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第7話 家のレベルアップの条件

「ごちそうさまでした。」

太郎たちが来てから1夜明け米を1合と昨日の残り物を食べ終えた太郎が言った。

「もう良いの?太郎、食べる量減ったね。」

「兄ちゃん、そりゃもう大人だもん。食べる量は減るよ。」

僕の知っている太郎は朝から米を2合は食べて更にパンを食べたり、焼きそばを食べたりしていたのでなんとなく1合しか食べないのが意外でつい言ってしまった。しかし、よくよく考えてみると僕が知っているのは高校生の頃でとてもよく食べる時期だったからそんなものなのかもしれない。

「そっか。」

「ところで兄ちゃん、この後はどうするの?」

「家のレベルアップの条件について探ろうかなと思ってるよ。」

「そっか。じゃあ、僕はトラックに乗って周囲の探索に行ってこようかな。」

「ちょっと待って、ここは地球じゃないんだから連絡が取れなくなるかもしれないし、周りが荒地で目印となるものが全くないから帰ってこれなくなるかもしれないよ。」

「そうだね。じゃあ兄ちゃんがお弁当作ってくれるまで待ってる。」

太郎は大したことでないような顔で言った。僕が心配しているのは帰ってこれなくなる可能性であって、お昼ごはんじゃないんだけどなぁ~。

「お弁当を作るには米を炊かないといけないから1時間ちょっと待ってね。」

「うん、分かった。ところで兄ちゃんはどうやって家のレベルアップの条件を調べるつもりなの?」

「家のレベルが1になった時にインターンホンがなって、テレビにレベルが1になったことが表示されたから。家電で画面表示ができて、こちらから入力が可能なテレビやタブレット、パソコンを使えば確認できるのではないかと考えているから、とりあえず、それらを使って確認してみる予定だよ。それでも無理ならまた考える。」

「そっか。まず何から確認するの?」

「まずはパソコンかな。そのつもりでここに持ってきてるし。」

「それじゃあ、パソコンを準備している間にタブレットを取ってきとくね。」

「うん、よろしく。」

パソコンの電源を入れて、パスワードを入力、よし、パソコンがたちあがった。

「うん?こんなアプリは入れてなかったんだけどな。」

「どうかしましたか?」

すぐ横に座って居た涼子さんが不思議そうな顔をしながら聞いてきた。6人は座れるテ-ブルで場所も空いているのに涼子さんはなぜか僕の隣に座っている。昨日もそうだったので気にしないことにしている。

「うん、何か“家”っていうアプリが入っている。こんなアプリを僕は入れた覚えが無いんだよな。」

「そうですか?とりあえず、開いてみたらどうですか?このタイミングでそんないかにも関係ありますといった雰囲気のアプリは開いて確認するべきだと思いますし。」

「そうですね。」

カチ

「ようこそ。

こちらは家の詳細について表示することが可能なアプリです。

気になることがありましたら入力し検索をかけてください。」

「どうやら正解みたいです。」

「そうですね。とりあえず、家のレベルアップについて検索をかけてみませんか。」

「そうですね。」


家のレベルアップについての検索結果

▪家レベルはレベル×10ポイント貯めることで上がる。

▪ポイントは以下の方法で手に入れることができる。

▪家で生活する。1人生活することで1日 1ポイント。上限は1日10ポイントまで。ただし、特定の条件を達成することにより上限を増やすことができる。

▪周囲をマッピングする100㎡あたり1ポイント。1日上限1000ポイントまで。ただし、特定の条件を達成することにより上限を増やすことができる。マッピング方法、徒歩または乗り物を利用し移動し、家の敷地中に戻ってくる。移動した範囲をマッピングすることができる。

※他にもポイントを入手する方法があるが現段階では表示できない。

▪1レベル上がるごとに5pを手に入れることができる。10の倍数の時は10p、100の倍数の時は20p手に入れることができる。1000の倍数以降も手に入れられるpは変化するが現状では表示できない。

※他にもpを入手する方法があるが現段階では表示できない。

▪pはさまざまな物やスキルなどと交換することができる。


「なるほど。つまり、しばらくはこの家から見える範囲以内を歩いたり、車や自転車で移動したりしてマッピングしながらポイントを貯めたら良いんですかね。」

「そうみたいですね。」

「うん?兄ちゃん、つまり僕はしばらくの間周辺をマウンテンバイクで走り回って来たら良いっていうこと?」

「うん、まあそういうことだね。」

「分かった。それじゃあ、行ってくるね。」

「ああ、気をつけてね。」

「あの、太郎さんはなんでマウンテンバイクで出掛けようとしているのですか?」

涼子さんが不思議そうな顔で聞いてきた。

「涼子さん気にしてはいけませんよ。あいつは昔から自転車が好きだったので。まあ、あとこの世界でガソリンを手にいれられるかよく分からないから、トラックを緊急時に使えるようにガソリンの消費を抑えるためじゃないですかね。」

「なるほど。確かにいざと言うときに車があると便利ですもんね。ですが、周囲にどんな動物が居るかも分からないのに大丈夫でしょうか?」

「まあ、そこは何か武器になりそうなものでも持っていくでしょう。あいつもそれなりに考えて行動は起こすので。」

「兄ちゃん。ナイフと杭打ち用のハンマー借りてくね。」

太郎はドアから顔だけ覗かせて言った。

「おう、気をつけてな!あ、弁当はいらないの?」

「大丈夫、腕時計を見ながら3時間ぐらいを目処に帰ってくるから。」

太郎が言い切ると同時に玄関扉がが開く音がした。

「わかった。じゃあ18時頃にご飯できるように準備しておくね。」

「うん、よろしく。」

返事と同時に玄関扉がしまった。いくつになっても僕の弟は忙しないようだ。

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