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ゼロバレット  作者: 水猫
ーーガリレア砂漠前線ーー(過去編)
57/74

057話 中央陣地突入 ― 八人全員の戦い

『ゼロバレット』の世界観やキャラ画像はこちら ↓


作者X(Twitter)で公開中!


https://x.com/MizunekoZeroB

――無音の夜、開始から一時間十二分。


ガリレア砂漠中央部。

地図上では、すでに“戦線”という概念が消えた場所。


ノアは砂丘の影に伏せ、前方を睨んでいた。


見えるのは、低く抑えられた光源。

砂袋を重ねた即席の防壁。

その背後で、等間隔に配置された人影。


(……用意されてる)


敵は、待っている。


ファンネル隊が全滅した地点。

ヴァルキリー8が次に向かうと予測される場所。

ここは――無音領域の“中心に近い陣地”だ。


ノアは、背後に視線だけを送った。


ヴァルキリー8の全員が、同じ理解に至っている。


声は不要だった。




レインが、最小限のハンドサインを出す。


【正面突破:不可】

【左右分断】

【接触後、即制圧】


八人が、音もなく散開した。


右にガルシア兄妹。

左にカロルとリザ。

後方支援にタリヤ。

エンフィールドはノアの半歩後ろ。


ノアは、呼吸を整える。


(敵は無音に慣れている。

 だから――判断を誤らせる)


彼は、砂を一度だけ強く踏んだ。


わざとだ。


砂の粒子が、不自然に舞い上がる。


敵の視線が、そちらに集中した瞬間――


ノアは逆方向へ踏み込んだ。




レインが、最小限のハンドサインを出す。


【正面突破:不可】

【左右分断】

【接触後、即制圧】


八人が、音もなく散開した。


右にガルシア兄妹。

左にカロルとリザ。

後方支援にタリヤ。

エンフィールドはノアの半歩後ろ。


ノアは、呼吸を整える。


(敵は無音に慣れている。

 だから――判断を誤らせる)


彼は、砂を一度だけ強く踏んだ。


わざとだ。


砂の粒子が、不自然に舞い上がる。


敵の視線が、そちらに集中した瞬間――


ノアは逆方向へ踏み込んだ。




「……来るぞ」


タリヤが、唇の動きだけで知らせた。


敵の増援。

重装備、十数名。


無音領域に適応した兵士たち。

動きに無駄がなく、恐怖も薄い。


ノアは一瞬で判断を切り替える。


(数を減らすより、動線を壊す)


彼は、真正面へ踏み込んだ。


刃は振るわない。


代わりに――“位置”を切る。


一人を転ばせ、

一人を押し込み、

一人の視界を塞ぐ。


その一瞬の混乱を、

ヴァルキリー8は見逃さない。


左からリザの一撃。

背後からカロルの制圧射撃。

音はないが、敵の隊形は崩壊した。



その時。


遠方で、一瞬だけ光が走った。


狙撃。


無音の中でも、

“光の動き”だけは、はっきりと分かる。


ノアは、反射的に身を低くした。


次の瞬間、

彼の背後を狙っていた敵狙撃兵の頭部が弾けた。


(……援護?)


ノアは一瞬だけ、視線を砂丘の向こうへ送る。


そこには、見えない“誰か”の存在があった。


距離、数百メートル。

無音・砂嵐・熱気の乱流。


それでも、正確に“今”を撃ち抜いている。


(……普通じゃない)


だが、考える時間はない。


ノアは前へ出た。





その時。


遠方で、一瞬だけ光が走った。


狙撃。


無音の中でも、

“光の動き”だけは、はっきりと分かる。


ノアは、反射的に身を低くした。


次の瞬間、

彼の背後を狙っていた敵狙撃兵の頭部が弾けた。


(……援護?)


ノアは一瞬だけ、視線を砂丘の向こうへ送る。


そこには、見えない“誰か”の存在があった。


距離、数百メートル。

無音・砂嵐・熱気の乱流。


それでも、正確に“今”を撃ち抜いている。


(……普通じゃない)


だが、考える時間はない。


ノアは前へ出た。



中央陣地の防壁が崩れる。


残った敵は、五名。


全員が、撤退を選ばなかった。


逃げない。

叫ばない。

ただ、構えを解かない。


(……処理役だ)


ノアは確信する。


彼らは、撤退を許されていない。


「終わらせる」


ノアの口が、そう動いた。


エンフィールドが、半歩前に出る。


二人は、同時に踏み込んだ。


刃と刃。

近接。

判断速度の勝負。


ノアが一人を倒し、

エンフィールドが二人を制圧する。


最後の二人は、ガルシア兄妹が挟み込んだ。


――数秒。


中央陣地は、完全に沈黙した。





――次回更新:12月31日17:30公開予定


ブクマ・評価・感想が励みになります。


『ゼロバレット』続編、058話「最長距離 ― 無音の狙撃戦」――


をお楽しみに!



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