主人公の知らない病ん百合
ペットボトルたまった/(^o^)\
縛り:文字数800文字まで
『ペットボトルは第3水曜日だけ』
という、非常に面倒臭い地区の決まり。
1ヶ月あるのに捨てれる日が1日だけ。
「早く帰って本読みたい」
などと口にしながら、私は空のペットボトルを雑に、青いカゴに入れている。
晴れでよかった、雨だと私が濡れちゃう。
「朝の読書は大切なのに」
大学受験があるから勉強しろ? いやいや、まずは読書。2番目に勉強。
「おはようございます、先輩」
空のペットボトルを全部入れ、帰ろうとしたら挨拶された。
「先輩も仕分けですか?」
純粋そうな明るい顔で、『中学生』のサラさんは聞いてくる。
私は高校生なのになぜ先輩と? 名前でいいのに。
「10本、お疲れ様です」
そう言ってニコっと笑いかけてくる。
「それ、全部先輩のですか?」
「う、うん、まあ」
なんとなく、笑みが深くなったような。いや、気のせいだろう。
何で数知ってるんだろう? てか、合ってるのかな?
「私も仕分けなんです」
よく見ると右手に透明なゴミ袋を持っている。中身はない、空。入れ終わったのだろう。
透明な袋、流行ってんのかなあ。違う袋でもいいけど、どうせカゴに出すんだし。
「…おはよう」
「はい、おはようございます」
けど、本当、肌も髪も若々しいし、可愛いなー。顔もアイドルみたいで。
さて、読書読書。
「…ふふ」
『わたし』は『10本のそれら』を机に並べ、笑う。
『あの先輩』は、覚えていないかもしれない。
地域の子供会で、仲間外れにされていたわたしと仲良くしてくれたこと。
わたしは中3、『先輩』は高3。
一緒の学校には、もう通えない。
けど、それはいいんだ。先輩って言うことで満足するから。
「先輩はこれらの中に何を入れていたのか。洗ったかもしれないけど、なら、その分頑張ります」
『先輩』の捨てた、ペットボトルたち。
会話で確認した。
『間接キス』のために、『全部』持ち帰った。
わたしだけの秘密、わたしだけの楽しみ。
「愛しい人が使っていたペットボトル。大切にしますね、先輩」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




