン「当たりか・・・」

ジーク「よーし、俺がおっさんに話をつけてくるぜ」


おっさんのもとへ戻る二人。


ジーク「おっさん!」

おっさん「どうしたぁ?」

ジーク「俺の探してるマモノってのがさ、おっさんの心の中にいるみたいなんだ」

おっさん「またまたぁ、おっさん騙されないよ」

ジーク「いやいや、本当なんだって。おっさん最近調子が悪いんだろ?」

おっさん「まぁたしかになぁ」

ジーク「マモノってのが心に入ると、そうなっちまうんだよ多分」

おっさん「そうなのかぁ」

ジーク「だが安心していいぜ!俺たちがそのマモノをぶちのめしてやる」

おっさん「心の中にいるんだろぉ?どうやってぶちのめすんだぁ?」

ジーク「へっへっへ、おっさんちょっと目を瞑ってみな」

おっさん「こうかぁ?」

ジーク「ヒソヒソ・・・(レオン、今だ)」

レオン「ヒソヒソ・・・(でかしたぞ)」


おっさんが目を閉じている間に心の鍵を使う。

すると、辺りが光に包まれ三人を飲み込んでいく。



―精神世界―



レオン「ここが精神世界か」

ジーク「げぇ~、なんだよここ。ごみ溜めじゃねぇか」

リリィ「汚いですわ」


心の扉を抜けた先には、悪臭漂うゴミ捨て場の様な場所が広がっていた。


ジーク「おっさんの心の中をこんなにしやがって!絶対にゆるせねぇ」

レオン「そうだな、マモノを見つけるとするか」

リリィ「さっさと倒して、早く帰りましょう」


ゴミ捨て場の中を探索していると、遠くから大きな音が聴こえて来る。


???「グゴゴゴゴゴ」

ジーク「なんか音がするぞ」

リリィ「イビキかしら?」

レオン「行ってみるぞ」


イビキの聴こえる方へ行ってみると、そこには巨大なハッピーターンみたいな形の生き物がいた


ジーク「うわぁ、でけぇー」

レオン「こいつを倒すのは、骨が折れそうだな」

リリィ「変な生き物ですわね」

???「グゴゴゴゴゴゴ」

レオン「寝てるようだし、サクっと切って終わらせるか」


マモノに近寄り、剣で切ろうとしたその時、突然寝返りを打ち始める。


レオン「なに!?」

ジーク「危ないぞ避けろ!」

リリィ「キャー!」


三人は危機一髪の所で回避する事に成功したが、ゴミの中に突っ込んでしまう。


レオン「二人とも大丈夫か?」

リリィ「大丈夫じゃありませんわ・・・」

ジーク「クッセー!」

???「グゴゴゴゴゴ」

ジーク「くっそー!頭にきたぜ」


ジークは持っていた槍をマモノめがけて投げつける。


ズシュ!

???「イデェェエェェエエ!!!」

ジーク「よっしゃ、ざまぁないぜ」

???「ダレダオマエラァ!!」

レオン「お前こそ誰だ?」

怠惰「メンドクセーケド、オシエテヤル。オレノナハタイダ」

ジーク「鯛だかなんだかしらねぇが、今すぐぶちのめしてやるぜ!」

怠惰「グフッフフフ。オマエラゴトキニ、オレハタオセナイ」

ジーク「上等だオラァ!かかってこいや」

怠惰「ヤダネ」

ジーク「このやろー!」

レオン「ジーク、落ち着け!」


怠惰の挑発に乗り、真正面から向かっていくジーク。


ジーク「心配すんなって、こんなデカイだけの奴に負けるかよ」

怠惰「グフッフフフ」


案の定ジークめがけ寝返りを打ち始めるが、今度は先ほどよりも数倍早くなっていた。


ジーク「ぐぉおお、こんなの聞いてねぇぞ!」

怠惰「グフッフフフ」


なんとか盾で防ぐ事はできたが、押し潰されるのは時間の問題に見えたので、急いでレオンが助けに向かう。


レオン「リリィ、援護を頼む」

リリィ「まかせて!」


レオンは怠惰のもとに駆け寄ると、体を何度も何度も切りつけ、リリィは離れた場所からムチを打つ。

ザシュ!ザシュ!バチィン!


怠惰「コレハタマラン」

ジーク「チャーンス!」


二人の容赦ない攻撃に、怠惰が怯んで体を退かせると、その隙にジークがその場を離れる。


ジーク「いやぁ~、助かった」

怠惰「ブッツブシテヤルドオオオン!」

リリィ「また来ますわ!」

レオン「一旦逃げるぞ!」

ジーク「うぇーい」


三人は全力で走り、心の扉へと引き返す。


ジーク「あいつは追いかけてこないみたいだな」

レオン「面倒なんだろう」

リリィ「それで、どうしますの?」

レオン「ロバート王は、心の剣でトドメを刺すと言っていたが、攻撃が効いているようには見えなかった」

ジーク「そうだなぁ、グフグフ笑ってたしなぁ」

レオン「どこかに弱点がないものか」

リリィ「そういえば、背中に宝石のようなモノがありましたわ」

レオン「背中か・・・」

ジーク「でもよー、あいつ寝てるから背中なんて攻撃できないぜ?」

レオン「俺に考えがある、ジーク耳を貸せ」

ジーク「ん?」


二人「ヒソヒソ」


ジーク「オーライ、任せときな」

レオン「リリィは離れた場所から敵を観察してくれ」

リリィ「わかりましたわ」

レオン「それじゃ、作戦開始だ」

ジーク「鎧は脱いでおくか」


レオンの突然の提案により、作戦を開始する事となった。


怠惰「ヌ~ン?オマエマタキタノカ?メンドクセーナァ」

ジーク「そう言うなって、俺と遊ぼうぜ。それと槍は返してもらうぞ」


先ほど投げて怠惰の体に突き刺さった槍を回収する。


ザシュ!ザシュ!

怠惰「イデェェェェェエエ!!」

ジーク「わりぃ~、抜こうと思ったら刺しちゃった」

怠惰「グオォオオオオオオ!!」


さすがに腹が立ったのか、高速寝返りを繰り返しながらジークに突進していく。


ジーク「へへへ、こっちだこっち」


鎧を脱いだジークは風のように早く、高速寝返りでも追いつく事はできなかった。


怠惰「サソッテオイテ、ニゲルノカ・・・。メンドクセェナ」


追いかけるのが面倒になってきたのか、怠惰が戻ろうとする。

すると、再び槍で突き刺し挑発する。


ザシュ!ザシュ!

怠惰「イデェェェェェエエ!」

ジーク「へへへ、バーカ」

怠惰「クソガァァァァアアア」


こんな事を何回か繰り返し、ようやくレオンに指定された場所に到着した。

すると、ジークは急に立ち止まり、振り返ったと思いきや、突進してくる怠惰の巨体を両手で受け止める。


怠惰「ナ、ナンダ!?」

ジーク「ここまでの移動ご苦労さん」

怠惰「クソッ、ワナカ!ハヤクモドラネバ!」


動きを止められ、逃げようとする怠惰。

しかし、ジークの魔の手からは逃れられなかった。


ジーク「へっへっへっ、逃がさないぜぇえええ!!」


逃げられないように、巨体を持ち上げ始める。


怠惰「ナンダトォォォォン!?」

ジーク「く、くっそぉ。重いぜ・・・」


これだけの巨体を持ち上げるのは無理かと諦めそうになるジーク。

その姿を見ていたリリィが、怒りの闘魂注入をする。


リリィ「ジーク!しっかりなさい!」

バチィン!

ジーク「いってええええええぇぇぇ!!」


ムチで打たれた痛みを力にかえて一気に巨体を持ち上げると、怠惰の背中が上向きになりコアが露出する。


ジーク「レオーン!やれぇええええい!!」


予めゴミ山に登って待機していたレオンは、ジークの合図と共に怠惰の背中に飛び移り、露出したコアに剣を突き立てる。


レオン「ハァッ!!」

ズシュッ!

怠惰「ヌワァアァァァァァ!!」


コアが破壊されると、怠惰の肉体は黒いモノとなり剣に吸い込まれる。

それと同時に、地震のような揺れが起こり始め、精神世界が崩壊していく。


リリィ「な、なんですの!?」

レオン「マモノを倒した事で、奴の世界が崩れ始めたのだろう」

ジーク「そりゃやばいぜ、早く戻ろう」


精神世界の崩壊に巻き込まれないよう、急いで扉を目指す三人。

途中で鎧を回収して、無事に現実世界へと生還する。



―サンビーチ―



レオン「元の世界に戻ったか」

ジーク「だぁー!疲れた」

リリィ「お風呂に入りたいですわ・・・」

おっさん「そろそろ目を開けていいかぁ?」

ジーク「おう、いいぜ」


おっさん「それでぇ、マモノってのは倒せたのかぁ?」

ジーク「おうよ、やる気出てきただろ?」

おっさん「そういえばぁ、なんだか元気になったなぁ」

レオン「(喋り方は変わってないな)」

ジーク「ハッハッハ、よかったよかった。これで一件落着だぜ」

おっさん「よーし!元気が出てきた所で、三人にお礼をしよう」

ジーク「おぉー!マジでぇー!?」

おっさん「三人共、汚れてて臭いからなぁ。おっさんのホテルに泊めてやろぉ」

ジーク「おっさん気が利くぜー」

リリィ「ホテルにはお風呂がありますの?」

おっさん「あるぞぉあるぞぉ、でっかいのがあるぞぉ」

リリィ「まぁ!素敵ですわ♪」

レオン「おっさんの厚意に甘えようか」


おっさんの厚意でサンシャイン最大のホテル、サンシャインホテルに泊めてもらえる事になった。



―サンシャインホテル―



おっさん「ここがおっさんのホテルだぞぉ」

ジーク「どひゃー!でっけー」

おっさん「そうだろぉでっかいだろぉ」

従業員「社長!」


ホテルに入ると、従業員らしき男がおっさんのもとに駆け寄ってくる。


おっさん「やぁやぁ、仕事は頑張っているかぁ?」

従業員「社長が全然出社なさらないので、皆パニックですよ」

おっさん「そうかぁ、それはすまなかったなぁ。でも、もう大丈夫だ」

おっさん「後ろにいる三人のおかげでな、すっかり元気だぞぉ」

従業員「それはよかった。皆様、社員一同に代わりお礼を申し上げます」

レオン「仕事でやったまでだ、気にする事は無い」


おっさん「それより君、彼等を泊めてあげるから、部屋に案内してあげなさい」

従業員「わかりました。皆様お部屋にご案内致します」


従業員に案内されて、それぞれの部屋に入る。



―サンシャインホテル レオンの部屋―



レオン「ふぅ、疲れたな・・・。そういえば、マモノを吸い込んでから剣の様子が変だな」


トントントントン!

レオンが考え込んでいると、誰かがドアをノックする。


レオン「開いてるよ」


ガチャ!


ジーク「レオーン、風呂いこうぜ」

レオン「あぁ、そうだな」

ジーク「リリィも誘うか」


二人は部屋を出て、隣のリリィの部屋と向かう。



―サンシャインホテル―



トントントン!


ジーク「リリィー、風呂いこうぜー」

ジーク「・・・」

レオン「寝てるんじゃないか?」

ジーク「いやいや、あんな汚れたまま寝ないだろ」

レオン「それじゃあ、お前に誘われるのが嫌とか」

ジーク「ありえるから困る」


トントントン!


レオン「リリィー、風呂に行かないか?」

レオン「・・・」

ジーク「こりゃいないな」

レオン「そうだな、俺達だけで行くか」


二人だけで風呂に入る事にして浴場を探すが、一向に見つかる気配がなかった。


ジーク「このホテル広いな」

レオン「シュタイン城よりでかいかもな」

ジーク「えぇい!諦めるものか!」


再び浴場を探し回っていると、前方からリリィが歩いてくる。


リリィ「あら?二人ともどうなさったの?」

ジーク「風呂探してんだよ」

リリィ「浴場なら屋上にありますわよ」

ジーク「なにー!?」

レオン「どうりで探しても見つからない訳だ」

ジーク「無駄にシャレた事しやがってぇ・・・」

リリィ「それじゃあ、わたくしは部屋に戻りますわね」

レオン「あぁ、ありがとう」


リリィと別れ、屋上へと向かった。



―サンシャインホテル 大浴場―



屋上に着いた二人は、体を綺麗に洗って湯船に飛び込む。

バシャーン!


ジーク「うっひょー!気持ち良い~」

レオン「生き返るな~」

おっさん「やぁやぁ、二人とも」

ジーク「おっさんも風呂入ってたのか」

おっさん「折角、心が綺麗になったんだ、体も綺麗にしたいだろぉ?」

ジーク「そりゃそうだな」

レオン「そうだ、おっさん」

おっさん「なんだぁ?」

レオン「この町で、他にマモノにとり憑かれている人間がいないか調べて貰えないか?」

おっさん「あぁ、いいぞぉ」

レオン「すまないな」


レオン「(残りのマモノは11体、あんな奴がゴロゴロいるとなれば厄介だな・・・)」

ジーク「レオン~、そんなしかめっつらでなに考えてんだ」

レオン「もうゴミ捨て場で戦うのは嫌だと思ってな」

ジーク「ちげぇねぇな」


おっさん「さてさて、おっさんは先にあがるよ」

ジーク「あいよー」

レオン「俺たちはもう少し温まるか」


それから30分程、湯船に浸かり、十分に温まった所で風呂を出て部屋に戻る二人。



―サンシャインホテル―



ジーク「あぁ~、のぼせたぁ~」

レオン「長く浸かりすぎたな・・・」


ジーク「そいじゃ、俺はもう寝る」

レオン「あぁ、俺も寝るよ」


部屋に戻った二人は深い眠りについた。



―サンシャインホテル レオンの部屋―



そして翌朝。ドアのノック音で目が覚める。

トントントントン!


レオン「んー・・・」

ジーク「入るぞ~」


ガチャ!


ジーク「おっさんがごちそうしてくれるってよ~」

レオン「ふわぁ~、そうか」

ジーク「早く行こうぜー」

レオン「着替えるから先に行っててくれ」

ジーク「オーライ、リリィに声かけてくる」


そう告げると部屋を出ていく。



―サンシャインホテル―



トントントン!


ジーク「リリィー、メシ食いにいこうぜー」


ジークの呼び声に反応してドアが開く。

ガチャ!


リリィ「朝から騒がしいですわね」

ジーク「おっさんがごちそうしてくれるんだぜ」

リリィ「それはいいけど、レオンは?」

ジーク「着替え中」

リリィ「ふぅ~ん」


そこに着替えを終えたレオンがやってくる。


レオン「待たせたな」

リリィ「あら!わたくしが選んて差し上げた服をもう着てらっしゃるのね♪」

レオン「昨日の戦闘で服が汚れてしまったからな」

リリィ「お似合いですわよ」

レオン「そりゃどうも」

ジーク「はやく行こうぜ」


三人揃った所で、1階のレストランへと向かう。



―サンシャインホテル レストラン―



ジーク「おっさーん!連れてきたぜ」

おっさん「やぁやぁ、用意ができてるよ」

レオン「ご馳走になります」

おっさん「おーい、料理運んできて」


三人が席に着くと、料理が次々と運ばれてくる。


料理人「おまたせしやした」

ジーク「うひょー!うまそう」

料理人「フルコースとなっておりやす」

おっさん「さぁさぁ、召し上がれ」


三人「いただきます」


レオン「この料理うまいな」

リリィ「ええ、本当においしいですわ」

ジーク「ふほひほっへはへっへひいはは」

レオン「飲み込んでから喋れ」

ジーク「ゴクン。少し持って帰っていいかな?」

おっさん「いいぞいいぞ、シェフ!お弁当作ってあげなさい」

料理人「へーい」


三人はお腹いっぱいご馳走になり、お弁当まで持たせてもらった。

そして、おっさんとの別れの時はやってきた。


おっさん「レオン君、君に頼まれていた調査だが」

レオン「何かわかりましたか?」

おっさん「おっさん以外に、とり憑かれた人間はいなそうだよ」

レオン「そうですか・・・。お世話になりました」

ジーク「おっさん!弁当ありがとな!」

リリィ「今度はお父様も連れてきますわね」」

おっさん「それじゃ、また遊びにおいで」


おっさんに挨拶を済ませた三人はホテルの外に出る。



―サンシャイン―



ジーク「んで~、次はどこ行くんだ?」

リリィ「このまま先に進めば、港町ミウミウに着きますわ」

ジーク「う~ん、港にギャルはいなそうだな」

レオン「またおっさんと仲良くなればいいだろう」

ジーク「そうだな、そうするか」


こうして、サンシャインで怠惰を倒した一行は、港町ミウミウを目指して出発するのであった。


第三話 完

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ