第12話 料理
「涼子さん、できましたか?」
僕は2度目の茹でこぼしを終えて、3度目に入ったタイミングで涼子さんに声をかけた。
「ええ、できましたよ。ところで何を作っているのですか?」
涼子さんはみじん切りにした玉ねぎとニンジンの入ったボールを僕に渡しながら聞いてきた。
「ハンバーグですよ。焼かずに冷凍庫に入れておけば何かあって料理を作れない時や足りない時に焼けばすぐ食べれれますし、湯がいたキャベツに包んでコンソメとケチャップと塩、コショウを入れて煮込んだらロールキャベツになりますしね。」
「なるほど。そちらの鍋は何を作っているんですか?」
どうやら僕の回答は涼子さんの求めていた答えでは無かったようで、鍋を指差しながら聞いてきた。
「こっちはゆずジャムです。今は太郎が実家から持ってきた柚子の皮をゆでているところですよ。」
「なるほど。」
ピピピ
「何ができたのですか?」
「太郎が焼いていた夜食のピザが焼きあがったのでしょう。すいませんがそこに鍋つかみがあるのでそれを使って出してもらってもいいですか?」
「あ、はい!」
「あの、どこに置いたらいいですか?」
涼子さんはピザを持ちながら聞いてきた。
「え~と、そこの台の上に置いて食器棚から皿を出してそれに移してもらってもいいですか?」
「分かりました。そこにあるピザも焼きますか?」
「お願いします。」
「分かりました。」
「ピザの方が終わったら、味噌、みりん、酒、醬油、はちみつ、ごま油、ニンニク、ショウガを出してもらってもいいですか?」
「分かりました。何を作るんですか?」
「味噌ブタです。ニンニクとショウガはすりおろしておいてくれるとありがたいです。」
「味噌ブタなら家で何度も作っていたので作れますよ。」
「それじゃあ、味噌ブタはお願いします。レシピがもし分からなくなったらそこのファイルにレシピが入っているので見てください。」
僕は食器棚の横にある本棚を指差しながら言った。そこには市販されているレシピ本の他にも僕が大学生の時から趣味で始めたレシピ開発の中でも美味しいと思ったものをまとめて作ったレシピ集や母親から教えてもらったレシピなどが入っている。
「分かりました。」
涼子さんは本棚を見て答えると、あちらこちらに置かれている材料を集めだした。しばらくしてはちみつ以外を揃えることができたようだ。
「はちみつはどこにありますか?」
「はちみつはオーブンの横に置いてあるかごの中にあったと思います。そこになかったらトースターの横のかごの中です。」
涼子さんはかごをの中を探してすぐに見つけることができたようだ。
「ありました。」
「他に見つからないものはありましたか?」
「いえ、大丈夫です。」
念のため確認したが問題無いようだ。
「それじゃあ、よろしくお願いします。」
「任せてください。」
涼子さんは力強く頷くと作業を始めた。




